水ぎわのヒメツルソバをながめたあと、
森さんと吉本さんは、
畑の横の、野菜が植えられていない場所を見つけました。
この季節には、そんなちょっとした場所にも
たくさんのみちくさが生い茂っています。
さて、吉本さんが気になったみちくさは‥‥?
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吉本 |
いろんな子が、たくさん咲いてますねえ。 |
森 |
この季節はほんとうにみごとですよ。 |
吉本 |
あ、これ、これは何でしたっけ? |
森 |
はい、かわいいですよね。
これはとてもよく見かける子です。 |
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吉本 |
うーーーーん(笑)。
なんだっけ?
みちくさの名前で、一度おぼえた子かも? |
森 |
あ、そうなんですか? |
吉本 |
おぼえたような気がするんだけど‥‥。 |
森 |
思い出せない。 |
吉本 |
すごい寒いときとか、
これから花が咲くぞっていうときにしか
みちくさをしてないから、
一度教えてもらっていたとしても‥‥。 |
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森 |
だいぶ姿がちがいますよね。 |
吉本 |
そう、そうなんです。
いわゆる全盛期を見ていないんですよ。 |
森 |
じゃあ、ちょっと難しいかもしれません。 |
吉本 |
‥‥なんていう名前なんですか? |
森 |
この子は、
ヒメオドリコソウといいます。 |
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吉本 |
‥‥ヒメオドリコソウ。
それ、みちくさの名前で、やってない(笑)。
まったくやってなかった。
なにとまちがえたんだろう? |
森 |
よく見かけますから。 |
吉本 |
そうかあー、
すっかり、すでに出会った子だと思ってました。 |
森 |
そうですか。
じゃあ、よかったですよね、
あらためておぼえることができて。 |
吉本 |
はい。
あー、たしかに、この段差が、
ドレスをいっぱい着けているようで、
踊り子さんみたいです。 |
森 |
こんにちわ、こんにちわって、
四方八方に言ってるみたいで、
愛らしいですよねー。 |
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吉本 |
かわいいかわいい。
たくさんいると、なおさらかわいいです。
踊り子さんがたくさんいるみたい。 |
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森 |
これは、ぜひおぼえてください。
ヒメオドリコソウ。 |
吉本 |
ヒメオドリコソウ、ヒメオドリコソウ‥‥。 |
森 |
シソ科の植物です。 |
吉本 |
ほんとだ、シソっぽい。
うん、大丈夫、もう忘れません。
‥‥でもどうして、
知ってるつもりでいたんだろう(笑)。 |
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「踊り子」ということばを頭に浮かべながら
このみちくさをながめると‥‥。
ね? ヒメオドリコソウという名前が
とても印象的に記憶されませんか?
たしかにとてもよく見かけるみちくさです。
しっかりと、おぼえておきましょう。
次の「みちくさ」は、火曜日に。
「春の鎌倉でみちくさ」編は、
火曜日と金曜日の更新でお届けしています。
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