たのしい編みものの場にしよう。
指定糸で編むたのしさを味わった山川の発案で、
編み図と指定糸をセットにした「キット」を販売。
「たのしい編みものの場にする」という
コンセプトを打ち立てて、
キット以外のアイテムもそろえました。
スタイリストの岡尾美代子さんとの出会いをはじめ、
Miknitsの土台はここにあります。
はじめから毛糸や編み図だけでなく、
編みものにまつわるものも販売して
「たのしい編みものの場にしよう」と
よく話していました。
三國さんの洗練されたデザインが
すばらしかったことはもちろん、
三國さんがスタッフィングも
リクエストしてくださったことで、
Miknitsの世界観が確立されたと思います。
スタイリストの岡尾美代子さんは三國さんの作品を
とても理解してくださっていて、
スタートからずっと支えてくださっている心強い存在。
ほかにもカメラマンさんやヘアメイクさん、
モデルさんなどの力なくして
いまのMiknitsはないと思います。
Miknitsのオリジナル糸が完成したのもこの年。
京都のAVRILさんと一緒に、
カシミヤシルクウールを開発しました。
平林奈緒美さんデザインのグッズは、
編みものをしない人でも欲しくなるものでした。
いまだに平林さんデザインの
「ニッターズバッグ」を愛用していて、
今見てもとてもかわいい。
使い込むほど味が出ます。
平林奈緒美さんにデザインしてもらいたい、
というのも三國さんのリクエストでした。
私も三國さんもあこがれのかたで、
ご一緒できることに緊張した記憶があります。
平林奈緒美さんのところに初めてうかがったとき、
みちこさんがなんというか、
勇気を振り絞ってという感じで
「お願いします。
わたしたちをおしゃれにしてください!」
って言ったんですよ。
思わず笑いそうになったけど、
一緒にわたしも頭を下げました。
素直さとか行動力っていうものの大事さを、
わたしはみちこさんから教わったと思う。
Miknitsが思わぬ方向に広がっていったのも、
そのおかげがとても大きい。
グッズのピリッとかっこいい感じと好対照で、
キットはかわいらしい作りのものが並びました。
三國さんがこれまでの書籍で
あまり発表してこなかったタイプの
「ベビーアルパカ」の糸を使ったキット。
マフラーも図案と形がリンクした、
かわいいデザインです。
ジェイミソンズの糸を使った
「マーガレットのミトン」
「コーヒー豆の指だし手袋」は、
今見ても、とっても三國さんらしい図案で
色褪せないなあと思います。
ミトンの親指に
マーガレットが編み込まれているのを見て
心がときめきました。
2024-03-28-THU