黒柳 | 携帯についてるストラップも かわいいでしょ? 「徹子の部屋」30周年のときに、 わたしがパンダを抱いてるストラップを 番組で作ってくださったの。 |
糸井 | そのストラップも光ってますね。 |
黒柳 | 「徹子の部屋」のプロデューサーの 田原さんって人がまたピカピカ好きで、 彼女、双子がいて忙しいのに、 わたしのストラップに特別、 赤いピカピカをつけてくれたんです。 |
糸井 | 双子がいて‥‥(笑)、 あ、なんだか、 もうひとつパンダがついてません? |
黒柳 | いろんなものがついてんですよ、 これはプラダのパンダです。 |
糸井 | プラダの、ですか。 |
黒柳 | このパンダのピカピカは、 自分でつけたんじゃなくて、 もともとプラダからついてたんです。 わたしね、プラダという会社が パンダを売ってるとは思いもしませんでした。 このパンダはお店ではもう 売ってないと思いますけど、 こんなかわいいパンダは滅多にないです。 |
観客 | へえぇ(笑)。 |
糸井 | 黒柳さん、パンダ研究家ですから。 |
黒柳 | そうです。 ぬいぐるみ研究家でもあります。 で、あくまでわたしの感じでは、ですよ。 |
糸井 | はい、はい。 |
黒柳 | おそらくこれはね、世界でいちばん有名な シュタイフというぬいぐるみ屋さんが 関わってると思います。 |
糸井 | ああ、わかります、シュタイフ。 |
黒柳 | あそこに注文してると思います。 |
糸井 | なるほど。 |
黒柳 | なぜかなれば、この毛質がね。 |
糸井 | はい。 |
黒柳 | このみじかーい毛が、パサパサせずに きちんとしているでしょう。 この、毛がちゃんと生えてる感じは、 シュタイフの独特のものだと思いますし、 しかも、この顔や体のかわいさは。 |
糸井 | はい。 |
黒柳 | 普通のとこじゃできないと 思うんです。 でもこれ、 美川憲一さんにいただいたんですよ。 |
糸井 | 美川さんに? ‥‥そのルートも、すごいですね。 |
黒柳 | そうよ。美川さんからお電話があって、 (低めの声で)「ちょっと‥‥アンタ」 |
観客 | (笑) |
黒柳 | (低めの声で)「渡したいものが、あンのよ」 |
糸井 | (低めの声で)「パンダよ」 |
黒柳 | (低めの声で) 「会わない? ランチなんかどう?」 そうおっしゃるから、わたし、行きました。 (低めの声で) 「ちょっと、アンタよろこぶワヨ」 |
糸井 | はははは。 |
黒柳 | そう言って美川さんは このパンダを取り出して、 わたしにくださったんです。 これは電話についてるけど、 バッグのチャックにつけるパンダもあって、 あわせて、ふたつ、いただいたの。 「こんないっぱい悪いわ」 って言ったら、 (低めの声で) 「いいのヨ、用途は別なんだから」 って。 |
糸井 | 用途は別(笑)。 |
黒柳 | 「いいの?」って念押ししたら、 (低めの声で)「いいわヨー」 数日後、 (低めの声で) 「わたしもどうしても欲しいわ」 |
糸井 | 電話がかかってきて(笑)。 |
黒柳 | だけど、もう売り切れだったんです。 (低めの声で) 「アンタに買うとき、 これで最後って言われたのヨ」 |
糸井 | そりゃ大変だ。 で、どうしたんですか? |
黒柳 | 数日後にね、 (低めの声で) 「アンタ、わたし世界中のプラダに 電話してもらって、 探して手に入れたワヨ」 |
糸井 | はははは。 |
黒柳 | ですから、美川さんもたぶんお持ちでしょう。 かわいいでしょ、これ。 |
糸井 | かわいい。かわいいです(笑)。 |
黒柳 | かわいい。 こんなかわいいの、ないのよ。 あれ? そういえば、 犬はどうしたのかしら、今日は。 |
糸井 | 犬は、途中で投入されます。 いまは家にいて、 指圧に来がてら、連れてきます。 |
黒柳 | 指圧やってんの? |
糸井 | かみさんが。 |
黒柳 | ああ、奥さまが! 犬かと思いました。 このごろは犬も指圧するのよ。 いつも犬は、下からご主人さまを見てるから、 首が、こるんですって。 |
糸井 | ええ、きっと指圧も好きでしょうけど、 ひとりじゃここまで来られませんから。 |
黒柳 | ひとりで来られないの、あの犬。 |
糸井 | 来たらいいですけど(笑)。 |
黒柳 | たぶん、さらわれちゃうね。 のら犬だって思われちゃうね。 |
糸井 | そうですね(笑)。 |