「龍」の画像はこちら
さっき、
「これはたしかにダメだ」
といった慶長時代の修理も、
それはそれで文化やからな。

金堂は
軒(のき)が深いから
重くて下にさがろうとする……
これをとめるのに、
いちばん簡単な修理が、
まんなかの根元に
トーテムポールをつけるやりかたや。

古代工人が作った魂を重んじれば、
そういうことはできない。
それが体の記憶というもんだけど、
「こうすればいいわ」と、
トーテムポールをつけてしまえば、
姿形も変わったことになっちゃうな。

ただ、
だめでもよくても、
あの龍は、一応
「慶長につくられたもの」
という文化の遺産には
なっているわけだ。

(次回へ続きます)
2005-08-29-MON
Text : Shunsuke Kimura Photo : Yasuo Yamaguchi ++ All Rights Reserved by Hobo Nikkan Itoi Shinbun 2005