「キャンプ大好き!」という人がいます。
「キャンプは興味ないなぁ」という人もいます。
そこは、ある意味、わかりやすい。
キャンプがおもしろいのは、そのどっちでもない、
中間の人たちがたくさんいて、
さらにその中間の人たちのなかにも
「昔は行ってた」とか「行ってみたい」とか
「食べるのは好き」とか「虫さえなければ」とか
いろんなタイプがあってグラデになっていること。
そういう人たちの声をざっくり集めてみたいけど、
たとえばキャンプについてアンケートをとると、
どうしても「キャンプを意識してる人」の
意見がちょっと多めに集まってしまう。
どうしようかなと思ってたら、身近に答えがありました!
ほぼ日の乗組員はいまや100名を余裕で超えます。
キャンプ好きな人も、キャンプに無関心な人も、
そして、どっちでもない人もたくさんいます。
しかも「頼むと頼まれてくれる」人たちですから、
こういうアンケートには素直に答えてくれるはず。
というわけで、集計してみました、キャンプ意識調査。
ここに「キャンプのリアル」がある?

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キャンプについていろいろ聞いてみました!【後編】

こんにちは、ほぼ日の永田です。

ほぼ日で新しく立ち上がった
キャンプのチームに入っています。

プロジェクトが発足して以降、
いろんな人に話を聞いているのですが、
「キャンプ大好き!」という人と
「キャンプは無理だなあ」という人の間に、
どちらでもない、さまざまなレイヤーの人たちが、
いろんな気持ちでいるみたいだなあと感じ、
ほぼ日の乗組員に
キャンプのアンケートをとってみました。

20代~50代くらいの東京に勤める男女約100名。
その人たちが素直に回答した
キャンプについての声を集めたら、
これがたいへんおもしろくて!

ぼくの思いも乗せながら発表していたら
予想外なボリュームとなってしまったため、
前後編に分けて発表することにしました。

で、今回は後編です。
発表するのは、ふたつの質問に対する回答です。
ひとつは、キャンプに行かない人が答える
「キャンプに行かない理由」。
もうひとつは、キャンプに行く人が答える
「キャンプに行く理由」です。

とくに「キャンプに行かない理由」がおもしろくて。
回答をいくつかのカテゴリーに分けて、
ひとつひとつコメントしながら見ていきましょう。

あ、今回、すごく長いと思いますので、
お時間のあるときにゆっくりご覧くださいね。
それでは、どうぞ!

やっぱり一番多かった理由はこのあたり。
「何を準備すればいいの?」
「どう選べばいいの?」
まあ、どんなジャンルの趣味も
「何から準備すれば?」問題はあるんですが、
キャンプはそのハードルが高そうですね。

わかるわー、これ。
なんか行きたくなって、そろえるところまでは
「えいや!」とやっちゃうかもしれないけど、
それが1回限りになったら? と。

「大きいものから小さいものまで」という
ヤンマーディーゼル的なフレーズに、
何をそろえていいかもわからない、
という不安が表れていますね。
もう、カラビナからテントまで、
なにがなんだかわからないんですよ、と。

わからないながらに
「10万円以上かかりそう!」って
試算してるのが理由としてリアルですね。
しかも、ぼくは、これを書いた同僚の
キャラを知ってるので、
そこがちょっと余計におかしいんですよ。
「10万円以上かかりそう!」って
目をギョロギョロさせてる、
いわもとの顔が思い浮かびます。

ああ、一歩進んで、この心配もわかる。
ふだんそれをどこにしまっておくのよ、と。
押入れも天袋もいっぱいなんだよ、と。
しかしね、乗組員のみなさん、
ここまでのぜんぶの悩みに対してお答えすると、
いまのキャンプ場って、
だいたいのものはレンタルできるんですよ。
ほぼ日のキャンプチームも
行くときはなにかしら必ずレンタルしてます。
「まずはぜんぶレンタル」でもいいと思うよ。

あ、前にやってたわけか。
なにが必要で、いくらくらいかかるかを
わかっているからこそ、
また新しくそろえるのもなあ‥‥と。
「古いのでいいじゃん」っていう言い方もあるけど、
もしやるなら新しくしたいっていう気持ちも
すごくわかります。

わははははは。
取りに行け。みやげを持って。


これ、うちの乗組員にとって、
かなり大きな問題のようでした。
やっぱ、キャンプって、虫がいるでしょ? と。

「あと虫がちょっと」。
この感じ、みんな言ってるなあ。
まあ、いますよね。
あと、トイレとセットになってる人も多い。
きっとあれだね、想像するのは、
夜のトイレの明かりに、
虫がたくさん集まってる、みたいな。

ああ、お子さんがね。
幼稚園くらいまではむしろ
虫が大好きだったりしても、
おにいさん、おねえさんになると、
また苦手になったりね。

しかしね、これも、ぼくからのアドバイスですけどね、
山の上のほう、つまり高い場所にあるキャンプ場って、
そんなにいないんですよ、虫。
もちろん、まったくいないわけじゃないけど、
行くキャンプ場をちゃんと調べると、
虫に悩まされないところはあります。
少なくとも、今年、何回か行ったキャンプでは、
一度も虫に悩まされたりしてません。
いや、いますけどね。でも、困るほどはいない。
場所と季節によると思います。

家で蚊が出ただけでも大騒ぎ!
だからこそ自然に触れさせたい、
という気持ちはとてもよくわかります。
ゼインアーツの小杉敬さんも
写真家の石川直樹さんも、
キャンプは自然の入り口としては
とてもよい機会だとおっしゃってました。

虫とおばけが同列か。
あと、スガノは「将来は養蜂がやりたい」って
言ってたじゃないか。養蜂ってハチだろ。
蜂蜜のためなら虫はいいのか。
「泥が手につく」なら、洗いたまえ。
あと、お風呂はね、たしかに入れないけどね、
ほとんどのキャンプ場って、
近くに温泉があるからね。
帰りの温泉をキャンプとセットにすればいいんだよ。
行きは道の駅、帰りは温泉。
かならず寄るのが、我々のいつものコース。


そして、これも多かった。
「車がないんです」と。
道具はレンタルでいいと思うけど、
こっちのほうがなかなか問題かもしれない。
もちろんレンタカーは借りられるけど、
「車がないんです」っていう人って、
運転そのものが気軽じゃないだろうから、
借りればオッケーってわけじゃなさそう。

そうだねぇ、キャンプって、じつは、
車がけっこう軸になるんですよねー。
もちろん、電車とバスで移動もできますけど、
荷物をコンパクトにするのとか、
むしろ上級者向けだったりするし。

そう、解決策はこれですね。
車のある知り合いと一緒に行く。
ちなみにほぼ日のキャンプチームも
半分が車のある人で運転も担当し、
半分は運転しないのでそこに便乗します。
運転しない人は助手席でナビしたりして、
それはそれでたのしいですよ。

お、名前がないのでどなたかわかりませんが、
行けないと言いつつ、
いろいろ知ってるじゃないですか。
こりゃもう、機会さえあれば行っちゃうね。
そう、キャンプについて話すと、
「虫がねぇ」「車がねぇ」って言う人って、
それさえクリアーされれば
行かないでもないんだけどな、っていう気持ちが
裏側に隠れてたりするんですよね。


ああ、これは、ありますよね。
まだ子どもがちいさい。
あと、家族がキャンプに興味を持ってない。
じぶんだけ行くわけにもいかないし、と。

4歳と7歳くらいの子どもたちも、
キャンプ場にはけっこういますから、
やっぱり家族の興味がキャンプにあるかどうか、
ということなんでしょうね。

「子どもがあっちこっち行ってしまう」問題。
なるほど、たしかに子どもたちは、
あっちこっち行ってしまいそう。
しかし、キャンプ場によっては、
かなり広い場所にテントを張れるところもあり、
「あっちこっち行ってしまう」からこそキャンプ、
という選択もあると思います。
親子で自由に「あっちこっち行こう!」みたいに。

あー、なるほど。それは大切ですね。
簡単に、こうすればいいとか言えません。
かく言うぼくも軽い日光アレルギー。
日焼け止めをかならず携帯。

ペットも、たしかにねー。
キャンプに限らず、
旅行そのものにいえることですよね。
お世話を頼める誰かがいればいいんですけど。

ペットがいるから絶対無理、
っていうんじゃなくて、
お世話を頼んだりするほど
「行きたい!」ってなれば行くんだけど、
まだそこまで至ってないってことですよね。

家族があまり関心がない‥‥ような感じがする。
どうして推測なんだ。
聞いてみようぜ、べっかむさん。


少しでも寒さを感じるのが苦手!
冬はもちろん春も秋も!
いやあ、人がなにかを
したりしなかったりするのには、
いろんな理由があるのだなとしみじみ。

暑いのも寒いのも苦手!
どうすりゃいいんだ。
いや、あるよ、暑くも寒くもないとき。
あと、暑いときは、標高の高い、
すずしいキャンプ場で過ごすっていうのは、
むしろおすすめしたいことかも。

天気問題と家族問題のかけあわせ。
キャンプをするのはたいへんだ。
どうしてそこをかけ合わせるという気もするが。

ふはははは。自由律俳句。


そう、これだ!
ようするに、いままで挙げてきたような、
「キャンプに行かないさまざまな理由」も、
身近にキャンプ好きがひとりいるだけで
ぜんぶ解決してしまう可能性がある。
かく言う、ぼく、永田も、キャンプのチームに入り、
キャンプによく行っている人が身近になることで、
ふつうに「キャンプに行く人」に
なってしまったわけだから。

身近にキャンプをする人がいれば、
道具がなくても貸してくれたり、
あるいは、必要ないものは
「必要ないよ」と言ってくれたりする。
車に便乗したりもできるし。

そうそう、そういうことですよね。
身近にキャンプをする人がいれば、
なにかのはずみに
「ちょっと行ってみる」ことができる。
逆にいうと、そういう人がいないと、
なかなかキャンプを「お試し」できない。

まさに、こういうことだ。
でも、だとすれば、「そういう誰か」がいれば、
あるいは、「そういう存在」があれば、
ひゅっとキャンプに行くことも
難しくないかもしれない。

いや、そんなことないよ、わかなちゃん!
インドアっぽい雰囲気だなんて
‥‥あ、いや、たしかに、
インドアっぽいな、わかなちゃんは。

「誘っても断られたし」の一文が泣けます。
がんばれ、わかちゃん。


その他にも、さまざまな「行かない理由」があって、
たいへんためになりました。
そう、肌が敏感な人はいろいろたいへんかも。
虫除けがダメだったりする人もいるし。
でもね、キャンプ場って真夏はさておき、
長袖でいることが多かったりするし、
「うっそうとした森に分け入る」みたいなことって
あんまりなかったりしますよ。

ああ、なるほど。
なにかあったときに対処できないんじゃないかと。
キャンプって、なにかありそうな気がするものね。
しかし、それを逆側からとらえると、
なにかあったときに自力で乗り越えるのが
キャンプのおもしろさのひとつだといえます。

ああ、わかるわかる。
寝袋を干したあとに、もう一回干したくなったりね。
しかし、キャンプをやるまえから、
「お皿を2回洗うのはなぁ‥‥」って、
なかなかの先読みですね。
ちなみに、ですが、いまは、
スプレーして拭くだけでOKな洗剤とか、
かなり便利なものがあります。
あと、野外の水場でお湯が出るキャンプ場もあって、
そのあたりはどんどん快適になってるなあと思いました。

熱量についていけなさそう!
ひなちゃんは気にするところがおもしろいなぁ。
「誘われても断ってしまう」って。
‥‥はっ! まさか、
わかちゃんが誘って断られた人って?

キャンプ観やレベルのすり合わせ。
まあ、たしかに、上級者にはあるのかもしれませんが、
なんとも高度な心配ですね。
キャンプ観の違いによって、
キャンプサークルが解散とかあるんだろうか。
ああ、あるかもなぁ、それは。

わたなべは、上級者たちと行ったキャンプで、
言いようのない疎外感を感じたのである。

部屋とYシャツと私。
セックスと嘘とビデオテープ。
取材・執筆・推敲


このブロックでは、
「ああ、この人は無理だな」と思えた、
たいへんしっかりとした
「行かない理由」をお届けします。
そう、無理して行くことはない。

はい、すみません。

申し訳ありませんでした。
キャンプにかわってお詫びいたします。

あんたがたどこさ、ひごさ、ひごどこさ、
くまもとさ、くまもとどこさ、せんばさ。


うってかわってこちらのブロックは、
キャンプに行かない理由は
「なんとなく」です、というものを集めてみました。
よわーい理由。それも立派な理由。

選択しなかった理由は、
選択肢に入らなかったからです。
こういう曖昧な答えが、先生は大好きです。

うん、うん、土日をつかっちゃうからね。
はーい、たなかまくんの意見と
いっしょだよー、という人ー?

うん、うん、長時間はね。
長時間っていうのは、何時間くらいカナ?
4時間は長時間カナ? どうカナ?

装備がない。お金がかかる。
キャンプでない旅にも色々興味がある。
吉田は、そう思っていた。

「グランピングくらいに」って。
グランピングさんに失礼だぞ。

だめだ、これ、じわじわおかしい。
「いろいろ大変そうだし、
屋内でいいんじゃないか‥‥?」
ふふふふ、屋内という大雑把な区分がたまらん。
「いろいろ大変そうだし、
屋内でいいんじゃないか‥‥?」
だめだ、ずっと笑っちゃう。

わはははは! 大好きだ、この回答。最高。

経理のきくちくんです。
好きな食べ物は、かいわれ大根と砂肝です。
考えているうちにめんどくさくなります。

そうじゃなくて勇気なんだと。
先生は泣きそうです。
じゃあ、つぎの回答で最後にしましょう。
やえちゃんの「キャンプに行かない理由」です。
こういうのもあるんだなぁ。

やえちゃんのリアルな告白。
なるほどなあ、お父さんがハッスルして、
軽いトラウマになっちゃうパターン。
いやあ、ほぼ日乗組員のみなさん、
たくさんの「キャンプに行かない理由」、
ありがとうございました。
さあ、つぎはこの質問に対する答えです。

たっぷりの「行かない理由」を読んだあとは、
キャンプに行ってる人たちの「行く理由」を掲載します。
ほぼ日の乗組員には、行かないひとばかりじゃなく、
けっこうキャンプに行く人も多いんですよ。

「キャンプに行く理由」も
ひとつひとつコメントをつけて行きたいところですが、
今回の更新、みなさまもお気づきのように、
すでにたいへんな長文となっておりますので、
回答だけをずらっと並べてみたいと思います!

それでは、ほぼ日乗組員が
「キャンプに行く理由」、一気にどうぞ!

ああ、いいなあ。
なんだか、読んでいるだけで、
違うどこかにぽんと切り離されるようです。
さあ「ほぼ日乗組員キャンプ意識調査」、
ずいぶん長くなってしまいましたが、
おまけとして、最後の質問です。
ほぼ日の乗組員たちに、キャンプチームから、
こんな質問をしてみました!

おおお、あんなに「行かない理由」が
たくさん挙がったのに、
「キャンプに行こうよ!」と誘ったら、
断る人は6.1%しかないじゃないか。
残りの半分の人はOKだし、もう半分の人も考え中だ。

いやあ、しかしこれ、
ほんとにリアルな数字だと思うなぁ。
身内とはいえ、100名の声を
しっかり集めることができたこの調査、
やってよかったです!

これからほぼ日のキャンププロジェクトが
どこへ向かっていけばいいのか、
貴重なヒントをもらえたような気がします。

さて、最後にご報告があります。
ほぼ日のキャンププロジェクトは、
今月の終わりに、具体的なお知らせを
ひとつお届けする予定です。

キャンプのオリジナルブランドを立ち上げ、
メインとなるプロダクトを発表します。
日付は、わあ、もう言っちゃいますけど、
9月29日です!
ひっそり1年ぐらい続けてきた準備の集大成です。
「キャンプ大好き!」という人にも、
「キャンプはよくわからないんです」という人にも、
ぜひ、ぼくらの発表を見てほしいなあと思います。

もう一度、言いましょう。
9月29日、ほぼ日のキャンプのブランドと、
メインのプロダクトが発表になります。
どうぞよろしくお願いします!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、キャンプのコンテンツで
またお会いしましょうー。

2023-09-21-THU

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