ボールペンで絵を描く中村隆さん。
ひたすら点をうち、ひたすら線をひき、
カラフルで心地よい世界を
フリーハンドで描きだします。
どうやったらこんな絵が描けるのか、
ちょっと気になりませんか?
そこで、日々の作品づくりのようすを、
3ヶ月ほど連載してもらうことにしました。
中村さん、よろしくお願いします。
中村隆(なかむら・たかし)
画家、イラストレーター。
1976年、新潟県生まれ。
98年日本デザイン専門学校卒業。
以後、フリーのイラストレーターとして活動しながら、
定期的に個展をひらいて作品を発表している。
作品は「Ondo online store」などで販売中。
#05
公園の猫
- 公園の花壇にいる
猫の絵を描きはじめます。 - 猫を描くのは苦手です。
目とか微妙な色の模様や
見えるのか見えないかわからないヒゲなど、
どう描けばいいのか迷います。
今回はシンプルに描いてみることにしました。 - 自分の絵を見た人から
「線がまっすぐですね」と
言われることがたまにあるのですが、
よく見ていただくとわかるように、
じつは微妙にけっこう曲がっています。
ただし、線と線の隙間はできるだけ
同じくらいにしたいと思いながら描いています。 - 猫の輪郭線のまわりや、
模様のまわりにはすこし余白を残しました。
「光が当たっているように見えるかな」
「アクセントになっていいかな」と思い、
なんとなく白を残して描いています。 - 自分の描いている感覚で話すと、
線を何本も引いて進めていくと
途中で猫の模様(障害物?)が出てきます。
あるところから1本の線が
上と下で分かれるわけですが、
模様部分を通りすぎてまた線が
ちゃんと1本につながるとうれしいです。
でも、つながらない時はつながりません。
そういうときはわざと
線の終わりにインク溜まりを作ったり、
線を太らせたり、曲げたりしてつなぎます。
そして次の線の角度を徐々に曲げつつ、
角度をもとに戻したりしています。 - あと、どうしてもつながらないときは、
あえてつなげなかったり、
あとから模様を足してごまかすこともあります。
パッと見て「んっ?」という違和感なければ、
だいたい良しとしているのですが‥‥。
こんな説明でわかってもらえたでしょうか?
(次回は6月17日に更新します)
2022-06-14-TUE