たまねぎアメと 森繁パンダ。 〜黒柳徹子さんのお話〜   またまた黒柳徹子さんが 「ほぼ日」に来てくれました。 話のテーマは、ずばり「自由」、 糸井重里とのフリー・トークです。 例によって「ほぼ日」の乗組員が 観客として参加しました。 今回も、ふたりの会話を できるかぎりそのまま、お届けしたいと思います。 お話はパンダからはじまりますが、 思いがけない方向にもまいります。 どうぞ最後の最後の最後まで、おつきあいください。

第1回 出すものぜんぶ、ピカピカしてる。
黒柳 みなさんどうもこんにちは、黒柳です。
観客 (笑)
糸井 すみません、今日は
お客さんのかわりにうちの社員たちが
まわりに座ってるもんで。
黒柳 お仕事忙しいのにねぇ。
大丈夫なの?
糸井 前にも言いましたけど、
黒柳さんはちょうどいまみたいな感じで、
「世界ふしぎ発見!」のスタジオにいる
お客さんに向かって
前説のようなことをやってらっしゃいますよね。
黒柳 いえ(笑)、やってませんよ。
糸井 あれは前説というか‥‥とにかく、
解答者が答えを書いている時間に、
ツツーッとお客さんのほうに行って、
「テレビでは答えを
 すぐ書いてるみたいに見えますけども、
 実はすごく遅い人がいて」
とか、いろんなことをお話しなさっています。
黒柳 そうね、最近はそうでもなくなったけど、
ひところ、野々村(真)くん、
15分ぐらい考えてましたからね。長考!
観客 (笑)
黒柳 彼、熟考なんですよ。
それでね、あんなに考えたのに、できないけど、
「当たんないときは当たんない」
という期待感、ありましてね。
糸井 はい(笑)。
黒柳 あれほど待った分、いったい何だったのか、
という気持ちになりますでしょ?
それでね、わたしね、あ、
いいですか? このまま話しても。
糸井 お願いします。
観客 (拍手)
黒柳 ですから、野々村くんが答えを書いてるあいだ、
「申し訳ありませんね、この人が考えてるから、
 こんなお待たせして。
 おみやげも何もないのにね」
と言ったりはします。
観客 (笑)
黒柳 そうやっておもしろいような話をちょっとして、
いつもお客さまと
ごきげんを取り結んでるんです。
そしたらある日、野々村くんが
「うるさいな!」って言ったんですよ、わたしに。
「考えてるのに!」って。
糸井 はははははは。
黒柳 ですからこちらは「何さ!」と言いました。
「あーたが考えてるあいだ、
 シーンとしてると申し訳ないから、
 お客さまの、
 ごきげん取り結んでるんじゃないの!」
糸井 はい。
黒柳 「でもね、黒柳さん」と彼は言いました。
「それはたしかだと思いますけど、
 ぼくが先にできてて、黒柳さんができてなくて、
 ぼくがごきげん取り結んでたら、それは、
 不愉快でしょ」
糸井 え‥‥(笑)!
黒柳 それもそうだな、と思って。
糸井 それで、黒柳さんは、何と?
黒柳 「たしかにね。
 だけどあなた、
 こんなこと言いたくないけど、
 わたし一応、先輩よ」
糸井 ‥‥ぶはははは。
黒柳 野々村くんは、そういう点では
頭がいいんです。
少なくとも、そういうことを
思いつくんですから。
糸井 そういうことが、
やっぱり才能なんでしょうね。
黒柳 ええ、感心しましたよ。
ところで、マァー、みなさん、
今日はどうしたんですか。
ケーキ出していただいて、何しろこの飾りつけ!
いいですよね、お飾りって。
わたしね、お飾り大好きなの。
糸井 はい。
黒柳 わたしの持ちものって、
なんでもピカピカしてんですよ。
携帯でもすごいんですから。
もうピカピカよ。見たい?
観客 見たい(拍手)。
黒柳 すみません、わたしのバッグ、
どなたか持ってきてくださいます?
糸井 お願いします。
「徹子の携帯」
ということで紹介させてください。
黒柳 ピカピカがそんなに流行ってない時代から
やってたんですよ。
浜崎あゆみさんも好きなんだって。
糸井 ピカピカを。
黒柳 ええ、ピカピカを。
浜崎あゆみさんが
「徹子の部屋」にいらしたときね、
どっちがいっぱい
ピカピカを持ってるか、競ったんです。
ピカピカした持ちもの、
ふたりで全部出しました。
あの方は、靴やなんかも持ってきたのよ。
わたしもいろいろ出したんですけど、
負けました。
インターネットって言うんですか? あれは。
糸井 コンピュータ?
黒柳 そう。コンピュータ。パソコン?
ピカピカが全部のところにくっつけてあんの。
だもんですから、すごいの。
あれは負けました。
糸井 あ、黒柳さんのバッグがやって来ました。
‥‥バッグからして、光ってます。
黒柳 これはリュックサックです。
田川啓二さんという、
ビーズのカリスマが
いらしてね。
糸井 カリスマですか。
黒柳 カリスマですよ。
これはカリスマの作品なんですよ。
それをわたしがしょってるんでね。
糸井 はぁああ。
「アンタしょってるわね!」というやつですね。
黒柳 「アンタしょってるわね!」というやつですよ。
ちょっと待ってね。
糸井 はい‥‥うぉお。
出すもの出すもの、光ってますね。
黒柳 そうよ。
糸井 うお!
観客 (拍手)
黒柳 こんなもんで、‥‥フッ(笑)、
拍手していただいて、どうなんでしょう、
裏もちょっとお見せして。
糸井 すごい‥‥。

(つづきます!)
 
はじまったよ、 黒柳さんのたのしいお話。 ジェットコースターに乗った気分で、つづく!

2010-03-23-TUE
 
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協力:イデー
もくじ
第1回 出すものぜんぶ、ピカピカしてる。
2010-03-23
第2回 ちょっと、アンタよろこぶワヨ。
2010-03-24
第3回 わたしの名前、黒柳っていうのよ?
2010-03-25
第4回 竹みたいに食べてるけど、もしかして。
2010-03-26
第5回 クマの子だと思ってた。
2010-03-29
第6回 きれいでラッキーって、こういうことよ。
2010-03-30
第7回 しっぱいー。
2010-03-31
第8回 笹を食べよう、前座だし。
2010-04-01
第9回 なんでございましょうね。
2010-04-02
第10回 うーん、どうかな、今日。
2010-04-05
第11回 誰のまねでもないから。
2010-04-06
第12回 人生なんて、もっと遠い遠い、離れたことや。
2010-04-07
第13回 ねぇ、一回どう?
2010-04-08
第14回 人間が老いていくときの、ひとつの何か。
2010-04-09
第15回 命がけに見えました。
2010-04-12
第16回 でかい人生劇場。
2010-04-13
第17回 有名になったからって、だからどうなの?
2010-04-14
第18回 どこかで心をわかってる。
2010-04-15
第19回 ミシンの縫い目の、表と裏。
2010-04-16
黒柳さんが話した、黒柳さんのこと。前回のおはなしはこちらをどうぞ!

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