「キャンプ大好き!」という人がいます。
「キャンプは興味ないなぁ」という人もいます。
そこは、ある意味、わかりやすい。
キャンプがおもしろいのは、そのどっちでもない、
中間の人たちがたくさんいて、
さらにその中間の人たちのなかにも
「昔は行ってた」とか「行ってみたい」とか
「食べるのは好き」とか「虫さえなければ」とか
いろんなタイプがあってグラデになっていること。
そういう人たちの声をざっくり集めてみたいけど、
たとえばキャンプについてアンケートをとると、
どうしても「キャンプを意識してる人」の
意見がちょっと多めに集まってしまう。
どうしようかなと思ってたら、身近に答えがありました!
ほぼ日の乗組員はいまや100名を余裕で超えます。
キャンプ好きな人も、キャンプに無関心な人も、
そして、どっちでもない人もたくさんいます。
しかも「頼むと頼まれてくれる」人たちですから、
こういうアンケートには素直に答えてくれるはず。
というわけで、集計してみました、キャンプ意識調査。
ここに「キャンプのリアル」がある?

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キャンプについていろいろ聞いてみました!【前編】

みなさま、こんにちは。ほぼ日の永田です。

いきなり自分のことで恐縮ですが、
ぼくは今年、何度かキャンプに行っています。
なぜかというと、ほぼ日のなかに発足した
キャンププロジェクトのメンバーだからです。

と、いうことは、ぼくはキャンプが好きで、
テントでしょっちゅう寝泊まりしている、
アウトドア大好き乗組員なのでしょうか?

いえ、それがね、違うんですよ。
かといってまったく経験がない
というわけでもないんですけどね。

正直にいえば、ぼくは、屋外でのレジャーが好きですし、
バーベキューとかもするけれども、
テントで寝泊まりすることは、これまであまり経験がない。
でも、子どもがちいさかったころなどは
家族でしばしばキャンプ場に行き、
アウトドアのレジャーをたのしんだあと、
ロッジというか、コテージに泊まったりはしていた。

このくらいが、ぼくの「キャンプ体験」なんですが、
みなさんは、いかがですか?

キャンプの体験って、ちょっと不思議です。
なんというか、シンプルに
「イエス」と「ノー」では分けられない。
それは、キャンプについて、
いろんな人の話を聞くうちに実感したことです。

「キャンプ、大好き!」な人たちと、
「キャンプは無理だ」という人たちの間のところに
すごくたくさんの人がいるみたいなんですね。
しかも、その中間層の人たちは、
キャンプについての体験と関心と興味が
けっこう入り組んでいる。

たとえば、キャンプに行ったことはないけど、
ぜひ行ってみたいと思っている人がいる。
でも、キャンプって、どうはじめればいいか
わからないところがあるから、
「いつかキャンプに行きたい!」と思ったまま、
ずっと行かない人もいる。

あるいは、行ったことがあるからこそ、
あんまり自分は合わないと思っている人もいる。
子どものころの行事とか、
親の趣味とかでキャンプに行ったんだけど、
あんまりいい思い出がない、というようなタイプ。

もしくは、すこし前のぼくみたいに、
アウトドアやバーベキューは好きだけど、
テントで寝泊まりしたことはないという人。
グランピングなら行きたいという人もいるし、
フェスでテントに泊まるのは大好きという人もいる。
キャンプの道具が好きだという人がいる一方で、
サバイバルグッズとしてキャンプ用品を持ってる人もいる。
あと、「そもそもキャンプの定義ってなんですか?」
なんて問われると、たしかに、困ったりして。

そういう、キャンプにまつわる人々の意識を、
キャンプのプロジェクトを進めるにあたって、
一度、きちんと確かめたいと思ってたんです。

しかし、「どっちでもない人」の声って、
集めようとするとなかなか難しいんですよね。
たとえば、ほぼ日で
「キャンプについてのアンケート」とかをやると、
どうしても、キャンプが好きな人の声が
多めに集まったりしちゃう。
どうしたもんかな、と思ってたら、
あっ、身近にヒントがありました。

それは、ほぼ日の乗組員たちです。

弊社、いつの間にか働く人も増え、いまや100名以上。
おそらくキャンプを好きな人も嫌いな人もいるでしょう。
そしてもちろん、どっちでもない人も。

そのあたり、気にせず答えてね、ということで、
キャンプにまつわるアンケートを社内で実施しました。
名づけて「ほぼ日乗組員キャンプ意識調査」。
呼びかけてみたところ、さすがほぼ日乗組員、
「お安い御用です」という感じで約100名の人が
アンケートに答えてくれました(ありがとう!)。

東京で働く、20代から50代くらいの男女約100名の、
キャンプにまつわる素直なアンケート結果。
まとめてみたらやっぱりおもしろかったので紹介しますね。
これこそが、いまの、キャンプに関する、
ふつうの人々の素直な意識なのかもしれません。

なお、ここでのアンケートの基準として、
「キャンプ」というのは
「テントで寝泊まりすること」と定義しました。
いちおう、それを定めないと答えられないのでね。

さあ、それでは発表していきましょう!
まずは、こういう質問から。

いきなり、最初の質問の結果に驚きました。
現在キャンプに行ってるかどうかはさておき、
「キャンプ経験がある」人ってけっこう多いんです。
「キャンプに近いことをした」人も含めると、
じつに84.2%の人が
「キャンプ的な経験がある」わけです。

ちなみに23.8%の人が
「キャンプに近いことをしたことがある」って
答えてますけど、それってどんなことなんでしょう?
そこ、具体的に聞いてみましたよ。

いやあ、アンケートの結果なのに、
読んでるだけでちょっとおもしろい。
回答だけじゃなく、キャンプの思い出が
書かれてるのもいいんですよねー。

「キャンプ的な経験」のうちわけはというと、
グランピングがけっこう多いですね。
あと、コテージとかロッジとか
バンガローに泊まってる人も多いけど、
このへんはもうキャンプにかなり近いような。

それから、子どものころに
ボーイスカウト&ガールスカウト活動を
経験してる人って多いんだなあ。
スガノのガールスカウトは聞いたことあったけど、
オカムーのカブスカウトは初耳だ。
そういうのでいうと、
「えっ、ふみちゃん縦走とかやるの?」とか、
「アシザーさんが自転車で北海道一周?」とか、
乗組員の意外な一面も知れておもしろかったです。
ちょうさんがウィンブルドンで
毎年テントを張ってる人がいるのは、
はい、知ってました。

さて、つぎは、「キャンプ経験がある人」に、
こんな質問をしてみましたよ。

これもけっこう驚いた結果でした。
「キャンプ経験があるよ」と答えた人のうち、
半分近くの人が最後に行ったのは、
「10年くらい前」か「10年以上前」!

「キャンプ、いいよねぇ」って言う人でも、
平気で10年くらい
キャンプに行ってなかったりするんですね。
いやあ、リアルだ。勉強になります、ほんと。

一方で、この1年以内にキャンプに行った、
わりとアクティブなキャンパーは、合計31.3%。
ひとくちに「キャンプ経験者」といっても、
「1年以内」と「10年前」では、
意識としてはかなり差がありますよねー。

じゃあ、いまは、みんな、どうなんだろう?
キャンプについて、どう思ってるんだろう?

つぎの質問はひょっとしたら、
今回、もっとも聞きたかったことかもしれません。
キャンプの経験者にも、未経験者にも、
シンプルにこういう質問をぶつけてみました。

わあ! そうなんだ!
「どちらかといえば」も含めると、
「興味がある」人が約9割!
これ、なかなかすごい数値ですよね。

まあ、キャンプのチームがアンケートしているので、
そこに仲間として若干気をつかった人がいたとして
(けっこう素直に答えてると思いますけど)、
それを少々差し引いたとしても、
かなりの人がキャンプに興味を持っている。

キャンプにまつわるさまざまな展開、
ポテンシャルがあるぞと実感しました。
ほぼ日のキャンププロジェクト、
ますますがんばっていかなくちゃ。

さて、みんながキャンプに興味があるとしたら、
いったいどういうキャンプを望んでいるんだろう?
つぎは、こういう質問をしてみました。

なるほどなるほどーーーー。
これ、見れば見るほど、おもしろい。

ざっくり言って「食」と「自然」は強い!
キャンプの醍醐味って、やっぱり、
自然のなかでおいしいものを食べること。

そんなななかでも
「お酒」より「コーヒー」系のほうが数値が高かったり、
そのわりに「スイーツ」はそれほど求められてなかったり、
おもしろいですよねー。

あと、高いのが「焚き火」と「会話」!
たしかに、それはキャンプに欠かせない。
自然のなかで、おいしいものを食べて、
焚き火のまえで、おしゃべりする。
ああ、それってまさにキャンプじゃないっすか。

ついでに触れておくと、
いちばんキャンプで望まれてなかったのが「スポーツ」。
これはあれだね、キャンプとは別でやるから、
キャンプと混ぜないほうがいいんでしょうね。

さて、つぎの質問の結果も、
おもしろかったんですよ。
こちらをご覧ください。

なんと、ほとんどの人が、
大人数よりも少人数のキャンプを希望!

これ、ちょっと不思議じゃないですか?
前の質問で「会話」をたくさんの人が
キャンプの要素として望んでいたのに、
規模としては「少人数」がいいと。

つまり、おしゃべりも食事も焚き火を囲むのも、
あんまり大勢じゃなくて、
気心の知れた人たちと少人数で、
っていうほうがいいわけですねー。

さて、ずいぶん長くなってしまいました。
「ほぼ日乗組員キャンプ意識調査」、
ここまでを前編として、残りは次回に発表します。

後編の目玉は
「キャンプに行かない理由」と
「キャンプに行く理由」。

いやあ、これがまたおもしろいんです。
どちらの人も、たっぷり書いてくれました。
たぶん、キャンプに行く人も行かない人も、
うんうんうなずきながら読んでもらえると思いますよ。

それでは次回の発表でお会いしましょう!

(後編に続きます!)

2023-09-19-TUE

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