秋空の下のマーケット 「もみじ市」がやってきます

その2 「もみじ市」は、      どうなればいいんでしょう‥‥。

乗組員スギエの熱意で実現した、
北島さんたちと糸井重里の面会をお届けしています。
2時間以上のたのしいおしゃべりだったのですが、
ほとんどが雑談でしたので(よくあることなんです)、
「もみじ市」について話している部分だけ、
ダイジェストのように抜き出して記しますね。


手紙社のみなさん
(右から北島さん、わたなべさん、セソコさん)
みなさんのプロフィールはこちら

糸井 「もみじ市」にやってくるのは、
どういったお客さんなんでしょう。
老若男女?
北島 そうですね‥‥
でもやっぱり多いのは30代の女性。
だよね?
わたなべ ええ、そうだと思います。
糸井 そこは、うちと同じですね。
男性はすくないですか?
北島 すくないよね?
セソコ すくないと思います。
糸井 強く発言する人とか、
こわい人がいないでしょ?
北島 いないです。
糸井 それは助かりますよね。
北島 ええ。
怒られるとすぐシュンとなるので(笑)。

糸井 ああー(笑)、そうとう同じです、うちと。
いい読者・お客さん。
北島 「もみじ市」は川原で開催するので
市と国交省に許可を得るんですけど、
最後にほめられるんですよ。
ゴミが落ちてないって。
糸井 お行儀がいい。
ありがたいですよね、それはほんとに。
そういうところも、うちと同じ。
うちもよくほめられるよね(笑)。


スギエ (笑)
糸井 なんなんでしょうねぇ、この感じ‥‥。
大橋歩さんのファンの人とも
重なってますよね? きっと。
北島 そう思います。
大橋さんご自身も「もみじ市」に
来てくださったことがあるようですし。
糸井 うーん、おもしろいですねえ‥‥。
こういう話をする相手というか、
このことをわかる仕事をしている人が
すくないんですよ。
似てますよね、出会う人々が。
わたなべ そうですね。

糸井 「もみじ市」に参加している人たちにとっては
「ものをつくりたい」とか、
「発表したい」とか、
「世の中の人に問いかけたい」というのが、
エネルギーになっていますよね、きっと。
北島 そうだと思います。
糸井 「わたしも作家として、
 やりかけだけど見にいきたい」とか、
「上手な人に会いたい」
という人たちも集まってくる。
わたなべ はい。
糸井 その「もみじ市」は、
果たしてそのままであり続けるのか‥‥。
ぼくにはわからないんですけど、
どうですか。
これからどうなればいいですかね?
うれしいのは、どうなればいいんでしょうか?
北島 うーん‥‥
どうなればいいんでしょう。
糸井 スタートのときには
そんなこと考えてなかったでしょ?
北島 考えてないです。
糸井 だからおもしろかったんですよね。
たとえばプロが入ってきて、
「10万人動員します!」なんてやっても‥‥。
北島 たのしくないですね、
ぜんぜんたのしくないです。
糸井 かといって、
「いまのまんまでしみじみやりますよ」
っていうのもいやでしょ?
北島 前と同じっていうのはすごくいやです。
ぼくはずっと雑誌をつくってきたんですけど、
編集会議でみんなによく話したのは、
「前と同じものができたっていうのは
 下がってるっていうことだよ」と。

糸井 そうですね。
北島 「もみじ市」も同じです。
「新しいたのしさを見せたい」
っていうのは常に思っています。
それができなくなったら、
多分やめちゃうんでしょうね。

ただ数については‥‥
前よりたくさん動員したいかっていうと、
それはまた別の話になってくるんですけど。
糸井 大勢が集まってくるということは、
いろいろな人がやってくることなわけで。
北島 ええ。
糸井 変な話、自分たちが望まない人が
やってくるかもしれない。
でも、
大勢が集まるっていうのは、
やっぱり馬鹿にできることじゃないんです。

「この作品はすごくいいんだけど
 その良さをわかってくれる人は
 もしかしたらひとりもいないかもしれない」
という場合でも、来る人が大勢になれば、
「わかってくれる人が10人いたよ!」
ってなるかもしれない。
作家さんにとっては、
その10人に会えることになりますよね。
北島 そうですね。
糸井 100人しか集まらないマーケットだったら、
そんなことは起きないんですよ。

その意味で、ぼくら「ほぼ日」も、
「数」っていうものを、
「こわがりながらも、だいじにしたい」
っていうのがありますね。
わたなべ なるほど‥‥。
北島 前回の「もみじ市」くらいから、
いろんな人がいらっしゃるようになりました。
糸井 もっと増えますよ、これから。
北島 「このタイプの人がもみじ市にくるの?」
っていうことも正直、思ったりして。
‥‥でもそういう人が、ちょっと足を止めて、
作家さんのものを買ってたりするんです。
そういうのを見ると、
なんかすごい、うれしいんですよ。
糸井 ‥‥それは、
すばらしいじゃないですか。
ちょうどいい、
ちょうどいい増え方をしてるじゃないですか。

(つづきます)

2010-09-30-THU
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