セイヨウタンポポはキク科。 覚えましたか? たくさんある「科」を覚えるのはたいへんそうですが、 たしかに、そういうジャンルわけの知識があったら きっともっと楽しいでしょうねー。 レタスとゴボウが、キク科だったとは‥‥。
次のみちくさは、明後日に。 月・水・金の更新でまいります。
タンポポとは、誰が付けたのか不思議な名前だ。 まず、和名なのか洋名なのか、判りにくい。 私は長いこと音感的にいって洋名と思っていた。 けれど大人になってから、 頭にセイヨウを付けるタイプもいると知って、 初めて、じゃあタンポポは和名だったかと悟った。 にしても、 「蒲公英」という漢字表記はないだろう、と思う。 どこをどう読んだらタンポポになるのか。 「等々力」を「などなどちから」と言って バスの運転手さんを困らせた私の誤読力を発揮しても、 せいぜい「がまこうえい」である。 なんでも漢方で開花前に摘んで乾燥させたタンポポを 「蒲公英(ホコウエイ)」と呼ぶことから この表記になったらしいが、 音と字に重なるものがあまりに少なく、 この字をタンポポと呼べというのは ずいぶん乱暴な話じゃないかと思うのである。
語源には諸説あったが、“ツヅミグサ(鼓草)にちなむ” というのが私にはいちばんフィットした。 江戸時代、草の茎を鼓の形に反り返らせる 子供の遊びがあって、そこから名付けられたというのだ。 つまり、鼓を叩く音、「タン!」と「ポポ」、 そこから来ているというのだけれど、 これは楽しく、とても腑に落ちるネーミングだ。 そういわれると茎を反り返すまでもなく、 花が咲くときは「タン!」と叫んで勢いよく 開いているような気がするし、 夕方は「ポポ」と小さく呟いてゆっくり 閉じているような気がしてくる。 何にせよ、タンポポの春の使者のような黄色い花を見ると 元気が出るのはまちがいない。 コートを脱ぎセーターを脱ぎ、 やっとシャツ1枚になったときのような溌剌気分は、 実に「タン!」であり「ポポ!」なのだ。