5月の連休に会津若松出身の友だちの実家におじゃました。
10年来お世話になっているアートディレクターの
わたなべひろこさん(旧姓・中島寛子さん)は
この連載の題字を描いてくれたイラストレーターの
ワタナベケンイチさんの奥様。
ご実家は戦後代々『天章堂中島印舗』というハンコ店を営んでいる。
ひろこさんが第二子の出産を控え帰省すると聞き
大事な時期だとわかっていながら
中島家のご飯の写真を撮らせて下さいとお願いをした。
まずは会津の代表的な家庭料理「こづゆ」。
おせちに、冠婚葬祭に、家族が集まるめでたいときに欠かせない料理。
材料は干し貝柱、里いも、干し椎茸、きくらげ、人参、
糸こんにゃく、きぬさや、まめふと呼ばれる小さなお麩など。
中島家のお正月は「こづゆ」といっしょに「つゆもち」も食べる。
お雑煮のようなものだそうだ。
ふたつがいっしょにでてくるのが母の味だと
ひろこさんがうれしそうに語った。
次にお母さんの節子さんがこの季節だからと、
会津でとれた山菜を茹でてくれた。
わらび、こごみ、くきたち菜、アスパラ、
気取らずにマヨネーズと醤油でいただく。
中島家のオムレツはちょっと変わっている。
たまごの中身はじゃがいもと挽肉、たまねぎ。コロッケの具材そのままだ。
ひろこさんの父、俊憲さんが結婚前から食べ続けた中島家の料理で
俊憲さんのたってのお願いで節子さんが作り方を受け継いだ。
いまでも中島家の日々の料理だ。
その②へ
つづく