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さっき、
「これはたしかにダメだ」
といった慶長時代の修理も、
それはそれで文化やからな。
金堂は
軒(のき)が深いから
重くて下にさがろうとする……
これをとめるのに、
いちばん簡単な修理が、
まんなかの根元に
トーテムポールをつけるやりかたや。
古代工人が作った魂を重んじれば、
そういうことはできない。
それが体の記憶というもんだけど、
「こうすればいいわ」と、
トーテムポールをつけてしまえば、
姿形も変わったことになっちゃうな。
ただ、
だめでもよくても、
あの龍は、一応
「慶長につくられたもの」
という文化の遺産には
なっているわけだ。
(次回へ続きます) |
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