その261 (2004-11-01)
言おうとしたことと違ったことを言ってしまう。たったそれだけなのにこんなに愉快。ほぼ日刊イトイ新聞名物、「言いまつがい」は毎日更新です。


上司に電報を打つよう頼まれた後輩A。漢字電報だったので、上司の名前の漢字をひとつひとつ説明してました。「政彦の政は、政治の政、彦は‥‥」丁度いい単語が思い浮かばないのか、悩んでいるので周囲では「田原俊彦の彦だよ」とか「近藤真彦の彦」とか教えてあげてるのですが、耳に入らない様子。と、ひらめいたのか、大きな声で「彦一とんち話の彦です!」電文を復唱する際、NTTのおねーさんは、ちゃんと「彦一とんち話の彦ですね」と言ってくれたそうです。(くまくま)


私の友人が、会社で電報の手配を頼まれた時のこと。発信人の下の名前が「毅(つよし)」さんだったのですが、漢字の説明をしていた友人、ご本人が横にいるにもかかわらず、「えー、つよし、は、『立つ』に『豚(ブタ)』の右に『殺す(コロス)』の右です!」ときっぱりと言いました。別にまつがってるわけではないんですけど‥‥。そういえばこの友人、他の人の名前で『元』という字を説明するのに、これまたご本人が横にいるのに「元も子もない、の『もと』です!」と言ってました。今ではこの子が電報をうつ時には、フロア中が聞き耳を立ててます。(『元』は元旦の『元』と言いたい友人)


私の職場には「かわうえ」さんがいます。電話で名乗られる際は「三本川に上の『川・上』です」と言わはるので、相手先の方もメモをとりながら、「ああ、かわ、うえさんですね、はいはい」としごくスムーズに電話は終了します。しかし、その後、先方さんから折り返し電話があった際、以前「ああ、かわ、うえ、さんですね」としっかりメモられていた方に限って、必ず「カワカミ様いらっしゃいますか」と、「カワカミ変換」されてかけなおしてきはります。皆様、「川上」に、振り仮名をふろうとは思われないようです。シンプルな名前にも言いまつがいありなんですね‥‥。(私の名前はシンプルじゃない)


うちの息子は聖矢(せいや)といいます。市の催しに予約の電話を入れて行った時、「お子様のお名前は?」と聞かれ「『ひじり』に『ゆみやのや』で聖矢です」と言ったら当日名簿には「聖弓」と書かれてました‥‥。おいおい‥‥。(さるる)


「写部」と書かれてしまった「真部」さんがいましたが、僕もレンタカーを借りた時に同じようなことが。電話で予約する時に「写真の真に、太郎でシンタロウです」と言ったのに、当日書類には「写太郎」と‥‥。なんだか使い捨てカメラになった気分でした。(真太郎)


私の母親の名は「正恵」といいます。どこかのお店で記帳したときに崩し字で書いたらしく、その店から届いたDNの宛名は「玉葱」となっていました。どこの世界に「たまねぎ」なんて名の人がいるんだってば!(peshi)


私、上岡と申します。「うえおか」です。初対面の9割強の方が、「かみおか」とまつがわれます。もう慣れっこです。ですが、忘れもしない小4の時の担任。クラス換えから数日後の参観日。テンパっていた担任は私を指し、「うえかみさん」とのたまいました。「上上さん」?誰やねん!後にも先にもあんなまつがいをしたのは、あの担任だけでした。(う〜ぴょん)


私の元同僚で「水田(みずた)」という人がいました。「それでは、書類を〇〇課の水田までお送りください」と彼が電話で言った件数のうち何通かは、「〇〇課水玉様」宛てで届きました。送付される書類で追われていた係ではその度に楽しませていただきました。(Tomoko.K)


私の旧姓は「戸谷」と書き「とや」と読みます。地元では多少ある姓なのですが、父の転勤先では珍しい苗字に‥‥。「とたに」「こたに」などなど読みまつがえられました。高校2年の春、例によっていくつかの教科の初めての授業で読みまつがえられ、さて現代国語の初めの授業。幸い、1年のときに受け持っていただいた先生だったので余裕で待っていると「‥‥へやさん」‥‥脱力してしまって、訂正する気力もなく返事をしたら、前の席の男子が「とやです!」と言ってくれました。結婚して平凡な姓になったので今では懐かしい思い出です。(上野駅のうえの)


私の名前は聡美です。小学校からウン十年の付き合いの友達が結婚することに。折り目正しい綺麗な招待状が郵送されてきました。「お、来た来た」と思い宛名を見ると。「○○恥美様」‥‥子供の頃から書道が上手だった彼女の筆跡でそれはそれは丁寧に書かれていたのです。‥‥ウン十年の付き合いなのに!?でも怒るどころか筆を持って「恥美」と真剣に書いている彼女の姿が浮かんできておかしくてしょうがなかったです。結婚式では子供の頃からの彼女のステキなエピソードとともにこの事を新婦友人のスピーチでここぞとばかりに語らせてもらいました。(はじみの逆襲)


東の「ひがし」「あずま」問題についてですが、我が家は現在「あずま」です。が、実は「ひがし」が正解なのです。ダンナの父が長野から隣県へ住むようになった際、周囲から「あずまさん」と呼ばれるようになり、めんどくさいから「あずま」になりすましておったそうな。その後、なんと役所に届け出る書類まで「あずま」に統一され、現在に至ります。50年くらい前の書類にはふり仮名を記入しなくてもよかったのでしょうが、いまさら元に戻せといわれたら困ります。ちなみに友人には、苗字の漢字2文字の真ん中に役所の人が墨をつけたがために、親戚じゅうで一軒だけ「ノ」が入った苗字の子がいます。(にたえもん)


「アズマ」さんと呼ばれてしまう「東(ヒガシ)」さんがいらっしゃいましたが、私は「ヒガシ」と呼ばれてしまう「東(アズマ)」です。出席確認で初めから「ヒガシ」と言い出す先生たちに「出席番号1番のヒガシさんが全国にどれくらいいるのか」と問い詰めたい気持ちです。(私は名前も間違えられやすい)


わたしの会社には、東さんと書いて、「ひがし」さんと「あずま」さんのふたりが同じ部署にいました。「あずまさん」はもとからいたベテランのおばちゃんで、「ひがしさん」は新入社員の男性でした。「あずまさん」はまつがわれることなく、呼ばれていました。でも「ひがしさん」は、最初のころほとんどの人から「あずまさん」と呼ばれ、いちいち訂正していました。「ひがしさん」を呼ぶほうの人も、「ひがし?あずま?」と考えてから呼んでいました。しばらくたって「ひがしさん」もようやく仕事に慣れてきたころ、「ひがしさん」は「ひがしあずまさん」と、合体した名前で呼ばれるようになっていました。(私の苗字はもっとややこしい)


私は小学校の頃、バレーボールクラブに入っており、「ユウコ」と呼ばれていました。2年後に妹「ヒロコ」も同じクラブに入って来ましたが、私の縮小版のようだったのでとりあえず「ユウコB」と名付けられました。その後数ヶ月して、やっと「ヒロコ」も名前が浸透したのですが練習中のとっさの場面では、コーチ以下全員が「ヒロコB!!」と叫んでいました。Bいらないでしょ‥‥。(姉ユウコ)


この間ハギワラさんが、「世間では荻原のほうが一般的」と言っていましたが、10年前に結婚して荻原になってわかったのは、「荻」と「萩」を同じ字だと思っている人が意外と多いことです。だから呼ぶほうは、まつがえたとも思っていないんですよ。8年前産婦人科の検診で待合室で待っていたとき、「オギワラさ〜ん」と呼ばれたので、お!珍しくまつがえられなかった!と立ち上がったら、隣に座っていた妊婦の方が同時に腰を浮かすんですよ。??と思ったものの中に入り、医師の問診を受けながら何気なく机の上においてあったカルテを見ると私のカルテの次に「萩原○○」と書かれたカルテが!偶然にも「荻原」「萩原」と続けて待っていたのです。思わず担当の医師に「偶然ですね〜」と言ったところ、「字は同じなんだよね」と信じられない言葉が返ってきました。(でも腕はよかった)


名前の言いまつがいを送らせていただきます。厳密には「まつがい」ではないのですが。役所に勤めておりまして、窓口業務をしていた時のことです。「東海林」さんと言う方の書類をお預かりしました。普通に読めば「しょうじ」さんですよね。でも、ふりがなには「とうかいりん」と!お渡しする書類を渡す時に葛藤を感じましたがご本人の申請どおり「とうかいりんさーん!」と大声で呼びました。周囲の人たちは「うわ、東海林も読めねえよこの職員」と思ったことでしょう。実際そういう顔をされました。バカ扱いです。でもきっとご本人さまはいたるところでご苦労されているんだと思います。そして銀行や郵便局や病院で、私のような不当なバカ扱いを受けた人もたくさんいるんだろうなあ、としみじみ思ったのでした。(Yuko)


取引先に、関取さんという名前の方がいました。商談にたずねていって、受付で、「横綱さんおねがいします」とたのんだら「オレはまだ、そこまで出世はしてねえよ」と言いながら、本人が出てきました。(光敏)


「川口」という、いたって普通の苗字。ある日、仕事先で慌てて「川口」と走り書きしたら、後輩に「川口さん、1110ってなんの数字ですか?」と言われた。(川口)


同級生だった水流(つる)くん。40年以上も生きてきて一度も正しく「つる」と呼ばれたことがないと嘆いていたら、そばにいたおじいちゃんが「わしゃ、90年呼ばれたことがない」とおっしゃっていた。(あかねさす)

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