ボールペンで絵を描く中村隆さん。
ひたすら点をうち、ひたすら線をひき、
カラフルで心地よい世界を
フリーハンドで描きだします。
どうやったらこんな絵が描けるのか、
ちょっと気になりませんか?
そこで、日々の作品づくりのようすを、
3ヶ月ほど連載してもらうことにしました。
中村さん、よろしくお願いします。

>中村隆さんプロフィール

中村隆(なかむら・たかし)

画家、イラストレーター。

1976年、新潟県生まれ。
98年日本デザイン専門学校卒業。
以後、フリーのイラストレーターとして活動しながら、
定期的に個展をひらいて作品を発表している。
作品は「Ondo online store」などで販売中。

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#04

雪かきの絵

 
前回からのつづきです。
この絵はこれで最後です。
木を緑の点々で描いています。
陰の濃い部分を密にしたかったので、
壁を塗るように
同じ斜め方向で点を並べました。
その他の部分は雪がところどころ
木にのっているように見せようと、
抜きで白地をつくりながら
バラバラに散っている点で描きました。
はじめから「ここは雪の白にしよう」と
決めているところもありますが、
だいたいは適当に抜きながら描いていきます。
家を描き、木の枝を描き、
全体を見て、空の残りを描いたり、
雲のバランスを見たりしたあと、
最後にサインを入れたらできあがりです。
(サインの「TN」は中学生のときに読んだ、
なだいなださんの「TN君の伝記」という本からです)
一応これで完成ですが、
個展までまだまだ時間があるので、
きっとすこし直したり、大幅に直したり、
あとでいろいろ手を入れていくと思います。
なんで「あと」かというと、
できあがってすぐは
冷静に見られないというか、
客観的に見られないというか、
その絵を大事にしすぎるというか‥‥。
「こんな絵、どうでもいい」くらいになると、
直すところが見えてきたりします。
そうやって直したとしても
「直す前のほうが良かった」と
思うことはほんとうによくありますし、
失敗したなと思うところが、
あとあとチャームポイント的に
気に入るところになったりもします。
でも、それも絵を描いた自分の意見なので、
他の人が見たらまた違うように
見えるんだろうなぁとも思っています。
正解はわからないです。

(次回は6月14日に更新します)

2022-06-10-FRI

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