しむらのいろ、3日目のようす

しとしとと雨の降る銀座で本日が最終日の
「しむらのいろ〜山川色衣 草木色衣」におじゃましてきました。

一昨日昨日を経て最終日の今日は、和やかな雰囲気。
今回は、ご年配の女性とすらっと背の高い女性が選ばれて、着装スタート。

「展示販売会も3日目となると けっこうくたびれるんですけどね、 この時間は、たのしみにしてるんですよ。

 2日間とも着装したかたが、 パッとお顔が変わられてね。
 特に冬は、みなさん黒とかグレーとか モノトーンのお召し物が多いでしょう?
 お洋服から着物に着替えると、 一般(普通)から、 個が出てくるというんでしょうか。
 その人の素敵な個性が、前に出てくるんです。」

「自然の染料で染めた紬の着物っていうのは、 いろんな色が入っていますからね、 洋服のように画一的ではないんですよね。」

「着物っていうのは、ひとつの魔法なんです。
 みなさんは、魔法にかかりたい。
 わたしたちは、かけてあげたい。
 わたしたち、魔女なんです。」(笑)

昨日と同様、あっという間に着装されて、代表のお二人はもちろん、会場のお客さんも魔法にかかったかのよう。

魔法を目の当たりにしたあとは、ふくみ先生から、こんなエピソードも。

「娘(洋子さん)が今日着てる帯は、 わたしが結婚式の時につけていた 母の帯なんです。かれこれ100年?」

「母から、娘、そして孫へ」
という夢のような本物の話を聞いてみなさん、いっそう着物の世界に引きこまれている感じがします。

実は、着装の代表となった一人の女性からは
「もっとお若い方に」
と、その代表の座を譲られるお申し出がありました。
しかし、洋子先生からどんな着物でも、年齢を重ねても似合うということを見てほしいとのことで、みなさんの前で着装の代表になっていただきました。
明るい色のお着物が、ほんとうによく似合っていらっしゃいます。

あらためまして、この3日間に代表として着装された6名のみなさん、どうもありがとうございました!

その後も参加者からは、

「初心者が着物を選ぶときに、 どんな柄を選んだらいいか」

「ピタッと来る帯が見つからない着物は まだ置いておいたほうがいいのか」

など、熱心な質問がどんどんつづきます。
会場がびっくりしたのは、つぎの質問。

「18歳のわたしはこれから、 着物のことをどうやって 学んで行ったらいいでしょうか?」

この質問には
11月のTOBICHIで、大活躍だったまどかさんとユタちゃんが前に呼ばれます。

「このふたりは、私たちの学校 アルスシムラの一期生です。
 いまは工房のスタッフとして働いています。
 学校での一年間、染色と機織りの勉強をやって 自分で一から染めた糸を織って縫って、 自分にいちばん似合う着物を作りました。
 人間、やる気になればなんでもできるんです。
 ぜひ、アルスシムラにお越しください。」

と、笑顔でお答えくださいました。

最後に、ふくみ先生がいつもこういう人がいないと着物のことが伝えられない、とおっしゃる求龍堂の三宅さんから、
書籍『つむぎおり』のご説明もあり、本日も、あっという間の45分間が終了しました。

志村ふくみ先生、洋子先生、都機工房のみなさん、今回のイベントにきてくださったたくさんのお客さん、今度こそ、行きたいと思っているみなさん、さあ、次回はまた、TOBICHIでぜひともお会いしましょう!

宝物のような3日間、みなさん、本当にありがとうございました!

2015/03/01 15:46

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