いままでやってきたこととは、
まるで違うことをしたい。
「Miknitsアラン」がデビューしたり、
三國さんとほぼ日ではじめて
一緒に本をつくったり、
活動のバリエーションが豊かになってきたころ。
私たちにしかできないおもしろいことを
追求する2年でした。
2015年で印象的なことは、
Miknitsのオリジナル糸「Miknitsアラン」が
デビューしたことです。
Miknitsアランは
三國さんが一番好きだと思える
アラン糸を作ることを目標に開発をすすめ、
編み柄をくっきりと表現できるように
英国羊毛をはじめとして
4種の羊毛を配合しました。
じつは、発表した当時から一度も配合を変えていません。
何度もAVRILさんとやりとりをして
ようやく納得のいくものを作りあげたので、
やはりいい品質だったんだと振り返ってみて思います。
いまでは全19色という充実のラインナップになり、
Miknitsを代表する糸に成長しました。
ほかにも、編みものがもっとたのしくなるグッズを
充実させたのもこの年です。
三國さんによるあみぐるみを元にした
「ニードルキャップ」は、
奇譚クラブさんによる
編み目の再現度の高さが評判に。
「黒猫のティーコージー」にあしらわれた
黒猫が人気になり、のちにグッズになりました。
2016年は、なんといっても
「ハリネズミのミトン」ではないでしょうか。
AVRILさんが得意とするモール糸を
まさか「ハリ」に見立てるなんて、
三國さんのアイデアに感嘆しました。
そして、おどろくほどたくさんの方が
ハリネズミのミトンを編んでくれました。
色合いが派手すぎないところも絶妙だったと思います。
そして、2015年に人気だった黒猫が
ポーチになって登場しました。
このポーチもとても人気で、
Miknitsが当初からかかげていた
「たのしい編みものの場にする」という
コンセプトが形になってきたと感じました。
三國さんから「ほぼ日でやるのなら、
いままでやってきたこととは
まるでちがう本をつくりたいです」と
リクエストをいただきました。
「いろいろな方からセーターのリクエストを聞いて、
わたしがそれを編んでいくという企画はどうでしょう」
という三國さんからのアイデアをスタートに、
本の内容がまとまっていきました。
星野源さん、宮沢りえさん、ミロコマチコさん、
小林薫さん、桐島かれんさん、谷川俊太郎さん、
平松洋子さん、片桐仁さん、二階堂和美さん、
石川直樹さん、平武朗さん、塩川いづみさんという
いま見返しても豪華な12名です。
三國さんに、12名の方に向けて
お手紙を書いてもらったんです。
1通1通、文通のようで素敵でしたし、
受け取られた方々もうれしそうでした。
12名の方にセーターの要望をうかがって、
三國さんに作品を編んでいただいて。
2年という製作期間がかかりましたが、
久家靖秀さんの写真、大島依提亜さんの装丁など
力の入ったユニークな本になったと思います。
ジュエリーのバイヤー、イセキアヤコさんと三國さんがコラボレーションした
「シープ・コレクション」。2016年販売。
「編みもの茶の間」、「TOBICHI大作戦」など
TOBICHIでさまざまなイベントを開催。
2024-03-29-FRI