ボールペンで絵を描く中村隆さん。
ひたすら点をうち、ひたすら線をひき、
カラフルで心地よい世界を
フリーハンドで描きだします。
どうやったらこんな絵が描けるのか、
ちょっと気になりませんか?
そこで、日々の作品づくりのようすを、
3ヶ月ほど連載してもらうことにしました。
中村さん、よろしくお願いします。

>中村隆さんプロフィール

中村隆(なかむら・たかし)

画家、イラストレーター。

1976年、新潟県生まれ。
98年日本デザイン専門学校卒業。
以後、フリーのイラストレーターとして活動しながら、
定期的に個展をひらいて作品を発表している。
作品は「Ondo online store」などで販売中。

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#03

雪の輪郭

 
前回のつづきで、人と雪を描きました。
洋服の色を「塗る」とき、
直線にするか、点にするかは、
その場でなんとなく決めていきます。
(「塗る」という表現が合ってるかはわかりませんが)
この絵のモデルは母と甥っ子です。
実際の着ていた洋服と色は違ったりしますが、
イメージ的なものと、
背景の色と差が出るようにしたかったので
こんな色になりました。
雪の輪郭は、
「 - - -  」か「・・・」にしようと思ったのですが、
「・・・」にしました。
雪が白色ということもあり、
輪郭はハッキリした線よりも、
あるようなないような感じのほうが
合っているかなぁと。
よくそういう線で描いています。
点を描くときは、
たまに左手を定規代わりして、
ペンに当てて描いたりします。
安定するのでいい感じです。
本当は張った弓のような
曲線にしたかったのですが、
ちょっとユラユラ蛇行してる部分も
できてしまいました。
でも、まぁいいか、というくらいです。
あまりきれいに描きすぎると
「パソコンで描いたのか?」と、
絵を見た方からよく聞かれたりします。
若い時はもっと几帳面に点の一つ一つまで
きれいに揃えて描こうとしていましたが、
最近はすこしどうでも良くなってきました。
でも、あまり目立つものは直します。
たまにインクが多く出てしまい、
大きな点ができてしまったときは、
左右の点をすこし大きくしてごまかします。
「・・●・・」だと目立ちますが、
ゆるやかに線上の流れで大きくなったり、
小さくなっていったり変わっていく分には、
そんなに目立たないからです。

(次回は6月10日に更新します)

2022-06-07-TUE

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