ミッフィーが気仙沼ニッティングに編んでもらった
特製「MM01」は、
そのコンセプトどおり、
ミッフィーぴったりにしあがりました。
ロープが絡み合う
伝統的なアラン柄が編まれていますが、
ずっと着られるように、すっきりとした
スタンダードデザインになっているのが特徴です。
気仙沼ニッティングで、この「MM01」をオーダーすると
サイズを伝えるために、連絡を取ることになります。
気仙沼ニッティングのほかの商品に比べ、
「その人のために編む」ということと
待ち時間があることで、
注文する人と気仙沼には
とくべつなつながりが生まれるのだと思います。
「どんな方が、どんなふうに着るのか」を、
編み手さんは頭に描きながら編み進みます。
届いた「MM01」を着て
のちに気仙沼を訪れる方もいらっしゃいます。
誕生60周年を迎え、
開かれる「ミッフィー展」のテーマは
ミッフィーに「ありがとう」を伝えること。
▲「ほぼ日」一同とミッフィー。
気仙沼ニッティングとほぼ日は、
ミッフィーにぴったりの、
あたたかい帽子とカーディガンを編むことで
「ありがとう」を伝えることにしました。
ミッフィー展は、
作者のディック・ブルーナさんがはじめて描いた
ミッフィーの原画をはじめ、
(最初のミッフィーはずんぐりしていて、
いまとは違う姿です)
300点を超える原画やスケッチ、
制作資料などが見られる貴重な展示になります。
そして、我らが
「気仙沼で編んでもらったミッフィーちゃん」
をはじめとする、
ミッフィー・アートパレードの大きなミッフィー15体も
「ミッフィー展」に並びます。
5月1日には、オランダで
残りの45体がヴェールを脱ぎます。
「ミッフィー展」は2015年4月15日、
東京・松屋銀座よりスタートし
2016年まで、青森、神戸、福岡、名古屋、大阪、島根など
全国を巡回する予定です。
アートパレードに参加したミッフィーは、
ゆくゆくはチャリティーオークションにかかります。
収益はユニセフに寄付され、
教育プロジェクトに役立てられる予定です。
ミッフィーアートパレードのラインナップなど
くわしくは
「MIFFI ART PARADE」のページを
ごらんください。
巡回展が終わって、
チャリティーオークションで行き先が決まり、
どこかで暮らしていくであろうミッフィーは、
きっといつまでも、あのあたたかい
「気仙沼で編んだ」ニットを着ているのだと思います。
もし、もしも‥‥将来‥‥、
あのカーディガンがほつれたり、ボタンが取れたりして
メンテナンスをしたくなったら、
気仙沼ニッティングにお願いしてもいいのでしょうか?
田村さんに訊いてみました。
田村さん(電話)
「もちろん、気仙沼ニッティングですから、
メンテナンスをしますよ。
私、心配なのがね、ミッフィーちゃんは
ふじびたいでしょ?」
ふ‥‥富士額。
▲たしかに、富士額。
田村さん
「あれが、ずれないかなぁ、って思うの。
あのまるい頭に、ぴったり吸いつくように
帽子を編むのはほんとうに大変だったんですよ。
富士額にしつつ、顔にぴたっと沿わせるんです」
そういえば、あれは奇跡のように
ぴたっととまってますね。
すごいテクニックだ‥‥。
田村さん
「それからね、もうひとつ難しかったのは、腕です。
あのミッフィーちゃんの腕は、
からだにくっついているので、
腕のように見えて腕じゃないんです」
▲たしかに‥‥腕とからだはくっついていた。
田村さん
「だから、あのカーディガンは
厳密にいうとケープなんです。
だけどそれを、フワフワとしたクレープ状にせずに
いかに『袖』に見せるか、
腕の存在を主張できるか、難しかったです」
▲ミッフィーの手は「袖」を通っているように見える。
撮影:吉次史成
田村さん
「それから、リボンはそのまま、
うしろ結びにしてほしいんです。
あれは、うしろリボンでちょうどよくなるように
長さと太さを考えているから」
なるほど。リボンの太さは、
先にいくほど広がっています。
田村さん
「それから、第一ボタンのところの編み地が
のびていかないかな、というのも心配です。
ずっとしっかりとまってくれれば
いいんですけれどもね。
ボタンは、月桂樹の木を使っています。
ミッフィーが世界中のどこに行っても、
そして、いつの時代になっても、
月桂樹なら手に入るだろうな、と思って」
「MM01」が、これほどまでに
オーダーメイドである‥‥ということを
田村さんの話を聞きながら
私は思い知ることになりました。
ミッフィーちゃん。
気仙沼で、編んでもらった、ミッフィーちゃん。
君が着ているそのニットは、やっぱりすごく、
あったかいと思います。
60年、おめでとう、ミッフィー!
▲気仙沼ニッティングのみなさんと、ミッフィー。
(おしまい)
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