[南]
タコなんかもね、つかまえてバケツに入れておくと必ず逃げちゃうんだ。
[糸井]
あ、そうだね。タコは逃げちゃうね。
[南]
タコってね、ちょっとでも隙間があると、そこから出て行っちゃうんだよ。
[糸井]
そうそう。出ちゃう、出ちゃう。
[南]
あの、タコって、
「カラス」っていう部分があるでしょ?
タコの中にさ。
[糸井]
「カラス口」の「カラス」ね。
[南]
そうそう。
なんか、骨みたいな、クチバシみたいなところ。
あれが通る大きさの穴、直径3センチくらいの穴さえあれば、どこからでも出られちゃうんだ。
[一同]
へーーー。
[糸井]
うん。
[南]
もう、このぐらいのさ、このぐらいの穴を通ってっちゃうんだもん。
びっくりするよ。こ〜んな大きいタコがさ。
[一同]
へーーー。
[南]
あ、これは、本当の話だからね(笑)。
[一同]
(笑)
[糸井]
その話は、いま、オレもいっしょに言ったね。
[南]
え?
[糸井]
タコが小さい隙間から逃げるって話さ。
オレも、その話がしたかった。
[南]
そんなこと言われても‥‥。
[糸井]
いや、違う、むしろ、オレのほうが伸坊よりもその話がしたかった。
[南]
そんなこと言われても‥‥。
[糸井]
伸坊が言ったように、オレも言いたい。
伸坊の手柄を取るわけじゃないんだ。
[南]
食い下がるね。
[糸井]
なら、他のなにかを譲ってもいい。
[南]
じゃ、クラゲを譲るか。
[一同]
(笑)
[糸井]
あのねぇ、タコなんだけどね、みんな、釣ったことないでしょ、タコ?
[南]
うん、ない。
[糸井]
ましてや、洗ったことなんてないでしょ、タコ。
[南]
洗う? タコを?
[糸井]
そう。ないでしょ?
[南]
ないね。
[糸井]
オレは、ある。
[南]
おー。
[糸井]
ね、ほら。ぐっと前に出たでしょ、いま。
座の一同が。
[一同]
(笑)
[南]
で、タコ、どうやって洗うの?
[糸井]
うん。
ものすごく言いたいわけよ、このことが。
[南]
うん、うん、うん。うん。
(続かざるをえませんね)
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