ハマケン | 主人公の幸世って、 これ、二枚目なんですか? |
糸井 | そうだ、それは訊かなきゃ。 |
森山 | 演じるぼくがいちばん気になる(笑)。 どっちなんですか? |
久保 | 「しお顔」って言ってるんですけど。 |
ハマケン | しお顔? |
久保 | ソースでもなく、しょうゆでもなく、しお顔。 まぁ、わたしが、しお顔好きなんですよ。 で、例えて言うなら 星野源さんみたいな顔です。 |
一同 | (爆笑) |
ハマケン | ええ?! ええええーーーー! じゃあ、ひょっとして幸世は‥‥。 |
久保 | 最初はけっこう、星野さんをイメージしてました。 |
星野源さん(SAKEROCK) 『はらよわ男のハラマキづくり。』より |
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ハマケン | あああ‥‥そうなんすか‥‥。 |
一同 | (笑) |
久保 | ああいう、しおっぽい顔が好きで。 |
ハマケン | なんなんですかねぇ、なるほどねぇ‥‥。 |
森山 | 正直なことを言うと、 いまはもうそんなことないんですけど、 最初に役をイメージしてるとき、 ぼくの頭に星野源が、ちらちら、ちらちら‥‥。 |
糸井 | え、ほんとに? |
久保 | やった(笑)、伝わった! |
一同 | (笑) |
糸井 | わかるんだねー。 |
久保 | よかったー、これを伝えられて。 今日、いちばんいい仕事をした(笑)。 |
ハマケン | うーん‥‥。 |
久保 | どこのジャンルにも属してない感を 幸世の味にしたかったので。 |
ハマケン | うーーーん‥‥。 |
久保 | それが、まあ、しお味なんですよ。 |
ハマケン | だから、シンプルデザインってことですよね? |
久保 | そうです。 |
ハマケン | 腹立つなあー! |
一同 | (爆笑) |
ハマケン | しお顔は、おまえずるくないか? っていう。 |
久保 | ちょっと口が三角に開くからって。 |
ハマケン | そうそうそう! |
糸井 | 口が三角? |
久保 | 星野源さんは笑ったときに口の形が すごいきれいな三角形になるんですよ。 |
星野源さん(SAKEROCK) 『はらよわ男のハラマキづくり。』より |
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久保 | あの口が好きっていう意見が、 星野源好きのあいだでは一致してます。 |
糸井 | じゃあ、その星野源さんが、 久保ミツロウ先生と 密室でふたりになるのはどうですか? |
久保 | それは‥‥扉をこじ開けて逃げますよ。 |
ハマケン | 逃げちゃう(笑)。 |
久保 | これ以上、この人に接しちゃいけない(笑)。 |
森山 | ははははは。 |
久保 | だから要は、わたしは星野源が好きだけど、 星野源を理解をしたくはないんですよ。 |
ハマケン | あ、いいと思います。 |
一同 | (笑) |
ハマケン | みんなね、シンプルデザインだと思って、 星野源に近寄るんです。 でも、シンプルなだけのわけは ないじゃないですか。 |
糸井 | シンプルデザインでも、ちんこついてるからね。 |
ハマケン | そうです! |
糸井 | ちんこ部分はねぇー、やっかいです。 急にダッシュをかけたりするからね。 |
一同 | (笑) |
ハマケン | でもまた、そのちんこも、 なんかきれいに描こうとするんですよ。 |
糸井 | さらりと(笑)。 |
ハマケン | そう、さらりと。 よく知ってるんです、自分を。 腹立つなぁー! |
一同 | (笑) |
糸井 | いま腹を立てられてる、 源ちゃんがちょっと気の毒になってきた。 |
久保 | (笑) |
糸井 | 星野源さんと、ぼくはそんなに みなさんみたいに会ってないけど、 人をやさしくしそうな人ですよね。 |
ハマケン | ああー、わりとそうなんです。 純粋‥‥っていうか、 純粋って言っちゃいけないのかもしれないけど、 うーん‥‥。 |
久保 | とにかくまぁ、幸世っていうのは、 才能がない星野源だと思ってください、ほんとに。 |
ハマケン | そうですかあ。 |
糸井 | いま「才能」っておっしゃったのは、 原始人であれば肉を取ってくる力ですよね。 |
久保 | そうですね、ほんとに辿れば。 |
糸井 | そこのところがあると、わたしは安心だ。 だけど、その源ちゃんとふたりになると 逃げちゃうっていうのは、 やっぱり自分に仕事があるからでしょうね。 |
久保 | いや、そんなことないですよ。 |
糸井 | そうですか。 |
久保 | いや、単にわたしは‥‥(笑)。 なんでこの話を掘り下げなきゃいけないんですか。 |
一同 | (笑) |
糸井 | 掘り下げなきゃダメ(笑)。 ここまで来たんだから。 |
森山 | 扉がすこし開いてきましたね。 |
一同 | (笑) |
久保 | ‥‥あの、だって‥‥ 好きな人はいちばん苦手なんですよ。 |
一同 | ‥‥ああーー。 |
糸井 | ‥‥みんなそうだよね。 |
久保 | 嫌われるのもいやだし。 たぶん星野源はわたしみたいなの 好きじゃないでしょ、 バーン!(扉を閉める仕草) |
一同 | あーー(笑)。 |
糸井 | 閉める芝居が、どんどん上手になってる(笑)。 (つづきます!) |
(C)「モテキ」久保ミツロウ/講談社 |