「weeksdays」の伊藤まさこさんと、
1年間の連載が終了した
「北欧365旅日記」のおさだゆかりさんが、
それぞれ撮影した写真で、
2023年版の「日めくりカレンダー」をつくりました。

伊藤さんは、日々のくらしのいろいろを。
おさださんは、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、
買い付けに出かけた3つの国のものや、人や、風景を。
毎日めくるのがたのしくなって、
明日がたのしみになる、
そんなカレンダーができあがりました。

完成したばかりのサンプルを前に、
はじめてそれぞれの日めくりカレンダーを見たふたりが、
あれやこれやをおしゃべりしたようす、
2回にわけて、おとどけします。
写真に興味のある人や、
Instagramをやっている人も、必読ですよー!

>おさだゆかりさんのプロフィール

おさだゆかり

山梨県生まれ。
北欧雑貨店「SPOONFUL」店主。
2005年3月21日にオンラインショップとして
「SPOONFUL」を立ち上げ、
現在はオンラインと予約制の実店舗を運営しつつ、
全国各地でイベント販売を行う。
店名の「SPOONFUL」は、
毎日の暮らしにスプーン一杯の幸せなひとときを、
という願いから名付けた。
2019年まで、毎年6月に
「北欧雑貨をめぐる旅」と題した
北欧ツアーを開催し、現地を案内してきた。

著書に『北欧雑貨をめぐる旅』(産業編集センター)
『北欧スウェーデンの旅手帖―雑貨がつなぐ街めぐり』
『北欧雑貨手帖』
(アノニマ・スタジオ)
『わたしの住まいのつくりかた
北欧風リノベーションとインテリア』(主婦と生活社)
『わたしの北欧案内 ストックホルムとヘルシンキ』
(筑摩書房)
『北欧 ヴィンテージ雑貨を探す旅』
(産業編集センター)
などがある。

Instagram
SPOONFUL ウェブサイト

>伊藤まさこさんのプロフィール

伊藤まさこ

スタイリスト。
料理や雑貨など「暮らし」をベースにした
スタイリングを手がけている。
「ほぼ日」では2011年から
「やさしいタオル」のスタイリングをはじめ、
タオルケットや服、アクセサリー、
カバンなどのプロデュースを行ない、
「伊藤まさこのおべんと帖二〇一六」を連載。
2018年に「こんなものがあったらいいのに」
と考えたものをあつめたウェブのお店
「weeksdays」(ウィークスデイズ)をオープン、
現在も毎日かかさず更新をつづけ、
仕入れからオリジナルまで多彩な商品を並べている。

著作に『まさこ百景』(ほぼ日)
『あっちこっち食器棚めぐり』(新潮社)
『美術館へ行こう:ときどきおやつ』(新潮社)
『伊藤まさこの器えらび』(PHP研究所)
『新装版 毎日ときどきおべんとう』(PHP研究所)
『伊藤まさこの買いものバンザイ!』(集英社)
『そろそろ、からだにいいことを考えてみよう』
『フルーツパトロール』(マガジンハウス)
『おいしい時間をあの人へ』(朝日新聞出版)
『本日晴天 お片づけ』(筑摩書房)
『おいしいってなんだろ?』(幻冬舎)、
など多数。

Instagram
Instagram(weeksdays)


  • weeksdaysの日めくりカレンダー2023
    B7縦変形(ポラロイド写真)
    縦107㎜×横88㎜×厚み30mm
    重さ約225g/368枚+台紙/オールカラー
    ¥3,300(税込・配送手数料別)

  • SCANDINAVIAN 365 CALENDAR 2023
    B7横(パスポートサイズ)
    縦91㎜×横128㎜×厚み35mm
    重さ約350g/368枚+台紙/オールカラー
    ¥3,300(税込・配送手数料別)

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1・ふたつの日めくりができました

伊藤
日めくりカレンダー、
ふたつとも、できましたね! 
おさだ
できましたね! よかった。
一同
(拍手)

──
「暦帖」を来年はお休みしましょう、
「アコーディオンアルバム」は継続しましょう、
でも年に一度の印刷物がないのも、
なんだか寂しいですね、と話していたら、
チーム内から「カレンダーが欲しい」と、
そんなところから「つくりましょう!」となって。
伊藤
そうでしたね。
それで「日めくりカレンダーがいいね」と。
チームのなかで、日めくりが好きなのに、
なかなか理想的なものに出会えない、
という人もいて。
──
「このチームなら、いいものができるかも?」と。
ちょうどおさださんの「北欧365旅日記」の連載が
1年間で終わったところで、
あの風景にまた会いたいなあという気持ちもあり、
おさださんにもお声掛けをしたんです。
おさださんの連載については、
最初の頃、紙媒体にしたいですね、
という話をしていたんですけれど、
あらためて書籍にするには、
相当な労力をかけての再編集が必要で。
伊藤
そうですよね、本にするなら、
ちゃんと手を入れないと。
おさだ
最新の情報が必要ですよね。
北欧に行った話も、かなり内容を変えて書き直し、
写真も、ガラッと撮り下ろしを加えることが
できたらよかったんですけれど、
このコロナ禍が続く中では、
まだそんなに気軽に取材には行けません。
そうすると書籍にするだけの情報は足りないんです。
そんな理由もありました。
──
それで、つくろう! ということになり、
かなりの急発進で
ふたつのプロジェクトがはじまりました。

おさだ
それぞれ別々に進行をしていたんですが、
まさこさんのほうはどんなふうに?
伊藤
わたしのほうは、最初に、
娘にラフをつくってもらったんです。
ポラロイドサイズで、
写真と日付だけが入っている
シンプルなものにしたい、と思って
きっとゆかりさんもある程度、
こうしたい、ということが決まってたんじゃない?
おさだ
わたしはエクセルでラフをつくりました。
それを「ほぼ日」の山川さんにお送りしたら、
「これ、いいじゃないですか! できてますよ!」
っておっしゃってくださって。

──
すごくちゃんとしたラフでしたよ。
完成品とはちょっと判型が異なりましたけれど。
おさだ
最初は、サイズが、一回り大きかったんですよね。
ほかにも「ああしたい、こうしたい」ということを
ぜんぶお伝えして、
どのくらいの価格で販売ができそうか、
印刷会社に見積りを出してもらったら‥‥。
──
とんでもない価格になっちゃったんです。
一同
(笑)
伊藤
えっ、何、何? どういうこと?
おさだ
たとえば、本体とは別に
紙のフォルダーをつくって、
そこに地図などの情報を入れたい、とか、
細かなリクエストをたくさんしていたら、
印刷にもいろいろな工夫や材料が必要となり、
それが積み重なった結果として、
かなり立派なお値段になることがわかったんです。
でもそれだと「weeksdays」の日めくりカレンダーと、
ずいぶ販売価格の差が出てしまう。
足並みをそろえようと、
いくつかの要素を削っていきました。
──
でも妥協をしていただきたくなかったので、
いくつか「ここだけは」ということは捨てず、
整えていきましたね。
たとえば各ページの裏面を黄色にしたい、
というアイデアは生かしました。
黄色は、おさださんのテーマカラーですし。

おさだ
そうですね。わたしが運営している
スプーンフル(SPOONFUL)のテーマカラーです。
各ページの裏面を黄色で印刷することで、
カレンダーの小口部分(断面)も黄色くなって、
思った以上にテーマに通じる印象が出ました。
とっても嬉しいです。
伊藤
よかった!

おさだ
表紙の斜めストライプも、
連載のデザインと合わせて。
伊藤
これ、もともと、ゆかりさんが好きな
紙ナプキンの柄なんですよね。
おさだ
そう。斜めストライプ、好きなんです。

伊藤
写真を選ぶ作業は、スムーズでしたか? 
連載がちょうど365日だったから、
日めくりカレンダーにしやすかった? 
おさだ
それが、日々のリズムというのかな、
毎日めくってたのしい、ということを考えると、
連載そのままというわけにはいかないんですよ。
1年間見てくださってきた人が、
見たことあるものばっかりになっちゃう。
だから、最初から、リズムを考えながら、
250枚ほど、差し替え、並べ替えをしたんです。
伊藤
すごい! 365枚のうちの250枚を?! 
おさだ
そのほうが新鮮だと思って。
まさこさんはどんなふうに選んだんですか。
「weeksdays」に掲載したもの‥‥、
ばかりではないんですよね。
伊藤
はい。「weeksdays」の写真は
プロの写真家に撮っていただいたものがほとんどなので、
わたしが写真を撮るのは、
レポートで使い方をお見せするときくらい。
そんなに多くないですし、
説明のためのものだったりするので、
日めくりカレンダーに向いているとは言えない。
だから今回は、
「weeksdays」に関係していなくても、
「わたしが日めくりカレンダーをつくるなら」
というところから考えて、
iPhoneに入っている過去5年の画像を
総ざらえして選びました。
けれども最初に選んだ365枚の中には、
掲載の許可が必要なものもあって、
差し替えが必要とわかった写真については、
あらたに選び直したり。
おさだ
わたしもありました! 
商品写真などはとくに、先方の方針で
掲載許可がいただけないものもあったんですよね。
──
最初お2人には、それぞれ好きなように
候補の写真を出していただいたんですが、
著作権などを確認していくなかで、
許可が取れなかったものもあったんです。
そういうものについて、
代わりの写真を選んでいただきました。
そのやりとりが、幾度もありましたね。
そんな中、ゆかりさんに助けていただいたのは、
お知り合いのお店や人が出ている写真について、
直接、ご本人から許可をいただけたことでした。
それでずいぶん表現の奥行きが出たように思います。

おさだ
連載をずっと見て下さった方も、
また新しい写真に出会えて、
たのしんでくださるんじゃないかなと思ってます。
伊藤
選ぶときには
月日の流れを意識しましたか? 
1月から12月という。
おさだ
はい、季節感は大事に考えました。
たとえば外の風景は、
その月に撮ったものだけを使う、
というふうにしましたね。
伊藤
ゆかりさんの日めくりカレンダーの
舞台となっているのは、
商品の買い付けに行く北欧の
フィンランド、スウェーデン、デンマーク。
おさだ
はい、その3カ国です。
季節感を意識しつつ、
地域は単調にならないよう、混ぜています。
伊藤
毎日の写真に、キャプションがついていて、
どんな場所かがわかるんですね。
おさだ
都市名と国名、
お店だったらその名称も入っていますから、
ちょっと興味を持った方は、
ネットなどで場所を調べていただければいいなぁと。
逆に「weeksdays」の日めくりカレンダーは、
キャプションはなしで、写真と日付のみ。
その潔さが、まさこさんらしいです。
伊藤
そうかな(笑)? 
わたしは最初、好きな写真を選んで、
12か月に振り分けて、
1か月ごと、カルタみたいに並べてみたんですよ。
それで全体の順番を見通して、
あんまり似た写真が続かないように、
並び替えをしました。
ちょっとお皿が続いているなぁとか、
景色がつながってるかも、とか、
写真のアングルもちょっとずつ変わるように。
でも写真は、もうほんとうにふつうの、
日常の風景がほとんどなんですよ。

おさだ
ほんとうだ。これはお弁当だし!
伊藤
そう! 
ほんっとに日々の中で撮ったものです。
おさだ
ポラロイドのサイズにしたのは、どうして?
伊藤
わたし、ポラロイドの雰囲気が好きなんです。
──
それをお聞きして、
「weeksdays」の日めくりカレンダーは、
ポラロイドで出力する写真と
ほぼ同じ判型にしています。
余白も含めて、ポラロイド的ですよ。
おさだ
もちろん、一年の流れもちゃんとある?
伊藤
もちろん。ただ最初に決めたのは、
2023年がうさぎ年なので、
表紙にはうさぎだということ、
1月1日はちょっとめでたい感じに
富士山にしたいということ、
一番最後は、ニコニコマーク
(スマイリーフェイス)の
パッケージで締めよう、ということでした。
あとは退屈にならないように、
季節感を考えながら並べていったんです。

──
決めごとといえば、「weeksdays」は、
祝日の写真を切り抜きにしましたね。
おさだ
なるほど。わたしのほうは、
切り抜きも入っているけれど、
そこに意味はないんです。
伊藤
でもお休みの日の文字に、色がついている!
おさだ
そう。「日・祝」は、
黒縁の中を黄色く塗りつぶしているんです。
伊藤
そこも黄色ですね。
ゆかりさんのアイディア?
おさだ
そう。
伊藤
すごい! 
ほかに決めていたことは? 
おさだ
わたしの場合、1月1日と12月31日は
キャンドルの写真にしようって決めてました。
伊藤
なるほど、それも素敵。

──
日めくりカレンダーって、めくるたび、
昨日のことは忘れて新しい日を生きる、
というような気分がありますけれど、
ここまでかわいいと、
切り捨てた昨日までのページにも、
なにか使いみちがある気がしますね。
伊藤
わたしは白い裏側をメモに使うと
いいかなぁと思ってます。
──
メモ! かわいいですね。
おさださんのほうも、そうやって使えますね。
伊藤
黄色なのが、またかわいいですよね。
おさだ
切り取った日のページの使いみちで、
ちょっと思っているのは、
お店でも場所でも
「ここに行ってみたいなあ」と思ったら、
とっておいてもらえたらいいかも、ということです。
パスポートと全く同じサイズですから、
そこに挟んでおくのもいいんじゃないかな。
伊藤
そっか! 
それでパスポートサイズに?
おさだ
いえ、それはあとから思いついたんです。
最初はもっと大きなサイズだったのが、
価格に跳ね返ってくるというので、
紙を節約するため、判型を小さくしてみたら、
偶然、パスポートと
ピッタリ同じサイズになったんですよ。

伊藤
そっか。でも、とってもいいと思う。
今、海外はなかなか行きづらいから、
いつかするかもしれない旅を想像して、ね。
──
自分で調べて、編集し直して、
旅行計画のノートを作ってもいいかもしれません。
おさだ
そう! そうしたら、
自分のオリジナルの北欧旅行のルートが組めますよ。
──
あとは、いま、背景に飾っているように、
気に入った写真を壁にピンナップするのも
かわいいですね。
額装するまでもないけれど、
マスキングテープで貼っておくとか。
「ほぼ日」社内には
創刊日(1998年6月6日)の
日めくりカレンダーのページが
額装して飾ってあるんです。
どなたかが、お祝いに贈ってくださった。
アイデア次第でそんな飾り方もできそうですね。
誕生日とか、記念日とかにメッセージをそえて、
だれかに贈ったり。
おさだ
あぁ! たしかに!

写真|有賀 傑
ヘアメイク|草場妙子
伊藤さん着用アイテム|Pullover Shirt(IVORY・F)/quitan(2022/9/22 発売予定)
Naval Thai Pant - OEKO TEX® Denim(INDIGO・0)/quitan(2022/9/22 発売予定)
フラットシューズ バブーシュ/Stilmoda(2022/9/15 発売予定)
weeksdays Half Round Table/北の住まい設計社(2023年1月発売予定)
weeksdays PAS Stool/北の住まい設計社(2023年1月再販予定)
その他 スタイリスト私物

2022-08-31-WED

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  • SPOONFUL at TOBICHI TOKYO 
    SPECIAL STORE(仮)

    SCANDINAVIAN 365 CALENDAR 2023
    発売記念として、TOBICHI東京に
    おさだゆかりさんのお店 「SPOONFUL」がやってきます。
    おさださんがフィンランド・スウェーデン・デンマークで
    買い付けてきたヴィンテージ&アンティークがずらり。
    カレンダー未掲載の「かわいいものたち」の展示も!
    どうぞいらしてくださいね!

    会期:2022年11月18日(金)〜11月27日(日)
    開場:11:00〜19:00
    会場:TOBICHI東京
    https://www.1101.com/tobichi/tokyo/access/