さまざまなバラエティ番組で活躍し、
4月からはTBS朝の顔にも。
日々大忙しのはずの麒麟・川島明さんが
ほぼ日曜日の空間に
「#ホテルカワシマ」をオープンします。
芸人さんがホテルを?
いったいどういうこと?
1年以上かけて準備してきたという
謎多きこのプロジェクトについて、
支配人であり仕掛け人の
川島さんに聞きました。
- ――
- 「#ホテルカワシマ」から
すこし話がずれるのですが。
- 川島
- 全然いいですよ、どうぞ。
- ――
- 川島さんが毎朝MCを務めている
『ラヴィット!』(TBS)の告知動画を毎朝、
マネージャーさんがTwitterにアップされていますよね。
- 川島
- はい。
- ――
- 毎朝、ゲストの芸人さんを呼んで、
オリジナルのゲームのようなことを数分されている。
あれは毎朝、川島さんが考えているんですか?
- 川島
- はい、僕がひとりでやってます。
毎朝シャワーを浴びながら、
「今日のゲスト、誰がいたかな」と思い出して
その人に合う企画を考えています。
- ――
- あんなに凝った告知動画を、
しかも毎日アップしている番組を
あまり他では見ないな、と思うのですが。
- 川島
- 最初の頃はそれこそ
「今日はよろしくおねがいします!」と言うだけでした。
でも、毎朝「今日の意気込みは?」とかやってても
誰も見ないし、僕も、相手にもプレッシャーがない。
だからどんどん変わっていっちゃいました。
毎日のことなので、たいへんといえばたいへんですし、
後輩たちにも負担をかけて申し訳ないですけど、
もう後戻りできない(笑)。
でもこういうことを考えるのが好きなんやな、
と気づいたのは「#ホテルカワシマ」を
企画したおかげでもあるんですよ。
- ――
- そうなんですか?
- 川島
- 僕が何を言っても、ほぼ日の皆さんが
「ぜひやりましょう!」というスタンスで、
「絶対に川島の言うこと実現させてあげよう」
という姿勢でいてくださるんですよ。
「ちょっとそれは予算が」とか
「これは難しいですね」とかは
聞いたことがないです。
だから僕もどんどん楽しくアイディアを出せる。
‥‥ま、でも一度だけね、
「これの何が面白いんですか?」と
言われたことがありましたけど(笑)。
- ――
- そんなことが(笑)。
- 川島
- でもそれって、お客さんにもっとも近い
率直な感想だと思うんです。
吉本にいると、ありがたいことに
笑いをわかったスタッフさんが周りにいる。
これはだいぶ恵まれた、特殊な環境なんですよね。
そんな中でほぼ日さんのように、
お笑いをメインとしていない皆さんとお仕事をするのは
勝手が違って、すごく楽しいんです。
なんかね、
転校した先でいちから友達を作るみたいな作業なんですよ。
「あれ、これ大阪ではウケてんけどな」みたいな(笑)。
ほぼ日さんに「何が面白いんですか」と言われたものは、
きっとお金を払って来てくれた人も
「何が面白いんだろう」と思っちゃうものなんですよ。
逆に言えばこの人たちが笑ってくれたら、
来てくれる人たちも絶対に笑ってくれる、
という自信につながるんです。
- ――
- もう少しだけ『ラヴィット!』のことを。
『ラヴィット!』は
朝8時から10時の生放送にもかかわらず、
ニュースもワイドショー的な話題も一切扱わず、
徹底してバラエティをやっていますよね。
テレビの中に川島さんが
自分の理想郷を作ろうとしているようにも見えます。
- 川島
- 理想郷というとかっこよすぎますかね。
ワイドショーをやれと言われても、
僕は本当にできないんですよ。
社会のこととか政治のこととか、
僕が言っても知識がなさすぎて嘘になってしまう。
説得力がまるで生まれない。
ただ、しんどいニュースばっかりの中で
「こんなんがあってもええやん」と
思っているだけなんです。
ラジオやYouTubeなんかも含めたら、
いまはめちゃくちゃたくさんの
媒体とチャンネルがあるじゃないですか。
そのなかでひとつくらい、
こんな番組があってもいいのかなって。
ニュースを扱わないことも、
告知動画で遊んでみるのも、
やろうと思えばできる。
なら、やってみればいい。
「アホやな」と思われるかもしれませんけど、
「自分たちが楽しくやっている」
という点においては胸を張れます。
- ――
- 『ラヴィット!』を観ていると、
すごく伝わってきます。
- 川島
- 相方と二人で20年以上芸人をやってきて、
苦手なもんを克服するよりも、
好きなことを伸ばしていくほうが
自分には合っていると思い至ったんです。
僕は元々家でこつこつと
ハガキ職人をやっていた人間なので、
太陽の下でロケをするよりは、
「#ホテルカワシマ」のような
密室の笑いのほうが好きだし、得意なんですよ。
- ――
- 「ホテルカワシマ」で披露される笑いは
川島さんの原点でもあるんですね。
- 川島
- ほんまにそうですね。
だからこそ、
ちゃんと隅々まで思うようにやりたい。
外に出す文章ひとつとっても、
フォントとか句読点や改行の位置まで
指定させてもらっています。
- ――
- そんなところまで?
- 川島
- もう毎日のように次から次へと
「これ作ってください」「これはこの大きさで」
「これは声優さん使ってください」
とか思いついたことをどんどん言ってるんですよ。
正直、ほぼ日の皆さん、
やってられないと思います(笑)。
でも実現させようとしてくださるので
もう甘えきってお願いしている状態です。
- ――
- 「#ホテルカワシマ」には
とにかく川島さんのやりたいことが
隅々まで詰め込まれている。
- 川島
- はい。
お土産(グッズ)もかなり凝ってるので、
お土産も含めて「#ホテルカワシマ」だと
思っていただけたら。
「これ本編にないやろ」というボケが
お土産にも盛り込まれています。
たぶん二度、三度と行っていただいても
楽しめるんじゃないかなと思います。
それで「これ、ほんまに川島が一人で考えたんや」
と思ってもらえたら。
(ここでふいに糸井重里登場)
- 糸井
- どうもどうも。
よろしくおねがいします。
- 川島
- あ、こんにちは。
この度はお世話になってます。
- PARCO
担当
- 糸井さん、ちょうどよかったです。
実はお願いがありまして‥‥。
- 糸井
- え、なに? やだな(笑)、いいけど。
- PARCO
担当
- あのですね、糸井さんの写真で
川島さんに「#タグ大喜利」を
やっていただきたいんです。
- 糸井
- つまり、ぼくの写真を撮るんですね。
- PARCO
担当
- はい。
ではみなさん、写真撮影に移りましょう。
(みんなでスタジオに移動)
- 川島
- はい。
じゃあ撮ります。
- 糸井
- ‥‥‥‥。
- 川島
- あ、もっと自然な感じでいいです。
- 糸井
- それがいちばんできない(笑)。
- 川島
- 真顔で。ゼロの表情で。
- 糸井
- 真顔‥‥。
- 川島
- いいですね。
ちょっと伏し目がちでお願いします。
はいはい、それで。
- 糸井
- (表情ゼロで)
「C級コピーライター」とか書く?
- 川島
- いえいえ(笑)。
‥‥はい、ばっちりです。
あとでタグを考えますね。
- ――
- 川島さん、お話をありがとうございました。
「#ホテルカワシマ」、たのしみにしています!
- 川島
- ありがとうございました。
●後日届いた写真とタグ
#何度やってもレジが合わないつけ麺屋の大将
#こみあげてくるゲップを必死に我慢している胃カメラ検査中の男
#同じ昔話ばかり教えられてウンザリしているオウム
(おわります。
皆さまのチェックイン、お待ちしております)
2021-09-12-SUN