なにかすっごいドラマがあったという
わけでもないのです。
とはいえ、担当のほぼ日乗組員たちが
力を合わせてがんばった。
そして海外のお客さんや社内のみんなにとって
「ほぼ日ストア」の使い勝手が、
前よりちょっとよくなった。
「これ、仲間のみんながよかったんですよ」
という話を、すこしさせてください。
いわゆる「越境EC」、つまり海外販売にまつわる
ほぼ日というチームの一側面の記録。
開発リーダーの多田さんを中心に追いかけます。
レポート担当は、ほぼ日編集部の田中です。

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1.多田さんは、ちょっといい人。

 
こんにちは、ほぼ日編集部のです。
ちょっと珍しい記事になりますが、
ここでは、あるプロジェクトのレポートを
させてもらえたらと思っています。
ほぼ日のお買いものシステム「ほぼ日ストア」の
海外配送を便利にするプロジェクトの話。
とはいえ、専門的な話ばかりが続くと
チンプンカンプンな感じになりそうなので、
けっこう脱線も交えつつ‥‥。
よければお付き合いいただけたら嬉しいです。

 
さて。みんなから「ちょっといいな」と思われる人って、
生きているとときどき出会うことがあって、
あなたのまわりにもいらっしゃるのではないでしょうか。
派手な動きをしているわけでなくても、
みんながなんとなく
「あの人いいよね」と感じているような人。
その場の空気を、どこかよくしてくれているような人。
ほぼ日のシステムチームではたらく、
多田さん()もそういう感じの人です。
穏やかで、ニコニコしていて、感じがいい。
糸井さんがSNSで
「タダくんの笑顔は、ある種のかわいいです。」
と投稿していたこともあります。

 
そして今回レポートをする、
「ほぼ日ストア」の海外配送プロジェクトの
システム開発側のリーダーが、多田さんです。
だけど、ほんとに多田さんというのは、
その存在が、ちょっと嬉しい感じの同僚なのです。
親切で、いろんな人の仕事をよく助けていて、
みんながその存在をなんとなく頼りにしている。
この記事を書いているぼくは、ほぼ日での
在籍期間がだいたい同じ(10年強)ですが、
昔から多田さんがいろんな人を助けている姿を
よく見かけています。
困ったときの「多田さんに相談してみよう!」みたいな、
駆け込み寺のような感じもある。
また多田さんは、みんながちょっと
絡みたくなる雰囲気の人でもあったりします。
注射が苦手なことを「ただいま製作中」でからかわれてたり
会社のおやつテーブルですぐ話しかけられていたり。
たとえば、よく社内イベントで、
多田さんと一緒にコーヒーを淹れている
システムチームの後輩のさんも
多田さんのことが大好き。

▲社内イベント「波止場」でのコーヒー担当は、最近このふたり。 ▲社内イベント「波止場」でのコーヒー担当は、最近このふたり。

 
しかも新井さんは、わざわざ多田さんの
顔アイコンの大きめステッカーを作って
自分のPCに貼っているという、謎の大好きっぷり。
まあ、そういうことをしたくなる気持ちが
わからないでもないあたりが、
多田さんの魅力という気もします。

▲新乗組員の顔アイコンを作った日のひとコマ。自分の顔アイコンがプリントされた謎Tも、多田さんはノリよく着てくれる。 新乗組員の顔アイコンを作った日のひとコマ。自分の顔アイコンがプリントされた謎Tも、多田さんはノリよく着てくれる。

 
基本的にニコニコしていて、面倒見がよくて、
誰にも威圧感を与えない。
システム系の部署に新人がやってきたとき、
多田さんがお世話係のように動くことも多く、
入ったばかりのその人が、ずいぶん安心した様子で
多田さんとおしゃべりしている姿も、よく見ます。
また多田さんは、ほぼ日に昔からいる
フグたちのお世話係でもあります。
特に大きなニュースをもたらすわけでもない
フグたちですが、その存在がちょっとうれしい。
多田さんはそんなフグたちのことを、
「エサだぞー」とか呼びかけながら、よく愛でている。
水槽の底に溜まった泥(けっこう臭いらしい)の
掃除も、会社に人がいない日を狙ってやっている。

▲ほぼ日のフグさん ▲ほぼ日のフグさん

 
そして多田さんについて、ぼくが良いなと思うところは、
もちろん魅力もたくさんあるけれど、
同時にふつうに生きる、ふつうの同僚でもあるということ。
さりげない気づかいや丁寧な仕事ぶりに
「見事だなー」と思うことはよくあるけれど、
大きなイベントの後で「さすがに疲れた‥‥」と
ぐったりしていることもあれば、
きわどいジョークを思いついてニヤニヤしていたりもする。
甘いものにめっぽう弱くて、ダイエットが成功しない。

▲「気にしている」とか言うわりに、どうしてそんなクリーム全開の飲み物を頼むのか。 ▲「気にしている」とか言うわりに、どうしてそんなクリーム全開の飲み物を頼むのか。

 
学年にひとりふたりいた、みんなに別け隔てなく優しい、
ニコニコした同級生のようなイメージ。
とはいえ多田さんのその穏やかな雰囲気は、
自分で選んでいること、という気もする。
別段なにか気負ってとかでもなく
「一緒に働くんだったら親切なほうがいいから」
とかそのくらいの感じで、みんなに親切だったり、
機嫌よく過ごしたりといったことを
選びとっているんじゃないか。
まぁ、ほぼ日の乗組員はわりとそういう人が多くて、
みんなそれぞれに得意も不得意もあるけれど、
「周りにちょっと親切にしたい」みたいなところは、
みんなに共通している気がする。
声をかけたら、さっと手伝ってくれる。
そういうふつうの人たちである。
ふつうなんだけど、ちょっといい。
そういうなかのひとりが、多田さんである。

 
さて、今からすこし前、2023年の春のこと。
いまこのレポートを書いている
ぼく()のもとに
ちょっと変わった仕事がやってきたのだった。
なにかというと、
「多田さんの韓国出張についていく」というもの。
というのが、多田さんはこのところ、
「ほぼ日ストア」の海外配送をより便利にする
プロジェクトの開発リーダーをしているのだが、
パートナーの会社が
「Global-e(グローバル・イー)」。
多田さんは先日、そのGlobal-eが
日本でおこなったイベントで、前に出て、
ちょっとしたプレゼンをしたのだそうだ。
話のテーマは
「どうしてGlobal-eのサービスを
『ほぼ日ストア』に導入することに決めたのか」
というもの。

▲そのときのイベントの様子。スーツ姿のビジネスパーソンが大勢集まる、だいぶお洒落な感じの会場。そこで多田さんはパーカー姿で前に出て、「ほぼ日ストア」の話をしたらしい。 ▲そのときのイベントの様子。スーツ姿のビジネスパーソンが大勢集まる、だいぶお洒落な感じの会場。そこで多田さんはパーカー姿で前に出て、「ほぼ日ストア」の話をしたらしい。

 
そのときの多田さんのプレゼンテーションが、
なんだかとても評判がよくて、
Global-eのみなさんからさらに
「こんど韓国のソウルでおこなうイベントでも、
ぜひまた話をしてほしい」
とオファーがあって、行くことになったんだという。
わざわざ韓国まで呼ばれて、
「ほぼ日ストア」のことについて話をする。
しかもそれが、ほぼ日に10年以上在籍していて、
社内のいろんな人と関わりの深い多田さんである。
これはなんだか、ほぼ日乗組員の
ちょっとした晴れ舞台でもあるし、
状況としてもおもしろそう。
もしかしたら、そのあたりの話の紹介は、
「『ほぼ日ストア』はこれから、
海外配送をますますがんばっていきます!」
というお知らせになるかもしれない。
そんなわけで、ほぼ日の編集部に
「誰か多田さんについていって
レポートを書いてもらえないか」
という話がやってきて、
興味のあったぼくが手をあげさせてもらった、
ということなのだった。
「ほぼ日ストア」が今後どう便利になるかとか、
多田さんがどんなプレゼンをするのかとか、
とても興味がある。
社内の別のチームの動きを見られる貴重な機会だし、
韓国出張というのも面白そう。
しかも、一緒に行くのは多田さんである。
こんなの、たのしいばっかりの話じゃないか。
ほぼ日編集部のLINEに、部長の永田さんから
「担当者募集」の話があったあと、ぼくはすぐに
「やります!」と手をあげたのだった。

▲実は話があったのは出張の2週間前。航空券やホテルの関係から、急ぎ担当者を決める必要があったのだった。 ▲実は話があったのは出張の2週間前。航空券やホテルの関係から、急ぎ担当者を決める必要があったのだった。

 
そんなわけで、さっそくぼくはレポート役として、
システムチーム部長のさんに、
この「ほぼ日ストア」の
海外配送プロジェクトの概要を聞きにいったり。

▲かわかみさん(右)。これは社内イベントでりんごをむいているところ。 ▲かわかみさん(右)。これは社内イベントでりんごをむいているところ。

 
現地で一緒に行動するGlobal-eのカンキさんと、
ZOOMで簡単な打ち合わせをしたり。

▲あとで仲良くなるGlobal-eのカンキさん(この写真はイベント中の様子)。このときのZOOM打ち合わせは「食べられないものありますか?」くらいの話でした。 ▲あとで仲良くなるGlobal-eのカンキさん(この写真はイベント中の様子)。このときのZOOM打ち合わせは「食べられないものありますか?」くらいの話でした。

 
多田さんのところに行って、
今回の韓国出張への意気込みを聞いたりしました。

▲「いやー、韓国、緊張しますねぇ‥‥」と多田さん。 ▲「いやー、韓国、緊張しますねぇ‥‥」と多田さん。

 

「レポートは自由にやってもらえれば大丈夫です。
ただ、ぼくはちゃんと
プレゼンの準備をしなければ‥‥」
なんと、プレゼン時間は45分もあるのだそうです。
基本的には、日本のイベントで話した内容を
もとにするそうですが、
前と違うのは、お客さんが韓国の人たちということ。
「だからこの前、デザインチームのさんに
わざわざ時間をとってもらって、
韓国語の挨拶を教えてもらったんですよ」
と、多田さん。
そっか、そういう準備までするのか。

▲ほぼ日の新人デザイナー、やんさんは韓国出身。いつもとても素敵なデザインをしています。 ▲ほぼ日の新人デザイナー、やんさんは韓国出身。いつもとても素敵なデザインをしています。

 
また別の日、多田さんと一緒に泊まるホテル周辺の
Googleストリートビューを見ていたら、
通りすがりのさんからもソウル情報が。
「え、おふたり、ソウルに行くんですか?
そしたら私が先日NETFLIXの番組で見た
広蔵市場がすごくよかったので行くといいですよ!
定番の観光地みたいです」
お、いいですね。多田さん、せっかくだから行きますか。

▲わいわい喋っていると、通りかかった乗組員がふと情報を教えてくれたりするのも、ほぼ日のいいところ。 ▲わいわい喋っていると、通りかかった乗組員がふと情報を教えてくれたりするのも、ほぼ日のいいところ。

 
そんなことをしていたら、なんだか
あっというまに出張の日になりました。
川上さんや多田さんからいくらか話は聞いたものの、
実を言うとぼくはまだ、わからないことだらけです。
というのもこのプロジェクト、
「越境EC」「コンプライアンス」「関税」
「海外配送」「実装」「Global-e」などなど、
普段耳慣れないワードがどんどん登場するのです。
そもそも「システムチームのメンバーが
外の人たちにプレゼンをする」というのが、
どういった状況なのか、いまいち想像がつきません。
ただ、多少の不安はありつつも、
ぼくはこの韓国出張、
だいぶ気持ちが楽な要素があります。
それは、一緒に行く相手が多田さんということ。
ニコニコしていて、親切で、好奇心のあるタイプ。
仕事は丁寧だし、なにかと頼りになる人です。
新しいことをするとき、そういう同僚が一緒なのは
だいぶ安心感があるのです。
問題が起こっても、きっとどうにかできそう。
そんなわけでぼくは
「ま、きっと大丈夫だろう」という感覚です。

(つづきます)

2023-12-21-THU

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