[糸井]
猿岩石
を結成したときは、
「どうやって出て行こうか」など、考えたんですか?
[有吉]
猿岩石のときは、えっと‥‥けっこう顔が童顔だったんで。
[糸井]
うん。
[有吉]
ぼくはデビュー当時から、わりと「かわいい、かわいい」って言ってもらえたんです。
それは、子どものときからそうでした。
だけど、高校生ぐらいの頃は、なめられちゃうんですよね。
不良全盛の時代の、田舎の高校だったので。
[糸井]
ベビーフェイスは、なめられちゃうよね。
[有吉]
それで、結局柔道部に入ることにしまして、強くなって。
[糸井]
強くなっちゃって(笑)。
[有吉]
コンビニの袋をかぶって、不良の生徒を襲う! なんてことしました。
[糸井]
はははは。
[有吉]
かわいいと言われたことで、なめられないようにしようという意識がすごくあったんです。
芸人になってからも、かわいい、かわいいと言われるんで、これじゃダメだってことで、丸刈りにして、メガネかけて、口からナマコを出したりして。
[糸井]
ぶぶぶ(笑)。
[有吉]
キワモノのほうに行っちゃうんですよねぇ。
[糸井]
行っちゃうんだね。
[有吉]
「かわいい」の分野を刈りきれずに、どうしてもヤバイほうに行っちゃうんです。
だから、もう決めちゃって、ヤバイほうでやっていこうとしていたら、今度は『電波少年』につかまって。
[糸井]
そのタイミングなんだ。
[有吉]
はい。
[糸井]
一気に、ヒッチハイクの旅で、スーパースターになった。
[有吉]
ワルかったはずが、結局、
「感動」のほうに行き‥‥
[糸井]
気がついたら、歌とか歌っちゃうし。
[有吉]
そうです(笑)。
こっちに行きたいけどあっちに引っ張られて、と思ったら、またちがうほうに引っ張られて、という具合です。
[糸井]
じゃあ、流れはやっぱり行こうとするほうの逆に行くんだね。
[有吉]
はい。
いつも逆に引っ張られます。
[糸井]
それにしては、なんだか仕掛けがどんどん大きくなるね。
[有吉]
はい。
それでもう、仕事なんか増えなくていいや、細々とやっていけばいいや、と思って、たまに『アメトーーク!』とかに出てました。
そうしたら、また仕事をいただけるようになりまして。
ホントに、行こうとする、逆、逆なんですよ(笑)。
[糸井]
ずっとそうですね。
[有吉]
はい。
[糸井]
途中で一瞬、有吉さんはこの道もあるかな、って、ぼくが思ったのは、じつは柔道です。
[有吉]
はい(笑)。
[糸井]
「有吉が強い」というネタは、笑いになりましたよね。
あの向こうには何があるんだろうと、たのしみにしてたんですが、柔道で番組に出る機会ってそんなにはなかったですね(笑)。
[有吉]
けっこうあれで、仕事をいただきましたが、そんなにはやっぱり(笑)。
柔道で引っ張ってくれたのは、
加地さん
でした。
ですからぼくは、加地さんに2回引っ張ってもらってるんですよ。
[糸井]
加地さんのそういうセンスってすごいですね。
(続きます)
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