新型コロナウィルスによって
さまざまな催しが影響を受けた2年半、
演劇界の現場でも数々の試行錯誤があり、
それはいまもなお続いています。
その「現場」でのお話をうかがう
「コロナと演劇」シリーズ。
第6回にご登場いただくのは、
ジャニーズ事務所の4人組「ふぉ~ゆ~」の
福田悠太さん、辰巳雄大さん、
越岡裕貴さん、松崎祐介さんです。
演劇を中心に活躍し、
グループとしても、個人としても、
舞台に立ち続けてきた4人が
この2年半で感じたこと、
演劇について思うことをうかがいました。
聞き手は、
演劇を主に取材するライター中川實穗が務めます。
撮影:池田光徳(ストロベリーピクチャーズ)
ふぉ〜ゆ〜
2011年4月1日結成。
グループ名は、
メンバー全員の名前に「ゆう」がつくことから
ジャニー喜多川により名付けられた。
全員同い年の年男。
CDデビューはしないまま結成11年!
<メンバー>
福田 悠太(ふくだ・ゆうた)
1986年11月15日生まれ
ふぉ~ゆ~のリーダー
辰巳 雄大(たつみ・ゆうだい)
1986年11月25日生まれ
越岡 裕貴(こしおか・ゆうき)
1986年10月5日生まれ
松崎 祐介(まつざき・ゆうすけ)
1986年10月20日生まれ
<出演>
◎舞台
ふぉ~ゆ~
『隅田川ヤングロード物語 ~嗚呼!そりゃあいけねえぜ!~』
福田悠太さん
『女の友情と筋肉 THE MUSICAL』
越岡裕貴さん
『Endless SHOCK』
松崎祐介さん
『Endless SHOCK』
◎映画
越岡さん
映画『まくをおろすな!』 2023年公開
◎テレビ
「ゴゴスマ -GO GO!Smile!」(CBCテレビ)毎週火曜 13:55-15:49
「ふぉ〜ゆ〜の王道テレビ 〜これにかけてるんで! Season2」(日テレプラス)隔週金曜に新作登場 21:00-21:30
辰巳さん
ドラマ「信長未満 〜転生光秀が倒せない〜」(tvk)10月25日スタート 毎週火曜日23:00~23:30
◎ラジオ
「ふぉーゆーのぴたラジ!」(CBCラジオ)毎週土曜 21:00-21:20
「ふぉ〜ゆ〜と学ぶ!ニッポン経済」(ラジオNIKKEI第1)毎週水曜 18:00-18:30
◎配信
「ふぉ〜ゆ〜達やっちゃいなよ!る〜るるる〜」(LINE LIVE)グループ配信を毎月1回、個人配信を4人それぞれ毎月1回ずつ配信
「ふぉ〜ゆ〜の本音でForyouラジオ」(グノシー)アーカイブ配信
◎雑誌連載
ホーム社『duet』「ふぉ〜ゆ〜感じでいいっすか!?」
扶桑社『TV navi 中部版』「Thank you ふぉ〜ゆ〜!!」
ぴあ『SODA』「ふぉ〜ゆ〜のMO〜SODA〜妄想〜」
辰巳雄大さん個人:リイド社『J Movie Magazine』「辰巳雄大のボクのMOVIE道」
- ――
- 辰巳さんがおっしゃった「生で、五感で感じる」
というところとつながることで、
私は常々不思議に思っていることがあるんです。
舞台って、毎日毎日、なんなら一日二回とか、
同じ物語を繰り返しているじゃないですか。
なのにどうして毎回、観客がウッとなるような
生々しいエネルギーが出せるんですか?
みなさんは『SHOCK』シリーズ(※)なんて
それぞれ1000回とか出てるわけでしょう?
※KinKi Kidsの堂本光一が主演を務める
ミュージカル作品シリーズ。
2000年に初演され、ふぉ~ゆ~も出演している
- 越岡
- たしかにな~。
- 福田
- マツは主演の堂本光一さんの次に出てますよ。
- 越岡
- ね、死ぬほどやってるよ。
- 松崎
- そう、すごいですよね。
堂本光一に続くのが、ふぉ~ゆ~松崎祐介ですから。
1400回近く出てる。
- 辰巳
- すげえな。
- 福田
- すごいね。
- 辰巳
- どういう気持ちで毎公演やってるの?
- 松崎
- それはおもしろい質問ですね。
- 越岡
- 逆にきた(笑)!
- 辰巳
- 「おもしろい質問ですね」。
- 福田
- 「おもしろい質問ですね」。
- 辰巳
- 堂本光一に次いでるオーラが出たね!
- ――
- (笑)
- 松崎
- なんだろうな。
「そのときどきの新鮮さがある」
ということはよく言われるんです。
それもそうなんですけど、僕の場合は、
嘘をつかずにそこにいられればそうなるというか。
- ――
- 嘘をつかずに。
- 松崎
- 役としてそこにいると
別に同じことをしているっていう感覚に
ならないというか。
‥‥言いたいことわかります?
- 福田
- スター(笑)!
- 越岡
- 「言いたいことわかります?」(笑)。
- 辰巳
- 「You know?」ってことだよね。
- ――
- (笑)
- 松崎
- だからね、毎日‥‥う~ん、なんて言えば。
筋トレと一緒です!
- ――
- 筋トレ?
- 松崎
- そう、そのサイクル。
(越岡に)なんて言ったら伝わるかな?
- 越岡
- そこを聞いてんのよ(笑)。
- 松崎
- 一週間毎日同じものを食べるんだけど、
それは自分で選んでいるわけじゃないから、
一週間続けられるんですよ。
自分で「これを一週間食べるぞ」と決めたら
続けられないと思う。
- ――
- ちょっとつかめそうです。
- 越岡
- わかる気がするね。
- 松崎
- そもそも、まず「選んでるんじゃない」
っていうことが言いたいんですよ。
- ――
- 選んでるんじゃない?
- 松崎
- なんか、だから、短く説明すると、
おかんの料理を食べたくなるときって
ありますよね。
- ――
- はい。
- 福田
- 入口いいよ。
- 越岡
- うん。
- 福田
- めっちゃいい。
- 松崎
- そのおかんの料理を食べたいっていう気持ちが
毎回生まれるっていう‥‥。
- 一同
- ‥‥‥‥。
- 辰巳
- 入口だけだったあ!
- 越岡
- これ書ける? 大丈夫?
- ――
- (笑)
- 辰巳
- ただその話でいくと、役者って脚本を読むから、
物語のオチを知った状態で始まるわけじゃないですか。
- ――
- そうですよね。
- 辰巳
- だから、「毎日やる」ってこともそうですけど、
オチを知ってそこに立っていること自体、
普通ではあり得ないことなんで。
あんまりその、毎日やるっていう気持ちと、
ひとつの舞台をやるっていう気持ちが
変わらないっていう感じかもしれない。
- ――
- なるほど。
そこに差がないと思うと、
理解に繋がる気がします。
やっぱり不思議ではあるけど。
- 辰巳
- うんうん。
- ――
- しつこく聞きたいんですけど、さっき、
「コロナ禍でマスクをしてお稽古をしたら
顔が半分見えないから、
劇場に入って一回緊張する」
っていう話をされていたじゃないですか。
それはやりづらいですか?
- 辰巳
- ああ、でもそれは
お芝居に邪魔なものではないです。
たとえば相手役の方が、
ある台詞の前にニヤッとしているということは
マスクをしているとわからないんですけど、
でも逆にマスクのない状態で稽古をしていても、
わかってお芝居はしないんですよ。
「ニヤッと笑って台詞を言ってくるな」
と思ってやらないようにしてるっていうか。 - 毎回同じ台本で、毎回同じ人生を歩んでるんですけど、
そのときの全体の流れで、
ニヤッと笑うときもあれば、笑わないときもある。
それがだから、
毎公演新鮮でいられることのひとつなんですけど、
- ――
- ああ~。
- 辰巳
- ニヤッと笑ったことが気になったとしても、
その場で「なんで笑ってるの?」
とは言えないじゃないですか。台本があるから。
でも、その気持ちは芝居にちょっと乗っかるわけですよ。
そうすると、その次のやりとりにも影響して、変化する。
そういう感情のやりとりがあるからこそ、
毎日、新鮮な気持ちでもいられるっていう感じです。
- 松崎
- 生放送みたいなね。
- ――
- あ、たしかに生放送も台本はありますもんね。
- 松崎
- そう。あるけれども、
実際はそこにプラスアルファしていくじゃないですか。
- 辰巳
- ただそのベースは、
稽古でできているっていう感じなんですよ。
- 越岡
- それがないとね、まず。
- ――
- なるほど。じゃあマスクを外すと‥‥。
- 松崎
- より情報量が増える。
- 越岡
- より鮮明になるというかね。
- 辰巳
- だから、マスクを取った状態でお芝居をして、
やっとわかることがあるっていうのは
悪いことではないです。
- ――
- そっか。悪いことではないのか。
- 越岡
- そうそう!
- 辰巳
- 「ここからスタートだね」っていう話ではない。
- 越岡
- ではないね。
- ――
- ああ~、納得しました。ありがとうございます。
- 福田
- そういう意味では、このコロナ禍になって
いろんな良さに気付くっていうことはありますよね。
知らなかったことではないはずだけど
「良さ」として気付く。
- 越岡
- たしかにね。
- 福田
- だから、「こういう時代になったから
俺らがいましなきゃいけないこと」っていうふうに、
凝り固まって考えないようにするっていうか。
実際は凝り固まりますけどね。
でも、こう、フッと力を抜くと出るものもあるから。
だからまあ、楽しいっちゃあ楽しい。
この状況下でつらい人が多いのもわかっているけど、
「つらい人がいるから、そこに合わせよう」と思ったら、
チューニングが狂っていくばっかりだから。
だったら、楽しいほうにチューニングを合わせていって、
発信する側になれたらいいなっていうふうには
演劇をやってると思います。
作品を通して、生のエネルギーとして、
ポジティブないいものを届けたい。
それを届けられるのは、やっぱり生なんだと思います。
(つづきます)
2022-09-02-FRI
-
2022年
10/22(土)〜10/30(日) ヒューリックホール東京
11/12(土)〜11/18(金) よみうり大手町ホール
11/26(土)〜11/27(日) 松下IMPホール演出・音楽・原案:小林顕作 脚本:大池容子
出演:ふぉ〜ゆ〜(福田悠太/辰巳雄大/越岡裕貴/松崎祐介)
前野朋哉 野澤祐樹(ジャニーズJr.) 田中穂先(柿喰う客) 掛川僚太 図師翔太郎 藤村聡声の出演:楢木和也(梅棒) 三倉茉奈 三倉佳奈
HP:https://event.1242.com/events/syr/
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