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少し前に、写真家の安珠さんから誘っていただいて、
安珠さんの“デジカメ動画日記”というページに
遊びに行かせていただきました。
珍しく、仕事してる人──みたいな書き出しですが、
隠さず言うと、遊んで食べて喋って散歩したのみなので、
仕事というストイックさのカケラもないのは、
そこを見ていただいた場合バレることなので、
先に言いました。
しかも、なんでここで、
1、2ヵ月前になるその話を始めたかというと、
そのとき食べたタルトシトロンがおいしかったからです♪
もっと正確には、「おいしかったなぁ〜」と思って、
また買いに行って、やっぱり美味しかったからです!
四ッ谷の駅ビル1Fの「PAUL」という店です。
確か、二子玉川にもあったし、他にもあるのかも。
ものすごくフランスっぽいお店で、
お客さんも外国の方がファミリーで来てて、
硬い木の椅子にブロンドの小さい女の子が座って、
ちょっと高めの木の机に伸び上がるように顔を出して、
重そうなフォークでサラダやオムレツを
つついてるような雰囲気です。
テイクアウトのパンやケーキもあって、どれも大きめで
素朴、質感としては、やや硬めな感じといったら
伝わりやすいかな‥‥。
繊細で壊れそうな趣きとは
対極の素朴さとあったかさを
おそらくモットーにしてる(かは分からないけど)店です。
ショーケースの中に並んでるケーキも、みんな大きめで
フランスの片田舎の焼き菓子といった風情です。
あの‥‥小さくない菓子って、嬉しいですよね。
シュークリームもどっしりしてるし、
タルトシトロンも二人で分けてちょうどくらいです。
タルトシトロンって、英語でレモンパイなわけですよね?
なんでレモンそのものの姿はなくて、
レモンカスタードみたいなのの上に
メレンゲが沢山のってるのが
王道なのかは分かりませんが、
あれ、おいしいと思い始めるとおいしいもんですね‥‥。
生クリームに比べてメレンゲって、なんか損したような、
フォークを入れた時の硬さと、
食べた時シュワッとする感じが、
実はものすごく苦手でした。子供の頃から。
しかも、レモンそのものを食べてるんじゃないのに、
それなりに酸っぱいカスタードに突き当たると、
大袈裟に言うと
心臓がキュッとする感じがしてたんですね。子供心に。
でも、やっぱり、レモンパイは
あの形とコンビネーションがベストなのだと、
この頃になって実感します。
甘酸っぱいナ〜と思いながら、サクサク食べていくのも
大人な楽しみなんだな〜と思う昨今、
それでも小さい頃に母親がよく作っていた
レモンパイが今でも一番おいしいと思うのは、
女にとってもオフクロの味がある‥‥
ってことでしょうか‥‥。
春風邪(なんて言いませんかね?)に、ご注意を。
わたなべ まり |
マンガ=紫野美穂
2006-03-03-FRI |
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