Le salon de Marie マリーな部屋

「パンがないのだったら、ケーキを食べればいいのに。」と、
マリー・アントワネットは言ったのだそうだ。
どうせ、そういう話はよくできたウソなのだろうが、
ケーキがパンのかわりになると思っているマリーの気持ちが、
もひとつよくわからない。
ぼくは、ケーキを食べて腹をふくらませることなんて、したくない。
マリーはどうかしている。

しかし、とんでもなくお菓子が好きな人間というのは、
ほんとうにいる。ぼくは、そういう人を、ひとり知っている。
しかも、マリーという名である。日本人だ。
彼女は言った。
「わたしは、パンも食べるし、ケーキも食べる」
なんのこっちゃ?

そのマリーは、お菓子のことを語るときと、
お菓子を食べているときだけ
ほんとうに真剣な表情をみせる。怖い。
悪いひとじゃないのだろうが、怖いのはほんとうだ。

そんなマリーが、
「いま、ぜったいにたべるべきお菓子はこれだ!」と
ほんとうに真剣に語るのが、ここ。
「マリーの部屋」なのだ。
わたなべ まり プロフィール
illusttarion koharu

お正月から、バタークリーム!

謹賀新年。


迎春のお祝いをこめて
元日から、
バターケーキです。

生クリームたっぷりも
むろん、大好きなのですけど、
バタークリームは。。。


特別です。
存在として。

こっくりと濃厚な風味も、
どっしりと重めな食べごたえも、
簡単には溶けないかたくなな感じも、


すべて、好ましく。


中身は、こんなふうに
シンプルです。

プラムなどの入った
少しスパイシーなスポンジに
バタークリーム。


この二つが
しっくりと調和して、
お互いを引き立てていて


二つとも、主役
以上。


といった感じです。

昭和の誕生日ケーキといえば
バタークリームが主流だったように
記憶していますけれど、
近年また復刻の兆しとか。


嬉しい限りです。


あぁ、いつまでも
見ていたい、
バタークリーム。。。


お正月から、
少しヘンですか?


できれば懲りずに、
今年も
マリーな部屋でお会いしましょう。


わたなべ まり


boutique où je l'ai acheté 今回、買ったお店
西洋菓子舗 不二家

このケーキは
「なつかしのバターケーキ」といい、
『西洋菓子舗 不二家』というお店で
販売されたスペシャルなケーキです。
不二家‥‥といえばペコちゃんのあの不二家、
1910年創業の老舗の洋菓子店、なのですけれど、
『西洋菓子舗 不二家』のショップは
全国に5店舗のみ。
不二家のなかでも特別なラインなのだそう。
「プレミアム生ミルキー」や「ペコちゃん人形焼」、
「プレミアムミルキーバターサンド」などを展開、
また切り株模様のキャンディ
「ノースキャロライナ」の復刻版など、
昭和うまれの世代の心に響くアイテムを
手がけています。
さてこのバターケーキ、
プラムとラムレーズンを混ぜて焼いたパウンドケーキに
バタークリームをはさみ、
うーんとシンプルでうつくしい
デコレーションをほどこしたもの。
昭和を思い返すと、
ここに真っ赤なドレンチェリーや
銀色のアラザンがあしらわれていたり、
あるいはバタークリームじたいに
うすいピンクやブルー、グリーンなど
色がついていたものもあったように思うのですが、
それを控えて「純白」にしたことが
うつくしさを際立たせているように感じました。
残念なことにこのケーキ、
期間限定の販売で、現在は完売とのこと。
不二家さん、またぜひつくってくださーい!

(バターケーキに目覚めたかもしれない「ほぼ日」武井)

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