[糸井]
切干だいこんも、いってみたいと存じます。
どんどん、直箸で失礼いたします。

[清水]
いいな、こんな仕事。

[糸井]
(自慢げに)これね、オレ、毎月やってるんだよ。



[清水]
いいですね、はははは‥‥。

[糸井]
ほんとにしあわせだよ!
こういう秘密結社があったら入りたいぐらいだよ。
よしもとばなななんか、飯島さんのゴハンを食べるための仕事、つくっちゃったんだよ。

[清水]
あ、その本ですね?
『ごはんのことばかり100話とちょっと』(*)。

*よしもとばななさんの書き下ろしエッセイ集。
飯島奈美さんのつくるごはんのことについても書かれています。

[糸井]
ここに来る口実を考えたんだよ。
ふふふ。

[清水]
ああ、わかります。

[糸井]
この切干だいこんも、いいね。

[清水]
切干だいこんって何にいいんでしたっけ。



[飯島]
干した物って、ビタミンBとか、ミネラル類。
生のままでは取りにくい栄養素が採れるんですよ。

[清水]
一回、干すと、健康にいいって不思議ですよね。

[飯島]
そうなんですよ。
太陽の光でつくられる栄養素があるんですねー。

[糸井]
しかもこれ、しらす干しもかかってる。
あ、なんか骨硬くなってきちゃった、オレ。
もう骨がガチガチだよ。

[清水]
音がする。
成長する音がします。

[糸井]
肉より硬いよ!

[清水]
(ふと視線を感じて、隣のスタッフ席を見る)
なんかね、そっちのテーブル、なんか、かわいそうな感じがするよ。



[──]
いや、あの、その、われわれは、大丈夫です。
あとでいただきますから(笑)。

[清水]
昔の家ってこうなのかな?
「ねぇ、お父さん」

[糸井]
「こういうね、従業員を大事にする 家でありたいね、うちもね。
 おまいたち、いつもごくろうさん」

[清水]
「ありがとうね。
 おあがり?」



[糸井]
「正月には、実家に帰るってこともね、 考えていいんだから」

[清水]
「いいんだから」

[糸井]
「新しい帽子でもかぶって行ったらどうだ。
 アカギレは治ったか?
 寒い思いをね、 させてると思われちゃうから。
 ああめでたい、めでたい。
 わはははは」

[清水]
‥‥ああ、気持ちがいい。



[一同]
わはははは。
(困ったな、妙なプレイが始まった‥‥)

[清水]
あれ、みんな、うかない顔してますよ。

[糸井]
もともとは言いだしたのは、清水さんだからね。

[清水]
そんな!

[糸井]
シチュエーションを勝手につけたんだからね(笑)。

[清水]
そのあと、引っ張ったの糸井さんでしょう。

[糸井]
オレはそんなようなこと、思いもよらなかったんだから。

[飯島]
(料理を運びながら)
こちら、おでん風の煮ものなので、からしをつけて食べてくださいね。

[──]
(ほっ、助かった‥‥)



[清水]
すごく、きれい。おいしそう!

[糸井]
もう盛りますよ、わたくしは。
失礼して。
これはなあに?

[飯島]
がんもです。

[糸井]
ああ、ありがたいねぇ。

[飯島]
揚げたてなので、熱いです。

[清水]
へぇー!

[糸井]
揚げたんだ!

[清水]
すごーい。



[糸井]
がんも揚げるだけで手一杯になっちゃうからね、普通だったら。

[清水]
あれ、あなた、ゆーないとさんじゃないですよね。

[ゆーないと]
そうです。

[清水]
ゆーないとさん!
大きくなったね。

[一同]
(笑)大きくなった!
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