5号に続き、中島家で撮影した写真を印画紙に焼き付ける。
友だちのわたなべひろこさん(旧姓・中島寛子さん)の母、
節子さんの家庭料理を前回ご紹介した。
今回は、母の味のとなりにならぶ会津のお店の味を
ひろこさんに聞いた。
「29屋」の手羽先の唐揚げが子供の頃から大好きだった。
その名のとおり牛や豚、鶏などの精肉店の看板料理だそう。
ひろこさんはテレビCMを観て
ケンタッキーフライドチキンが食べたいなと思うと
「29屋」へ走った。
お店は以前、百貨店中合会津店の地下1階にあった。
中合閉店に伴い手羽先の唐揚げが食べられなくなることを
なによりも残念に思っていたが
その後、現在の路面店がオープン。
いまでも「29屋」の手羽先の唐揚げは
中島家の食卓に欠かせない。
わっぱめしで有名な「田事(たごと)」へは
帰省したら家族全員で出かける。
ひろこさんの長女、桃ちゃんが生まれてから
子供にも安心して食べさせられる
地元のわっぱめしがうれしかった。
ずっと知ってはいたけれど
大人になって気づいた地元の味は少なくない。
弟ふたりが好きだった馬刺の美味しさが
あたりまえではないことを
会津がふるさとになってから知った。
東京の代々木公園でたまたま行われていた
会津の食のイベントで
はじめて蒸したての小池菓子舗のあわまんじゅうを食べ
冷えたそれとは違う本当の美味しさに驚いた。
実家(うち)の食卓にならぶいつもの味。
ふるさとのありがたさを遠くはなれて知る。