[糸井]
伸坊、毎日、何時ごろ寝てるの?

[南]
いつもは12時とか。



[糸井]
あ、そう。いいねぇ。

[南]
昨夜は、そうなんなかったんだけどね。

[糸井]
なにかあったわけ?

[南]
うん。昨夜は蚊にくわれてね。

[一同]
(笑)

[糸井]
ははははは。

[南]
いや、笑うけどさ。



[糸井]
ごめん、ごめん(笑)。
蚊にくわれて眠れなかったんだね。

[南]
しょうがないよ。
蚊にくわれちゃったんだもの。

[糸井]
かゆくて?

[南]
うん。起きちゃった。ははははは。

[糸井]
ははははは。

[南]
かゆくて起きちゃったんだけれども、昨日の蚊が感心だったのは、プーンっていわなかった。

[糸井]
ああ(笑)。

[南]
プーンっていうやつは、刺さなくてもヤだよね。
「黙って刺せ」と思う。

[糸井]
けど、プーンって言わないと、ステルス戦闘機と同じで退治できないじゃない。

[南]
まぁ、そうだけどさ。
ステルス戦闘機ね。
蚊とステルス戦闘機を同じところに並べるなんて、すごいね。

[糸井]
自在さ。

[南]
自在だね。

[糸井]
蚊も戦闘機もやっかいなもんだね。

[南]
昨夜はとくに蚊だったんだけどね。

[糸井]
うん。蚊だ。



[南]
いちばんいい蚊は、プーンっていわないで、刺してもかゆくないっていう蚊だろう。

[糸井]
それはいい(笑)。
つまり、あれだ、血がちょっとなくなるだけ。

[南]
そう、そう。
あのかゆさとかプーンとかを思えば、血ぐらい持っていけばいいじゃないか。

[糸井]
そういえば、みうらじゅんが、
「そろそろ人類は蚊としっかりした 取引をするべきだ」って言ってたよ。

[南]
ははははは。

[糸井]
みうらの言ってることもいまの話と近くてさ、つまり、血はやる、と。
だから、かゆくなる液を入れないでくれ、って。

[南]
ああ、いっしょだね。
しかもさ、向こうがかゆくするについては、向こうにも都合があるんだよね。

[糸井]
ええと、その場合の「向こう」は、蚊?

[南]
蚊、蚊(笑)。つまり、向こう(蚊)がかゆくするについては、向こう(蚊)にも都合があるんだよ。



[糸井]
どういう都合があるの?

[南]
たしか、吸ってるあいだに血が固まらないように、かゆい液を入れてるんじゃなかったかな?

[糸井]
あ、そうなの? それは、先生みたいな人が言ってた?

[南]
先生?

[糸井]
蚊を研究してるような先生がさ。

[南]
いやいや、知らないですけど。

[糸井]
ああ、そう。

[南]
その、まちがってるかもしれないからこれは、よそに行って言っちゃダメだよ。
インターネットで言っちゃダメだよ。

[糸井]
はははは。大丈夫。
インターネットで言ったことは、みんなあんまり信用しないから。

[南]
はははは。



(はははは。つづきます)


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