ボールペンで絵を描く中村隆さん。
ひたすら点をうち、ひたすら線をひき、
カラフルで心地よい世界を
フリーハンドで描きだします。
どうやったらこんな絵が描けるのか、
ちょっと気になりませんか?
そこで、日々の作品づくりのようすを、
3ヶ月ほど連載してもらうことにしました。
中村さん、よろしくお願いします。

>中村隆さんプロフィール

中村隆(なかむら・たかし)

画家、イラストレーター。

1976年、新潟県生まれ。
98年日本デザイン専門学校卒業。
以後、フリーのイラストレーターとして活動しながら、
定期的に個展をひらいて作品を発表している。
作品は「Ondo online store」などで販売中。

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#02

冬の空

 
新しい絵を描きはじめてみます。
冬の、雪かきの絵です。
次の個展は来年1月なので、
冬を感じる絵が多くなりそうです。
ラフはいろいろ悩みます。
バランスがいちばん迷います。
タテの構図がいいかなとラフを描き、
やっぱりヨコかなとヨコで描いて、
でもやっぱりタテかなとタテに戻りました。
描いてみないとわからないです。
シャープペンシルで下描きをして、
完成したらねり消しゴムで線をうすくします。
ふだんは手前の人物あたりから描くのですが、
ちょっと緊張していたこともあり、
今回は空から描きはじめることにしました。
どこから描いても大丈夫は大丈夫です。
絵の下側は雪で白い抜けもあるし、
なんとなく空は強い色にしたいと思い、
直線を交差させる描き方にしました。
もともとそうしようと考えていたわけではなく、
ペンを持って描きはじめるときに
そうしようと決めました。
自分の絵で色を強くしたいときは、
ベタ(塗っちゃう)の次にこれがいちばん強いです。
もっと色を強くしたいときは、
さらに角度を変えて線を交差させたりもします。
「強く=密度を高く」かもしれません。
今回は雲も大きく、わりと早く空ができました。
雲の存在感を強くしたいときは、
雲に輪郭をつけたりもするのですが、
まだどうするかは決めていません。

(次回は6月7日に更新します)

2022-06-03-FRI

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