久保 | あの、わたしの話なんですけど‥‥。 |
糸井 | それはもう、どうぞ。 |
久保 | わたしが男の人を好きになった場合、 その人に好かれる女性であろうという努力より、 その人と同化しようというほうの努力を がんばっちゃうんです。 それで、いろいろこじらせちゃってるんですね。 |
森山 | 同化、ですか。 |
糸井 | まあ、くわしくは訊きませんが、 こじらせちゃうんですね。 |
久保 | はい。 自分が女性的ではないという自覚はあるんです。 でも、もっと女性的にして、 男に好かれるような格好をして、 そういう努力をすればいいじゃんって言われても、 なんか、ちがう。 わたしの中での男の人への愛情表現っていうのは 同化なんだよな、というところがあって。 |
糸井 | なるほど。 |
久保 | だから、ふたりっきりでいるよりも、 星野源が誰かといっしょに仲良くしてるところを すごく近くで ニヤニヤして見ていたいなっていうのが‥‥。 |
ハマケン | やっぱり星野源ですか! |
一同 | (笑) |
久保 | そういうのが、 わたしにとっての理想なんですよ。 |
ハマケン | あっはっはっはっはーーー。 |
糸井 | 複雑な笑いだねえ(笑)。 でも、久保さん、構図としてはわかりますよ。 |
久保 | だからハマケンのことが、 超うらやましいわけです。 |
ハマケン | あっはっはっはっはーーー。 |
糸井 | わたしはハマケンになりたい。 |
久保 | そう。 |
ハマケン | ‥‥なんかね、そうなんですよ。 「源ちゃん源ちゃん」って言ってる ファンの女の子にね、 おれが嫉妬されるんです。 |
久保 | わかる、わかる! |
糸井 | ぷっ(笑)。 |
ハマケン | みんなでSAKEROCKじゃん。 おれもいっしょにファン‥‥ でいてくれたんじゃないんだ。 |
一同 | (笑) |
森山 | ふたりの信頼関係に嫉妬するんです、きっと。 ステージ上での。 |
糸井 | そうだね、友情に。 |
ハマケン | うーーーん‥‥。 |
糸井 | ちんことかさ、 あんなに悪く言っててもね、友情が。 |
久保 | そういう立場に憧れるわけですよ。 |
糸井 | それはだけどさ、 そこをつくるのにやっぱり何年ってね。 ケンカしたり、仲良くしたりの 歴史があるわけじゃないですか。 |
ハマケン | そうっすね。 高校のときから知ってるんで。 ‥‥でも、ぼくは源くんのことを一度も ハンサムだと思ったことがなかったのに、 ここ何年かで 「星野源みたいな恋人がいい」 みたいなのを インターネットでよく見るようになったんですよ。 |
森山 | 見るよね。 |
ハマケン | ええー! と思って。 ずっと「かわいそうな人」だと思ってたのが。 |
一同 | (笑) |
ハマケン | いつの間に、そんな! |
糸井 | だからそれも、お客をつくったんだよ。 |
ハマケン | そっかー、そうですねえ‥‥。 うーーーーん‥‥。 |
森山 | 星野源からハマケンに対して、 ちょっと「S」を感じるんですよ、きっと。 |
糸井 | おおー。 |
久保 | そうそう! |
森山 | 星野源はしお顔で、サラッとしてて、 そんなガッツリいくような感じに見えないのに、 ハマケンとの関係を見ると なんかちょっとSっ気があるんじゃないかと。 |
糸井 | そうか。 |
森山 | それにグッとくるんですよ。 |
久保 | 星野源を性的に見るには、 ハマケンが必要なんだ。 |
糸井 | そういうことだよ。 つまり、ハマケン越しの‥‥。 |
久保 | ハマケン越しの、星野源(笑)。 |
ハマケン越しの、星野源さん 『はらよわ男の座談会。(ジュエリー仕様)』より |
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糸井 | ハマケンなめの、星野源。 |
ハマケンなめの、星野源さん 『はらよわ男の座談会。(ジュエリー仕様)』より |
|
ハマケン | なんだぁー、 おれにピント合ってねぇんだぁ。 |
一同 | (爆笑) |
森山 | ちょっと邪魔だけど、いなくなったらダメ(笑)。 |
糸井 | そこまで演劇なんだ。 ドキュメンタリー演劇。 すごいことしてるなぁ。 |
ハマケン | うーん、うーん。 |
糸井 | SAKEROCKっていうのは、すごいね。 トロンボーンがメインだし。 |
森山 | たしかに、 トロンボーンがメインにいるバンドっていうのが、 まずめずらしいですよね。 |
ハマケン | ちょっと待ってよ、 ここまでの流れで言ったら おれはぜんぜんメインじゃないじゃないですか。 |
一同 | (笑) |
ハマケン | オレが見切れてるんですよ? 添え物じゃないですか。 |
一同 | (笑) |
久保 | ‥‥あー、よかった。 この話をハマケンに言えてほんとによかった。 |
ハマケン | ‥‥なんか久保さん、 源くんの話になってから すっごい「女の顔」になってる。 |
一同 | (爆笑) |
糸井 | それ、おれもちょっと思ってた(笑)。 |
ハマケン | ね、ね、そうですよね? |
糸井 | 一市民みたいだった。 |
久保 | なんか、急に扉が‥‥(笑)。 |
ハマケン | あははは、城の扉が開いてきた! |
糸井 | まだ閉じてるんだけど、 ちょっと開いたね(笑)。 (つづきます!) |
(C)「モテキ」久保ミツロウ/講談社 |