インディーゲームの祭典BitSummitに、
ほぼ日の見習い勤務の鳥、シジュちゃんが
取材に行きました。
どうしてシジュちゃんが呼ばれることになったのか、
根本的に謎です。大丈夫なのだろうか。
ゲーム市場は、エンターテインメント産業のなかでも
成長の割合がいちばん大きいと言われています。
そのホットスポットで、インディーゲームの「いろは」について
巨体の銀の鳥が教わってきました。
インディーゲームの第一歩、みなさんもぜひ
シジュちゃんといっしょに踏み出しましょう。

BitSummit公式サイト

見習い乗組員シジュとは

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第1回

インディーゲームってなんですか?

みなさん、こんにちは。
ほぼ日で、見習い勤務している鳥、シジュといいます。
ほぼ日のみんなと毎日なかよく、
神田で働いているんだジュよ。

▲わかってると思うけど、まんなかの銀色の鳥がシジュだよ。 ▲わかってると思うけど、まんなかの銀色の鳥がシジュだよ。

シジュの出身は、宇宙にある「シジュ星」です。
いってみればまぁ、宇宙人だジュ。
そんな宇宙人的なセンスを期待してもらってか、
京都で開かれる日本最大のインディーゲームの祭典
BitSummit(ビットサミット)」から
取材に来ませんか、と声をかけてもらったんだジュ。

▲みなさんの熱気に圧倒されるシジュだジュ。 ▲みなさんの熱気に圧倒されるシジュだジュ。

ところでみんな。
インディーゲームって、知ってる?
数少ないシジュの友達のうち、5人がよ〜く知ってた。

5人とも「えー!! BitSummit行くのー?!?!」と
うらやましそうにしてた。
そうなんだジュよ、めちゃめちゃホットスポットなんだよ。

ゲームといえば、シジュは
「人生ゲーム」「トランプ」「スペースインベーダー」
「たまごっち」「ドラクエ」
などを、人生(鳥生)の折々でやってきました。
しかしこれまでシジュがやってきたゲームは、
大手のゲームメーカーさんが発売してきたもの
だったんだジュな。

対して、インディーゲームは、
個人(または小さなグループ)が
自分のお金またはちいさめの予算で作るゲームのこと。

さまざまな意見に左右されず
制作者が作りたいように作れるので、
画期的で独創的なゲームが
出現することで注目を集めているんだジュ。
つまりここは、アイディアとコンテンツの宝庫!
これまで国際的なイベントも
たくさん開かれているんだジュよ。

でもどうしてインディーゲームの祭典が
ここ京都で開かれているのかな?
BitSummitの理事をつとめる、
Skeleton Crew Studioの村上雅彦さんに
お話をうかがい、会場をまわってみるだジュよ。

▲村上さん。シジュのテンションに合わせてくれるおやさしい方だジュ。 ▲村上さん。シジュのテンションに合わせてくれるおやさしい方だジュ。

BitSummitは、
今年で何回目なんだジュか?

村上
「コロナで完全オンラインだった回もあわせると、
10回目の開催です。
はじまった2013年頃、インディーゲームは、
日本ではあまり知られていない存在でした。
ゲームクリエイターたちが地下にもぐり、
ごちょごちょ遊んでいるのかな、
というような印象だったでしょう。

それが10年経って、市場が整い、
ゲームがかなり作りやすくなってきました。
ニンテンドーやSONY、マイクロソフトなどの
大手のメーカーさんがマーケットを開放し、
大きなオンラインストアに
インディーゲームが並ぶようになりました。

もしシジュちゃんが電気屋さんでゲーム機を買って、
電源を入れてオンラインストアに行けば、
そこにはインディーゲームもズラッと並んでいます。
携帯電話のアプリケーションストアにも
たくさんインディーゲームが並んでいます。
ゲームはもはや、誰もが作って、誰もが売れる、
という世界になりました」

もしかしたらそれはシジュでも、作って売れるだジュか?

「もちろんできます。
プログラムにくわしくなくても、
かんたんにすばやくゲームを作ることができる、
ゲームエンジンというツールが
あるときから無償で提供されはじめたんですよ。

昔は、開発機と呼ばれる何百万もするような機材を
そろえなきゃいけないということもあって、
そもそもゲームは個人で作れないものでした。
しかも昔はダウンロード版なんてなくて、
ソフトはカセットやディスクだったので、
在庫を自分で抱えて売るしかありません。
制作も販売も、個人には難しかったのです。
でもそれが、いまはいろんな側面から、
叶えられるようになりました。
ゲームの市場規模って
エンターテイメント業界のなかで
とても大きな割合を占めているんですよ」

ゲームをやっている人、
そんなに多いんだジュか?

「世界の市場規模は
20兆円とも言われています。
シジュちゃんも、おもしろいゲームを作れば、
プレイしてくれる人がきっと
いると思いますよ」

20‥‥兆‥‥!
そのなかで、インディーゲームが占める割合って、
いったいどういう感じなんだジュか?

「どこからどこまでがインディーゲームなのか
もはやわからなくなってきているのが、
現在ぼくたちが立っている2022年という地点です。

もともとインディーゲームのクリエイターは
お金のないなかで苦労して、
趣味のようにしてゲームを作っていました。
そこで、たとえば海外のパブリッシャーが
誰かがひとりで作ったゲームを見つけてくれて、
脚光を浴び、スターダムにのぼることもありました。

でも最近は、さっき話したように、
開発のハードルが下がり、自分の作ったゲームを
市場に出しやすくなってきました。
そうなると、逆に、
そのような活動に資本を差し出す人たちが
現れはじめたのです」

お金をかけずに作ることで
おもしろくなってきたインディーゲームの世界に、
今度は資本が入って、
インディーなのにインディーじゃなくなっていく‥‥
世界がまじりあっていくだジュな!

▲特に自己紹介していないのに、ふつうに接してくれるみなさん。 ▲特に自己紹介していないのに、ふつうに接してくれるみなさん。

「そうなんです。
互いの世界が開かれた瞬間に、
みんなが再びフラットになっていく。
2000年に入るあたりで
お金の流れの切り替わりがはじまりました。
ですから最初のBitSummitが開かれた2013年には、
すでに境界線がなくなっていたのです。

いま、ゲームはほとんどが
ダウンロード版になりましたが、ここにきて逆に
フィジカルなものが求められる傾向もあります。
わざわざ豪華版のパッケージを作ったりね。

だから、いまのクリエイターは次の扉に向けて、
つねに脱皮しています。
どの方向に進むのかは、ほんとうにその人しだい。
だから今回のBitSummitには
クロスロードというサブタイトルがついているんです」

みんなが十字路に立って、
いろんな方向を向いている。
転換点に、いるんだジュな!

「そう。もともと自由な世界だったところが、
もっともっと多面的になってさらに自由になる。
そんなおもしろい世界が、インディーゲームなんです」

(明日につづきます)

2022-08-29-MON

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  • BITSUMMIT X-Roads

    BitSummitは、毎年京都で開催されているインディーゲームの祭典です。
    「国内のおもしろいインディーゲームを海外に向けて発信していく」という趣旨のもとに発足。
    新型コロナウイルスによる完全オンラインだった期間を経て、2022年は、8月6日・7日の2日間、京都市勧業館「みやこめっせ」で開催されました。