すこしばかりとうとつですが、
またひとつ、たのしくお付き合いいただきたい
コンテンツがはじまります。

来週の月曜日から本格的にスタートするこのページは、
「オートマタ」と呼ばれる
からくり仕掛けの作品が完成するまでの様子を、
ひたすらユーストリームで配信し続ける内容になります。

「10日間続けての生中継」という、
ほぼ日でも初の試みを担当するのは、
の3人。

そもそもはこの3人が、
ひとつのオートマタに出会ったことから、
コンテンツの芽は生まれました。

それは去年の春のこと。
「もみじ市」の取材で
「手紙舎」さんを訪れた3人に、
手紙社の方がこの作品を見せてくださいました。
「ゆっくりハンドルを回してみてください」
言われるがまま、そのハンドルを回してみると‥‥。

これだけ。
ただこれだけのことなのに‥‥
いいんですよねえ‥‥。
ある意味、衝撃の出会いでした。
そうだったねぇ。
この、たまごが、
ぺたんっと産みおとされる感じが‥‥。
かわいいというか‥‥
気持ちいいというか‥‥
じわじわと笑いもこみあげてきて‥‥
3人で何度も回しちゃいましたよね。
そうそう、何度も。
この不思議なモノはなんですか?
と質問をしたら、「オートマタです」。
オートマタ。
オートマタということばも
知らなかったから新鮮でした。
ヨーロッパ式のからくり人形みたいなもので、
山口県の作家さんがつくったものだと。
へええーーーって思いました。
西洋からくり人形の作家さんが、
日本にいらっしゃるのだと。
手紙社のみなさんは、
すてきな作家さんに出会われてますよね。
それはほんとうにそう思います。
出会うと言えば、ほら。
え? ‥‥ああー、そうそう!
そう!
そのあとの夜、手紙舎さんで、
まさしくその、オートマタ作家の
原田和明さんに出会ったんです。
あの偶然はすごかった。
前置きが長くなりますが‥‥
たいせつなきっかけなので、言っておきましょう。
言っときましょう。
ぼくら3人、手紙舎さんのテーブルで、
ふつうのお客さんとしてご飯を食べてたんです。
(MacBookを開く)このテーブルで。
あ、まさしくこの席。
夜ご飯のときでしたけどね。
あのときはええと‥‥(紙に描く)
こんなふうに座ってたんだよね

 空席   みちこ
───────────
        

   テーブル


───────────
 スギエ   山下
はいはい、そうでした。
食事をしながらおしゃべりをしていたら、
メガネの男性がスタスタとお店に入ってきて、
ここの「空席」に、ちょこんと座ったんですよ。

メガネ男性  みちこ
───────────
        

   テーブル


───────────
 スギエ   山下
ニコニコ笑いながら、ちょこんと。
他のテーブルが空いているのに、
わたしたちのところへ、ちょこんと。
メガネの男性は自分のご飯を注文すると、
普通におしゃべりに参加してきました。
それがあまりにも自然だったものだから、
ぼくらはそれぞれ心の中で、
『誰かの知り合い』と思ったんです。
ところが、全員初対面。
だいぶしばらくたってから、
「ぼく、オートマタ作家の原田です」と。

 原田です  みちこ!
───────────
        

   テーブル


───────────
 スギエ!  山下!
あれは笑ったよねえ。
なぜここに座ったんですか? って訊いたら、
「なんか、たのしそうにしてたから」って(笑)。
くったくがない(笑)。
ほんと、くったくがない(笑)。
笑いながら感動しましたよ。
こんなにも簡単に人は仲良しになれるんだと。
ねえ。
それがわたしたちと原田さんとの出会いでした。
そのあと、「もみじ市」でお会いしましたよね。
たのしかったー、「もみじ市」。
やっぱりこのときも原田さんは、
お客さんひとりひとりと
あっという間に友だちになってたよね。
このころにはもうすでに、わたしたちは、
原田和明さんの魅力に
心をつかまれていたんだと思います。
そうだね、つかまれてた。
そしてことしの10月、
3人で京都に行ったんですよね。
「恵文社」さんでの個展をみるために。
これがまた、おもしろかった。
ねー。
よかったー、たのしくてかわいくて。
作品といっしょの原田さんがまた、
いい雰囲気なんですよ。
‥‥もう、決めた。
ん? なに? なにを決めたんですか?
もうね、せっかくだからね、
ここまで前置きが長くなったなら、
覚悟をきめて、
もっとたっぷりやってしまおうと。
おおー。
京都「恵文社」でみてきた作品を、
ズラッとご紹介いたします。
せっかくですもんね。
では。
(MacBookを操作)みていきましょう!
この展覧会は、
「音」をテーマにした新作がメインでした。
動物とか人形じゃなくて‥‥
自動楽器みたいな?
カラクリ楽団の演奏会のような‥‥。
ね。
わくわくする展示でした。
自分でハンドルを回せるのがたのしくて。
スギさん、黙々と回してた(笑)。
「音」がテーマの作品の他に、
いままでの代表作も展示されていました。
この子にも、また会えた。
この作品、二階堂和美さんなんですよ。
びっくりしました。
原田さんは二階堂さんとお知り合いで、
前に一度、原田さんのおうちで
ライブをしたこともあるのだそうです。
二階堂さんに、そっくり。
そしてこちらが、
なんともすてきに、ばかばかしいオートマタ、
「箸が転んでも可笑しい」です。

※クリックでYouTubeの動画をご覧いただけます
NHKで紹介されて一躍人気者になった、
ネコパンチの作品。

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こちらの「M」という作品もまた、
まじめにふざけていらっしゃいます。

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シンプルでかわいい、タップダンス!

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マトリョーシカ!

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スギちゃんが回しているのは、
原田さんの代表作「匙を投げる」ですね。

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山下さんが回しているのも最近の代表作で、
タイトルは、「空気の彫刻」。
しゃぼん玉ができるオートマタなんです。

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で、これがまた、すごい。
「愛のからくり」という作品です。
うまれるんですよ、愛が。
ラブマシーンですね。

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まだまだ作品はあったけど‥‥山下さん。
なに?
わたしたちの、この会話、
あとでページにするとかなり長くなりません?
うーん‥‥そうかも。
まだぜんぜん本題にたどりついてない‥‥。
ええと‥‥じゃあ、ページにするときは
このあたりまでをプロローグの前編にしよう。
あ、前後編になるんですか。
だって、せっかくのことだから‥‥。
‥‥そうですね、
ここは急がず、ていねいにいきたいですよね。
コンテンツの最初には、
原田さんの作品を何点か、
動画といっしょに載せたいですし。
そうそう、せっかくなので。
せっかくなので。
ですね、せっかくなので。
  (せっかくなので、後編につづきます)

2011-12-09-FRI

 
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