「これからなに食べたい?」
と聞かれると中華料理が頭をよぎる。
四川や広東、北京といった本場の中華もいいが
やはり日本の中華、その街の中華料理店に行きたいと。
麻婆豆腐や酢豚、回鍋肉に青菜炒めなど
いろんな定番中華を誰かととりわけながら
少しづつ食べたいのだ。
日本の中華料理といっても
円卓を囲むコース料理や点心から
カウンターでひとりで食べる麺や餃子まで
慣れ親しんだ様々なメニューがある。
中華料理といえば? その答えはそれぞれだが
まずは麺と麻婆豆腐が撮りたくて(食べたくて)
福島の中華料理店へ向かった。
郡山の珍満(ちんまん)の麻婆かけご飯は
チンマーボーホイハンと呼ばれ
古くから市民に愛され続ける味。
お店はひとりのランチからめでたい大宴会まで
どんなときももてなしてくれる地元の老舗店だ。
お酒のシメを食べたいとき
いわき市の鳳翔(ほうしょう)のように
明け方まで営業しているお店があるとうれしい。
以前、市のPRカタログの撮影で
役所の方々に連れてきてもらった。
いわきでのシメの定番は鳳翔なのだそうだ。
植田の蘭燈園(らんたんえん)で
餃子を撮影させて下さいとお願いしたら
お店の大将は「うちはこれだから!」と
自慢の東坡肉麺(ばらにくそば)を出してくれた。
カウンターごしのそのやりとりで
これを食べてほしいという料理人の心意気だけでなく
台湾から東京、福島へと続けてきたこだわりまで味わえた。
福島の中華は今後、何度でも撮るだろう。
慣れ親しんだ中華料理だから、その奥深さだけでなく
福島のこともより知れるとおもう。