今回は「スイバ」のお話からたのしく脱線して、 「スイスチャード」という 不思議な野菜の名前も登場しました。 諏訪さんはやっぱり、 畑で育つ野菜たちのことがいつも頭にあるのですねー。
ともあれ、今回覚えるのは「スイバ」です。 別名・スカンポ。 すっぱいから、「酸い葉」。 覚えました?
次の更新は、来週の月曜日に。 「冬の都会でみちくさ」編、最終回になります。
諏訪さんにスイバの話を教わったその翌日に、 予言どおり、ぴったり、ばっちり、 近所のスーパーマーケットの有機野菜コーナーで 色鮮やかなスイスチャードに出会ったのだ。 この店には週2回も3回も来ているが、 もちろん見たのは初めてのこと。 これって諏訪さんと「スイバ」の"おみちびき"? まあ、私自身、神様のいたずらに 遭遇しやすいタイプなので、 こういうヘンなことはよく起きるのだが、 それにしても派手な色にはビックリした。 ほうれん草によく似た葉っぱの茎と葉脈が、 黄色、オレンジ色、赤、ショッキングピンクなどの、 野菜にはあるまじき色をしている。 これは自然の色なのかと、売り場の人に確認すると、 「ああ、スイスチャードの色ね。 もともと黄色はありましたかね。 ピンクは改良かもしれませんね。 きれいだからね、ときどき置いてはいますけど‥‥ あまり売れない」 ということだった。 カラフル過ぎて拒否反応が起きるのかもしれない。 しかし私はせっかくの"おみちびき"だから購入した。 一束でサラダ3、4皿分の量があり、 一人暮らしにはずいぶんお安い買い物だ。 帰る道みち、ちょっと茎を囓ってみた。 スイバ(酸い葉)に似ているくらいだから 酸味を期待したけれど、これは酸っぱくない。 家に帰って、葉をちぎり、カラフルな茎をぱらぱらかけて、 塩とレモンとオリーブ油で和えた。 一人のテーブルが、パッと華やいで賑やかになった。 「スイバ」と諏訪さんの、"おみちびき"に感謝。