『MOTHER』シリーズのグラフィックは特別です。
ファミコンの、スーパーファミコンの、
ゲームボーイアドバンスのドット絵は、
独特のエッジと発色とデザインで、
それ以外にない美しさをうみだしています。
ひと目見て『MOTHER』とわかる
あのグラフィックをきちんと部屋に飾りたい。
目指したのは、ゲームスクリーンを切り取って、
そのまま部屋の壁に飾ること。
にじまず、くすまず、パキッとした鮮やかさで。
それを実現してくれた
凸版印刷プリンティングディレクターの高本晃宏さん、
トッパングラフィックコミュニケーションズ
プロダクトディレクション課長の簑田憲一郎さんに
お話をうかがいました。
印刷はデジタル、
作りかたはアナログ。
- ──
-
今回、SとLのふたつのサイズで
作りましたが、
絵の見えかたに違いはありますか? - 高本
- 基本的には同じです。
でも、Lサイズはドットのひとつひとつが
大きいぶん、
細部が見やすいというのがあるかもしれません。 - 簑田
- 確かに。
でもSサイズのほうも、
ぎゅっと凝縮されている感じが魅力的です。
これも、みなさんの記憶の中にあるものですから、
見る人によって違う印象を持たれるかもしれませんね。 - ──
- とすると、飾る場所のスペースに応じて、
サイズを選んでいただくのがいちばんですね。 - 高本
- そうですね。
ちなみに、色の出かただけで言いますと、
SサイズとLサイズは
まったく同じ色で刷られています。
CMS(カラーマネジメントシステム)という
ソフトウェアがありまして、
色を完璧にコントロールすることができるんですね。 - ──
- ということは、
ちょっとした個体差もないわけですか? - 簑田
- ないですね。
何枚でも、まったく同じ色で刷れますので。 - ──
- じゃあたとえば、
いまから10年後に刷ったとしても……。 - 簑田
- 10年前に刷ったものと、
同じ色で印刷できます。
▲左がLサイズ、右がSサイズ。細かく見ても、色合いは同じ。
これこそ凸版印刷が誇る、思った通りの色を寸分の狂いもなく出せる技術の賜物。
- 高本
- 本来は、印刷機械ごとに
色の再現性が異なっていますから、
刷るたびに色も成り行きで変わってしまうんですね。
それを防ぐため、
オペレーターが印刷機の横に貼りついて、
校正紙を見ながらなるべく同じ色になるように
合わせていくんです。
その工程を自動化したのが、
先ほど申し上げたCMSという技術で。
これを使えば、たとえ違う日に刷ったとしても、
もっと言えば、
他社の工場の印刷機で刷ったとしても、
自動で同じ色が出せるんです。
そのために、機械ごとの特性を調べて
プロファイルを作り、
さらに、キャリブレーションと言うんですが、
機械の状態がどうなっているかを毎日調べて、
ずれていれば調整しています。 - ──
- ピアノの調律みたいに。
- 高本
- ああ、そうですね。
正しい色を出すための調整ですから、
とても近い感覚です。
これもデジタル印刷ならでは、ですね。 - ──
- 1枚を刷るのに、
だいたいどれくらいの時間がかかるんですか? - 高本
- 10分くらいで1枚刷れます。
それよりも、今回のは複製画としても
初の手法でしたから、
仕様を固めるまでにたっぷりと時間をかけました。
素材や機械を吟味したり、
市場調査をしたり、
作ったサンプルを社内の20人くらいに見せて、
意見を交換し合ったり。 - ──
- 仕様が決まったあとは、スムーズでしたか?
- 高本
- はい。
でも今回使っているアリンダというフィルムは、
機械で扱うのが本当にたいへんなんですね。
と言うのも、
触ったときにとても傷がつきやすいんです。
- ──
- 繊細な素材なんですね。
- 高本
- ですから、
どうしても手作業をせざるを得ない
パートが多くて。
機械にフィルムをセットするのも
1枚ずつ手でやっていますし、
断裁するのも1枚ずつ手でやっています。 - ──
- 断裁も手で?
- 高本
- はい。カッターを持って、
こう、ガーッと1枚ずつ切っているんです。
あと、額縁にセットするのも
もちろん手作業ですから、
たくさん申し込みが来てほしいと思う反面、
本当にたくさん来てしまうと‥‥。 - ──
- ハンドメイドのパートが、
ものすごくたいへんです。 - 高本
- そうなんです(笑)。
しかも、アリンダはふつうの紙と違って硬いから、
すぐにカッターが刃こぼれしちゃうんですよね。 - 簑田
- 印刷部分はデジタルでスマートなんですけどね。
全体的には手作業が多くて、
じつはだいぶアナログな作りかたをしているんです。
(おしまいです。ありがとうございました)
レプリカ・スクリーン・シリーズ『MOTHER』
サンクスギビング
レプリカ・スクリーン・シリーズ『MOTHER』マジカント
レプリカ・スクリーン・シリーズ『MOTHER』
ホーリーローリーマウンテン
Lサイズ:37,400円(税込・配送手数料別)
Sサイズ:16,500円(税込・配送手数料別)
[素材]
PET、木、アクリル、アルミ、ステンレス、コットン
[サイズと重さ]
Lサイズ
・赤/黒
サイズ:縦660×横660×奥行20mm、重さ:2,700g
・ナチュラル
サイズ:縦635×横635×奥行35mm、重さ:2,400g
Sサイズ
・赤/黒
サイズ:縦360×横360×奥行20mm、重さ:910g
・ナチュラル
サイズ:縦335×横335×奥行35mm、重さ:720g
※赤、黒の額と、ナチュラルの額では仕様が異なるため、
サイズ、重さも若干異なります。
サンプル展示のご案内。
受注期間中、TOBICHI東京、TOBICHI京都、
渋谷PARCOカルチャん、
10月21日(木)から開催する
梅田ロフトのイベント「『MOTHER』のひろば」にて
サンプルを展示します。
実物を見てから購入したいというかたは、
どうぞ足をお運びください。
※スペースの都合で、
すべての種類を展示していないときもあります。
※お申し込みはWEBページの「MOTHERのおみせ」にて承ります。