テレポーテーション、ふたたび!
我慢して書かなかったことだけれど、
じつは、ここだけの話、
僕は、あの便利な移動能力、
テレポーテーションを修得しているのである。
あなただけにこっそり教えるけれど、
僕は、あの痛快な移動能力、
テレポーテーションを修得しているのである。
みんなにはナイショにしておいてほしいのだけれど、
僕は、あの爽快な移動能力、
テレポーテーションを修得しているのである。
ビューンと走ってバシューンと消える
一大エンターテイメント移動能力、
テレポーテーションを修得しているのである。
ここでテレポーテーションが
どういう能力なのかを説明すると──
否、それは以前さんざん書いたので書かない。
30代半ばとは思えないほど興奮しながら
書き散らかしたので書かない。
『MOTHER2』のテレポーテーションも
『MOTHER』のテレポーテーションと同様、
非常に便利で、非常に楽しい能力である。
ビューンと走ってバシューンと消える。
たまにミスるとドカーーーンとなる。
特長も性質も、ほとんど変わらない。
けれど『MOTHER2』のテレポーテーションは
わずかではあるけれども進化している。
ふつうに見ればほとんど同じだけれど、
テレポーテーションファンならその差がわかると思う。
違いのわかる頑固なテレポーテーションファンなら
些細な差異を察する才を持ち合わせると思う。
まず、若干ではあるが助走距離が短くなっている。
前作であれば「行ったか?!」と思う瞬間に
ドカーーーンとなることがよくあったが、
『MOTHER2』では「行ったか?!」と思う瞬間、
概ねバシューーーンと消えている。
例によって擬音満載となってしまって申しわけない。
また、主人公の背後に連なる仲間たちの動きが
より贅沢に演出されるようになった。
主人公が走り出すと、
それを追う彼らはちょっと遅れて走り出す。
主人公はどんどん加速するから、
仲間たちとの距離も微妙に離れていくこととなる。
このへんの距離感がじつに見事である。
なんというか、きちんと計算されているという感じがある。
さらに特筆したいのは、
これはテレポーテーションに限った話ではないのだけれど、
キャラクターの大きさが前作よりも
ひとまわり大きく表示されているということである。
『MOTHER2』は、『MOTHER』よりも
キャラクターが大きく表示されている。
要するに、カメラがちょっと寄った状態になっている。
それがいったい何に影響するかというと、
主人公や仲間たちのさまざまな表情を
よりじっくりと観察できるようになるということである。
ここまで書けば、
違いのわかる頑固なテレポーテーションファンは
ピンときたことと思う。
そう、ドカーーーンである。
『MOTHER2』では、
ドカーーーンとなったあとのキャラクターの姿を
より細やかに把握できることとなったのである。
あんたはいったい何を言っているのだと思う人は、
ドカーーーンとなったあとのキャラクターの姿に
注目してみてほしい。そう、そのとおり。
ドカーーーンとなったあと、主人公とその仲間たちは、
両手と両足を、ぴゃっと上げるのである。
まるで「きゃあ」と悲鳴を上げるがごとく
両手と両足を、ぴゃっと上げるのである。
プレイヤーのミスによって黒こげの状態に陥れられてなお、
両手と両足を、ぴゃっと上げるのである。
根本のアクションが前作とほとんど同じであるとはいえ、
その表現力は段違いである。
さすがスーパーファミコンである。
16ビットのハイエンドマシンである。
ドカーーーンとなったあと、
主人公とその仲間たちは、
両手と両足を、ぴゃっと上げる。
これがなんともかわいらしい。
またしても30代半ばとは思えぬほど
書き散らかしたところで
バシューーーンと消え去るように日記を終わる。
あ、そうそう、
違いのわかる頑固なテレポーテーションファンなら、
『スマッシュブラザーズDX』の
オープニングムービーを見逃しちゃダメだぜ。
3Dのネスが駆け抜けるテレポーテーションの表現は
何度見てもわくわくする。