乳幼児睡眠コンサルタントと
大人の睡眠コンサルタントの国際資格をもつ、
ニューヨーク在住の愛波あやさんのお話は、
すべて科学的根拠に基づいた内容のはずなのに
「完ペキじゃなくていい!」と言ってくれます。
生きていたら、眠れない日も、
疲れてしまう日もあるけれど、
愛波さんのヒントを知っておくことで、
質の高い睡眠へと、
子どもたちや自分自身を誘えるのだとしたら、
とてもしあわせなことだと思ったんです。
今回は、たくさんの質問に時間のゆるす限り、
ぜ~んぶ答えていただきました。
担当は「ほぼ日」下尾(しもー)です。

この対談の動画は 「ほぼ日の學校」でご覧いただけます。

>愛波あやさんのプロフィール

愛波あや プロフィール画像

愛波あや(あいばあや)

慶応義塾大学文学部教育学専攻卒業。
外資系企業勤務後、
拠点をアメリカ・ニューヨークに移し、
2014年に米国IPHI公認資格(国際認定資格)を日本人で初めて取得。
現在、IPHI日本代表、
Sleeping Smart Japan株式会社代表取締役。
子どもの睡眠の悩みに関して、
オンラインや講演などの活動を通じて
累計約10万人に科学的な寝かしつけメソッドを伝授。
寝かしつけの悩みを解決する
おくるみスリーパーや遮光シートも開発。
二児の母。
著書に『ママと赤ちゃんのぐっすり本』(講談社)、
『マンガで読む ぐっすり眠る赤ちゃんの寝かせ方』(主婦の友社)がある。

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第七回 自分にとってのベスト睡眠

ーー
 質問 
中学受験生の子どもがいます。
試験直前期の体が緊張して
寝付けないときの過ごし方に
アドバイスをお願いします。
愛波
中学受験に関しては、がっつり、今回の本に
書いてあるんですけれども、試験直前に
緊張してしまうことは、すごくあると思います。
だから自分がリラックスできる方法というのを
事前に親も一緒に探ってあげるということが大事です。
とにかくずっと勉強をしているので、
なかなか体を動かすことをしないはずです。
運動は睡眠に関係しているので、
ちょっと運動を入れてあげるということを
心がけてほしいなと思います。
塾に行く間の散歩でもいいと思うんです。 
また、勉強部屋で寝るということをやめます。
勉強する場所と寝る環境を分けるんです。
もし分けることができないんだったら、
机にカバーをするぐらいの勢いで。
勉強スペースが視界に入ってこないことで
リラックスをすることができます。
他にはアロマなどの好きな匂いをかぐことも
オススメのリラックス方法です。

ーー
ありがとうございました。
つづいての質問です。
 質問 
高2の娘がいます。大学受験のために、
21:30 就寝、4:30 起床の
生活習慣にしたいと言い始めました。
この年齢でそのような生活リズムに
切り替えることをどう思われますか?
愛波
ご自分の体に負担ではないのであれば、
ベストな睡眠だと思いますので、
4時半に起きて勉強するサイクルができてしまえばOKです。
話は少しずれますが、
例えばママにも9時に寝て、4時半に起きて、
自分の好きなことをやる方がいますよね。
ただ、朝早く起きると、一緒に寝ている人も
朝早く起きちゃうということがあるんです! 
特に添い寝をしていると、こそっと出ても気配を感じます。
それは4時から6時の間、睡眠圧っていう
夜中とか夜寝るときにある眠気が
徐々になくなってきて
起きやすい時間になってくるからなんです。
さきほどお話ししたストレスホルモンの
コルチゾールというのは、目覚めのホルモンでもあるので、
その分泌が徐々に出てき始めるのが朝方なんですよ。
こそーっと出ても、気配でパッと起きちゃうので、
添い寝をしている人がいる場合、朝の活動を始めるのは、
ちょっと難しいかもしれません 。
ーー
大人の方からも質問が来ています。
 質問 
夜型から朝型に変更することは
できるんですか?いつ頃から
はじめるといいでしょうか?
愛波
できます。日が昇るのが早くなってくる時期、
春から夏にかけて、早くなってきてますよね。
そういう時期にまず「体内時計=生活リズム」を整える、
というのが大事ですね。
冬とかになると太陽が出てくるのが遅くなるので、
春から夏に向けてやっていけるといいです。
受験生にも夏から体内時計をしっかりと整えていくことと、
早く起きる習慣をつけていこうと伝えております。
最初は、きついんですが、朝早く起きることで
夜早く眠れるようになって、徐々に朝型になっていきます。
ーー
ありがとうございました。
会場にいらっしゃる方からのご質問もお受けします。

観客
 質問 
子どもが高校生なので、もう寝る時に
一緒ではないので、
「今日あったイイコト3つ」の話を
隣で話せません。食事中に
聞くのでもよいでしょうか?
愛波
効果的です。イイコトや、感謝することについて
考えること自体がよいことなので、
できるタイミングで、いいと思います。
観客
 質問 
4歳と6歳の娘がいます。
2人で寝室に入って2人で一緒に
寝てくれます。わたしは自由時間が
できてとてもうれしいんですけれども、
どうやら2人の秘密のパーティータイムが
始まってしまうんです。ひそひそひそひそ、
ずっと喋っていて、気づくと
20時に布団に入れたはずなのに、
22時前なんてことも。
アドバイスをお願いします。
愛波
例えば、アラームをつけて、
ここまでに寝ないんだったら、
今度から別々に寝ることになるよという
約束をするのはいいかもしれません。
アラームをつけたから、すんなり行くわけではないんですが
境界線を設けるというのが大切なんです。
そのとき、照明も真っ暗にしてくださいね。
ーー
短い時間に、たくさんの質問にお答えいただき、
ありがとうございました。
最後に、ご覧いただいている方にむけて
メッセージをお願いします。
愛波
自分にとってのベストな睡眠が、
十分に取れるようになってくると、
人生が変わると思っています。
そしたら自己肯定感が高くなったり、
学ぶ意欲だったり、
もっと誰かのために何かしたいという意欲が
出てくるんですよね 。
自分を大切にすることで、
子どもたちはそれを見て育つので、
自信を持って、もっともっと自分を大切にして
子育てをしてほしいなというふうに思います。
ありがとうございました。
ーー
ありがとうございました。

(おわります)

2024-09-16-MON

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    「忙しくても能力がどんどん引き出される  子どものためのベスト睡眠」 (KADOKAWA) 愛波あや 著