秋空の下のマーケット 「もみじ市」がやってきます
その9 出店者の座談会 ♯1     「もみじ市」は何かが違いますよね?

「手紙社」の北島さんが、
繰り返しおっしゃっていたことがあります。
「ぼくら事務局の仕事を取材していただけて、
 とてもうれしく思っています。
 でもやっぱり、主役は作家さんたちなんですよ。
 もみじ市は、作家さんありきのイベントなんです」

ここから4回にわけて、
作家さんたちの座談会をお届けします。
座談会のメンバーは、こちらの3組。

・「もみじ市」の第1回からずっと参加している、
 若き陶芸家・小谷田潤さん。
・「ほぼ日」読者にはおなじみの、福田利之さん。
・ほぼ日ハラマキでお世話になった、
 tupera tuperaさん(亀山達矢さんと中川敦子さん)。

tupera tupera(ご夫婦)のお子さんが走り回る、
和室での座談会は、
ずっと笑い声の絶えない明るい会になりました。
進行役は、ほぼ日乗組員スギエです。



座談会メンバー・プロフィールはこちら


スギエ きょうはみなさま、
お集まりいただきましてありがとうございます。
福田 よろしくお願いします。
亀山 よろしくです。
小谷田 よろしくお願いします。
スギエ 福田さんとツペラ(tupera tupera)さんは、
プライベートでもよくご一緒ですが。
中川 そうですね、一緒にテニスとかしてます。
スギエ 小谷田さんとは、きょうが初対面ですか?
福田 ちゃんとお話しするのは初めてですが、
ぼくは小谷田さんのお茶碗をつかっています。
小谷田 あ、ありがとうございます。
中川 うちもお皿をつかってます。
小谷田 ほんとですか、ありがとうございます。
福田 ぼくのほうが毎日つかってます。
亀山 うちだって毎日です。
小谷田 (笑)ありがとうございます。
スギエ そんなに張り合わないでください(笑)。

それで、
きょうは「もみじ市」に参加されている
作家さんのお話を直接うかがいたくて
お集まりいただきました。
福田 はい。
スギエ 福田さんとツペラさんは、
「ほぼ日」の読者におなじみの方々です。
でも「もみじ市」のお客さんにとっては、
第1回から出店している小谷田さんがおなじみで
福田さんとツペラさんは
新しい作家さんになるわけですよね。
福田 そうなんです、新参者です、ぼくは。
亀山 ぼくらも、「もみじ市」が3回で、
「花市」が1回の参加ですから、
そうですね、最近の参加になりますね。
スギエ という組み合わせがおもしろいかなあと思って、
このメンバーを
キャスティングさせていただきました。
福田 昔からの人と、新人ですよね。
ぼくは超新人で、
もうまったくわからないので、
いろいろと今日は小谷田さんに
お聞きしたいことがたくさんあるんです。
小谷田 いや、そんな(笑)。
でも、一度参加されてますよね?
福田 2008年の「花市」にちょっとだけですよ。
‥‥だって、北島さんは
ぼくのことを知ってるくせに
ちっとも誘ってくれへんから(笑)。
亀山 (笑)
福田 ぼくがちょっとだけ参加したのは、
ツペラの(中川)敦子ちゃんが
おなかに赤ちゃんがいたから出られなくて、
そのピンチヒッターやったんです。
スギエ ピンチヒッター。
福田 初めての参加がピンチヒッター。
敦子ちゃんが抜けたときの穴埋め要員ですよ。
亀山 穴埋めって(笑)。
中川 あのときは、ありがとうね(笑)。
福田 だいたい何でも、何においてもぼくは、
穴埋めの要員なんですよ。
スギエ でもあれ、おもしろかったです。
亀山 「カッパメ・ボールイン」ね。
スギエ そういう名前でしたっけ(笑)。
亀山 カッパ+カメで、カッパメ。
ふたりで「まと当てゲーム」をね。
福田 「おしゃれテキ屋」をやりました。
亀山 ベニヤ板で、カッパとカメの
等身大の人形つくって。

2008年「花市」にて。 写真/安部まゆみさん
福田 目とか鼻とか、ちんちんのとこに穴あけて、
ボールがそこを通ったら作品をあげるっていう。
スギエ わたしははずれました(笑)。
福田 で、それがあったので、
次の「もみじ市」には北島さん、
ぼくを呼んでくれるかなあと思ってたら、
ぜんぜん声かからんかった(笑)。
‥‥あ、ちゃうわ! 声をかけてもらったんや。
でも予定が合わなかったんや。
スギエ いずれにしても、
きちんと出店するのはことしが初めて。
福田 そういうことです。
中川 ‥‥あの、小谷田さん、
第1回目と最近では、
ずいぶん雰囲気がちがうんですよね、やっぱり、
小谷田 そうですね、最初はぼく、
部屋の中が展示スペースだったんで、
飾る場所がすくなかったりしました。
中川 屋内もあったんですか?
小谷田 半分屋内で、半分野外。
そのあと、完全に野外になった。
福田 最初のころは
何組くらいが出店されてたんですか?
小谷田 ええと‥‥10数組くらいでしたね、たしか。
で、ライブはティコムーンが。
スギエ あー、ティコムーンさん。
いいですよねえ。
第1回目からの参加で、
「もみじ市の象徴」って
北島さんもおっしゃってました。

2009年「もみじ市」にて。 写真/岩崎美里さん
福田 いまではほかにもたくさんライブの人が出て、
お客さんの数も増えて‥‥。
人が集まるフリーマーケットって
ほかにもいろいろあると思うんですけど、
「もみじ市」は何かが違いますよね?
あれは、なにが違うんだと思います?
小谷田 うーん‥‥
まあ、自分も出てるんで
こういう言い方はあれなんですけど‥‥
やっぱり出店者が厳選されているのが
特徴だとは思います。
福田 ‥‥だからぼく、出れなかったんですね。
一同 (笑)
小谷田 そんなことないです(笑)。
‥‥というか逆に、
「もみじ市」に出たかったですか?
福田 え? 出たかったですよ。
超出たかった。
小谷田 あの、なんて言うんだろう‥‥
福田さんやツペラさんは
ほかのお仕事をたくさんされていて
ずいぶん忙しいと思うんですよ。
そういう方々が出たいとおっしゃってる‥‥。
なんでわざわざ出たいのかなぁと思って。
それがいちばん聞きたいことだったんです。
福田 いちばんの理由は、
いつもひとりで
さみしく仕事をしてるからです(笑)。
こういう場で、
いい作家さんたちとお客さんといっしょに
みんなでワイワイ楽しくやりたいなあ
っていうのが、出たい理由です。

で、実際やることになると、
何したらいいかわかんないんだけど(笑)。
小谷田 まだ決まってないんですか?
福田 や、さすがに決まりました。
スギエ どんなことをやるんですか?
福田 これまた1回目の「もみじ市」から
参加されている
お菓子研究家の桑原奈津子さん
イラストレーターの平澤まりこさん
3人で、お菓子缶の中に
お菓子とハンカチを入れるのを今回、やります。
小谷田 それは、すぐに売れると思います。
スギエ ツペラのおふたりは?
亀山 えっと、北島さんから
「ワークショップ」って言われました。
スギエ ワークショップ。
中川 ワークショップはほんとにたいへんなんですけど
やっぱりたのしいんですよ。
福田 ことしの「もみじ市」は
「パレード」っていうテーマなんですよね。
ワークショップで子どもたちを練り歩かせる
ツペラにとってはぴったりのテーマでしょう。
亀山 去年も恵比寿ガーデンプレイスで
やったんですけど、おもしろかったです。

2010年5月、恵比寿ガーデンプレースにて
スギエ 小谷田さんはいかがでしょう?
小谷田 自分のものを売ることはやります。
でも、ただ売るだけだと
「もみじ市」でやる意味がないので、
毎回なにか別なことをやってるんです。
で、今回は、イシイリョウコさんっていう
人形作家のひとと一緒に
「小さな十月遊園地」っていうのをやります。
なんかちょっと、遊園地みたいなのを作って、
そこに子どもが集まってくれれば
いいなと思って。
スギエ 作品に触ってもいいんですか?
小谷田 触れます。
どんどん遊んでもらって、
ぼろぼろになって壊れてもいいし。
ああいうイベントで
子どもがひまそうにしてるのが
いちばんいやなんですよ、なんか。
買い物にきたお母さんだけじゃなく、
子どもたちにもたのしんでもらうために、
ちょっとやってみようかなぁと。

2009年「もみじ市」にて。 写真/岩崎美里さん
スギエ いいですねぇー。

(つづきます)

2010-10-14-THU
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