糸井 | 雑な言い方になるんだけど、 このマンガをめぐって、 「あなたはどの女性がいちばん好きですか?」 っていう聞き方があると思うんです。 |
久保 | ああー、はい。 |
糸井 | で、訊かれたとき用に考えておこうと思ったら 実はわかんなくなっちゃって。 |
久保 | そうなんですか(笑)。 |
糸井 | 読んでるときに「いけるかな?」と思ったのは、 土井亜紀だったんですよ。 |
久保 | あ、いいですね、その「いけるかな感」。 |
一同 | (笑) |
糸井 | わかるでしょ。 |
久保 | わかります。 |
糸井 | おれはきっと何事においても そうやって選んできちゃった人間だし、 これからもいろいろと そうやって選んでいく人間なんだろうなと思って。 |
ハマケン | 「いけるかな感」で。 |
糸井 | そう、「いけるかな感」で。 |
久保 | ちなみにハマケンはどうなんですか? どの女の子が? |
ハマケン | うーん。 なんか、主人公がいい思いをするところは ちょいちょい出てくるじゃないですか。 |
久保 | 出してますよね。 |
ハマケン | まず、そこでやっぱり、あの、 下品な言い方をすると‥‥ 勃ちそうになる。 |
一同 | (笑) |
ハマケン | いちばんグッときたのは、 林田尚子とキスする場面かなぁ。 ほんとにいいなぁと思って。 |
森山 | そこだったんだ(笑)。 |
ハマケン | なんでこれ、キスするんだろう? と思ったんだけど、でも、いいんですよ。 なんか、 自分がキスしてる気持ちになっちゃって。 |
久保 | あははは。 |
糸井 | 林田尚子かぁ。 |
ハマケン | エロいじゃないですか。 |
糸井 | だから、 ものすごくうらやましいんだよね(笑)。 |
ハマケン | ですねぇー、たまんないですよ。 |
久保 | まあ、幸世もがんばってるから、 そのくらいは許してやったんです(笑)。 |
糸井 | 幸世くん本人は不本意かもしれないけどさ、 「いろいろ言っても、 おまえはそこまでやってるじゃないか!」 って思いますよね。 |
ハマケン | そう、むしろうらやましいですよ。 |
久保 | でもやっぱり、 全裸でエッチは描けなかったですね。 |
糸井 | あ、そういえばそうか。 |
久保 | 乳首も描いてないんですよ、ほとんど。 |
ハマケン | そうか。 |
久保 | でもいま、ハマケンから 「勃ちました」って聞けて、よかったです。 なんだかグラビアアイドルみたいな気分で。 |
一同 | (笑) |
ハマケン | その場面だけじゃなくて、 ずっとエロいというか、 くすぐられてる感じは終始ありますよ。 |
糸井 | あるよね。 |
久保 | よかった。 なんか、それが救いです。 自分が女なので、描いていながら そこのところはどうなんだろうって ずっと悩んでたんです。 |
糸井 | おみごとですよ。 |
ハマケン | エロいですよ。 |
糸井 | いいなぁ、それが表現できるんだから。 森山さんはどうですか? 主役をやりながら、この女性が好きとか。 |
森山 | ぼくは‥‥どれも好きですね。 |
久保 | おお、よかったぁ。 |
森山 | 「愛と言うにはすこし足りない」 というテーマですけど、 どこの瞬間にも、 ぼくはわりと愛を感じてしまうんですよ。 |
糸井 | ああー、いいですねえ、 そう言えるのはすばらしいです。 ぼくもそれを言いたかった(笑)。 |
森山 | このマンガで表現しているものは たしかに愛と言うには足りないんですけど、 でも、その方がぼくにとっては、 とても現実味があるので。 |
糸井 | うん。 |
森山 | だから、ここで言っている、 「愛と言うにはちょっと足りないもの」 という感じは、ぼくは大好きです。 |
ハマケン | うん。 リアルだよね。 |
糸井 | ‥‥ちょっとさ、この、 「愛と言うにはちょっと足りない」 ってタイトルは、いいね! |
一同 | (笑) |
久保 | このタイトルは誰が考えたんですか? って、訊いたほうがいいでしょうか。 |
糸井 | ぜひ訊いてください。 |
久保 | このタイトルは誰が考えたんですか? |
糸井 | おれおれ。 |
一同 | (笑) |
ハマケン | やっぱり(笑)。 |
久保 | 自画? |
ハマケン | 自画自賛? |
糸井 | 自画自賛です。 |
森山 | (笑) |
糸井 | 自画自賛、ぼくはよくやりますから。 |
久保 | いいですね、地産地消みたいな。 |
糸井 | そうそう、まさしく。 地産地消(笑)。 (つづきます!) |
(C)「モテキ」久保ミツロウ/講談社 |