[糸井]
オレはさぁ、今日、せめて、鎌倉に着くまでは、車の中で寝るんじゃないかと予想してたんだけどな。



[南]
ずっとしゃべってたね。

[一同]
(笑)

[糸井]
このまえの、熱海のときもそうだったな。

[南]
ずっとまえに京都に行ったときもそうだった。
たしか、ほぼ日刊イトイ新聞をはじめたばっかりのころだったと思うけど、糸井さんは新幹線の中で寝て行くつもりだったらしいんだ。
ところがさ、久しぶりなもんで、話しかけた。
で、そのまま、ずーっと話してたよね。

[糸井]
いつもそうなんだよな。

[南]
わかった。久しぶりに会い過ぎるんだよ。
もうちょっとさ、頻繁に会ってて、
「昨日も会ったし」みたいな感じだったら‥‥。

[糸井]
いや、どうだろう。
オレ、昔から伸坊に会ってるときって‥‥。

[南]
しゃべってるな。

[糸井]
しゃべってるんだよ。
それで、ひどいときは朝方までそのまま行く。

[一同]
(笑)

[南]
そうだね(笑)。



[糸井]
仕事のために会ってて、互いに手を動かしてなきゃいけない、みたいな状況でもしゃべってたよ。

[南]
そうそう、糸井さんとこに行って、ふたりで原稿書いたことあったね。

[糸井]
うん。プロレスの記事だ。

[南]
ああ、そうだ、そうだ。あれはおかしかった。

[糸井]
あの仕事はいまでも好きだなー(笑)。

[南]
あのね、オレはあんまり、プロレス知らなくて、一方、当時の糸井さんはプロレス大好きだから。
それで、素人のオレがプロレスの質問をして、糸井さんがそれに答えるっていう、
「プロレスQ&A」みたいなページをつくったんだ。

[糸井]
そうそう。伸坊のイラストつきで。

[南]
「プロレスラーは海水浴に行くとき どういうパンツで泳ぐのですか?」
みたいな質問をしてね。

[糸井]
「おおむね、流用です」

[南]
「覆面レスラーは どういうとき床屋に行くのですか?」

[糸井]
「地方興行のときなどに、ふらっと」

[一同]
(笑)



[南]
そのうち糸井さんが質問も自分でしてたね。

[糸井]
うん。自分でつくったやつで、好きだったのは、
「男子プロレスはどうして 試合の前に歌を歌わないのですか?」
っていうやつ(笑)。

[南]
「男子プロレス」ってのがいい(笑)。

[糸井]
そうそう(笑)。
そういうこと言っちゃあ、伸坊がゲーラゲラ笑ってさ。

[南]
そうそうそう(笑)。
たのしかったよ、あれは。

[糸井]
「男子プロレス」みたいな微妙なおかしさを、読者に届けるまえに、横にいるやつが笑ってくれるというのはやっぱり、助かりましたよね。

[南]
お互いにね。



[糸井]
そういえば、あのシステムって、ぼくはその後、ゲームをつくるときに意識的につかったんだよ。
セリフを考えるときに、
「反応する係」っていう立場の人にふたり、いてもらって、その人たちが、おもしろがるかどうかで進行させていった。

[南]
そういう気持ちはわかるな。
だから、ひとりでやってたんじゃ、やっぱり、おもしろくなんないんだよな。

[糸井]
ほんとうにそう思う。
だから、伸坊の場合はきっと、6回に1回ぐらいしかウケない奥さんがけっこう重要なんだろうね。

[南]
ああ、うちのは厳しいからね(笑)。

[糸井]
(笑)

[南]
(笑)

[糸井]
さて、きりがないから、このへんで終わりましょうか。
きっと、分量としては、足りてるでしょ。

[一同]
(笑)



[南]
結果的に、今日もたくさんしゃべったね。

[糸井]
やっぱりさ、仕事にかこつけた方が、いっぱいしゃべれるんだと思うよ。

[南]
ああ、そうかな。

[糸井]
こう、ヒマつぶしの友だちとして、ただいっしょにいたってさ、
「あー」とか「へー」とか言い合ってるだけでしょ、きっと。

[南]
そうかもね。



[糸井]
だから、また、半分仕事で会おう(笑)。

[南]
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