Miknits 10th Anniversary!

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H O B O N I K K A N I T O I S H I N B U N
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ニットデザイナー三國万里子さんの
編みもののお店「Miknits」は、
2023年で10周年を迎えました!

目薬ポーチに気仙沼ニッティング、
海外の買い付けに機械編みのニット‥‥。
“手編み”という枠から飛び出して、
さまざまな冒険をしてきました。

「思わぬ表現が生まれる母体だった」と三國さん。
その言葉をひも解くように、
三國さんと出会った2010年から
1年ずつふりかえりたいと思います。
集まったのは三國万里子さんと、
ミクニッツを担当してきた歴代の乗組員たちです。
参加メンバー

2012

気仙沼ニッティング、
という存在。

三國万里子さんとほぼ日にとって、
とても大切なできごと。
それが東北の気仙沼に編みものの会社
「気仙沼ニッティング」をつくるプロジェクトです。
気仙沼のおかみさんたちが編んだセーターを売る。
それには、心からほしいと思える
ニットでなければいけないと、
三國さんにデザインをお願いをしました。

2012年 6月

「気仙沼ニッティングプロジェクト」
でアラン諸島へ

最高のフィッシャーマンズセーターをつくろうと、
かつて編みもの産業が栄えていたアラン諸島へ視察。

2012年 6月

オリジナル毛糸の開発

理想のニットにふさわしいオリジナル糸をつくろうと、京都のAVRILさんと製作。

2012年 8月

気仙沼で編みものワークショップ

「IPPO」と名づけられたミトンを編むワークショップを開催。

2012年 11月

ファーストモデル「MM01」

三國さんによる、美しいアラン模様がデザインされた気仙沼ニッティングの作品、第一号。

ほぼ日でMiknitsが生まれる、
その前段階として
「気仙沼ニッティング」の仕事がありました。

気仙沼のおかみさんたちが編み手となって
最高のフィッシャーマンズセーターを届ける、
編みものの会社をつくるプロジェクトが
動きはじめたのが2011年の6月ごろ。
デザインの力が重要になるプロジェクトだと
糸井さんもおっしゃっていて、
早い段階で三國さんに協力の依頼をしました。

「原点に触れておいたほうがいいだろう」
という糸井さんの発案から、
かつて編みもの産業で栄えていた
アイルランドのアラン諸島に行くことになりました。
そこから気仙沼でワークショップをして、編み手を募って……
スタートした当初は、編み手さんとのコミュニケーションや
働いてもらううえでチームになる難しさを感じるなど
つまずくこともたくさんありました。
課題も多く、忙しいなかで三國さんがつくりあげてくださった
「MM01」は今でも名作だと思っています。
作品を見せていただいたとき
涙がポロポロこぼれました。

ニットのデザインを依頼されて、
わたしにできるのは
依頼主の側の理想を想像することくらいなんです。
「オーセンティック」というキーワードは
いただいていたんですが、
デザインって言葉で語れるものではなく
「これだ」と思うものを編んで、渡すしかない。
完成したニットをお見せしたときにようやく、
どうやらこれでよかったらしい、ということがわかった。
長い旅の末の一枚でしたし、
ずいぶんホッとしたことを覚えています。

デザインはもちろんのこと、
わたしは糸にも感動しました。
柄がはっきり出て、着心地も気持ちよくて、
AVRILさんにつくってもらった糸は
三國さんのすばらしいデザインのために
ぜったい必要だったんだと思いました。

震災があったあと、いろんなアイデアが社内で出ました。
その中にツリーハウスや写真館があったのですが、
気仙沼ニッティングは
「できたらすごい」と思っていました。
全部がうまくいったわけじゃないですが、
アイデアと実際に手を動かす人たちと、
いろんなことがうまく組み合わさった
プロジェクトだったと思います。

2012年 12月

三國万里子さんの手袋キット

ほぼ日手帳のためにデザインした手袋をキットに。

三國さんがほぼ日手帳のカバー用に
デザインしてくださった
「フェアアイル」と「エストニアンニット」を
モチーフにして、手袋キットを販売したのが
Miknitsがうまれたきっかけだと思います。

キットをつくったきっかけは、
三國さんからいただいた指定糸。
「『きょうの編みもの』の
フェアアイルのベストを編む予定です」
と三國さんにお話したら、
「よかったら、指定糸を送ります」と
ジェイミソンズの糸をわざわざ送ってくださったんです。
当時は糸の違いをよくわかっていなかったのですが、
編んでみたらできあがりがとてもきれいで。
指定糸で編む大切さを、実感しました。
わたしと同じように、
この驚きを体感してもらいたいと思い、
指定糸と編み図をセットにしたキットを販売しました。

わたしもみちこさんと同様に、
指定糸以外でもよく編むんです。
でも、指定の糸でないとうまくいかないかもしれない、
というニットもたしかにある。
一番最初の手袋のキットのときには
本当に必要としている人はいるのだろうか‥‥と
不安に思うところもありましたが、
「瞬時に売り切れました」という知らせを
もらったときは、
飛び上がるほどうれしかったです。

(つづきます。)
2024-03-27-WED

2024年2月29日株式会社アヴリルは廃業を発表しました。 これまで長きにわたり、大変お世話になりました。

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