なにかすっごいドラマがあったという
わけでもないのです。
とはいえ、担当のほぼ日乗組員たちが
力を合わせてがんばった。
そして海外のお客さんや社内のみんなにとって
「ほぼ日ストア」の使い勝手が、
前よりちょっとよくなった。
「これ、仲間のみんながよかったんですよ」
という話を、すこしさせてください。
いわゆる「越境EC」、つまり海外販売にまつわる
ほぼ日というチームの一側面の記録。
開発リーダーの多田さんを中心に追いかけます。
レポート担当は、ほぼ日編集部の田中です。

前へ目次ページへ次へ

2.すいません、ただのソウル観光です。

 
システムチームのさんと行く、
韓国・ソウル出張の日がやってきました。
多田さんは今回「ほぼ日ストア」の
海外配送のしくみをよくするプロジェクトの
パートナー、Global-eのイベントで
プレゼンテーションをするのです。
一緒についていくぼく()は、
このプロジェクトの、なんとなくのレポート役です。
‥‥が、2泊3日の出張で、
多田さんががっつり仕事をするのは2日めのみ。
ということで、すみません、1日めはただの
「多田さんと行くソウル観光」です。
穏やかな性格の同僚と行く、まったり初心者ソウルの旅。
「ほぼ日ストア」の話、ほぼ出てきません。
海外出張気分をおたのしみいただけるといいのですが。

 
当日早朝、羽田空港の搭乗ゲートで
多田さんと落ちあいます。
ちゃんと来るかな‥‥と思っていたら、来た!
「海外は全然行ってないんです」と言う多田さん、
いつもよりちょっとソワソワしています。

 
羽田から飛行機で、約2時間半。
機内でオレンジジュースを飲んだり、
うとうとしたりしていると、
あっというまに韓国・ソウル着。近いなあ。

 
つきました、ソウル金浦空港!
空港の建物からどこか、日本と雰囲気が違います。
ぼくは特にやることもないので、
とりあえず多田さんの写真を撮りまくることに。
おじさん2人、片方が片方の写真を
撮り続けているという、なかなか不思議な道中です。

 
さっそくタクシーで宿泊先のホテルに向かいます。
看板のハングル文字に
「おおっ、文字が違いますよ」と
心なしかウキウキしている様子の多田さん。

 
ホテルに到着し、今回一緒に行動する
Global-eのカンキさんと合流しました。
ガイドさんを呼んでくれていて、
「せっかくですからいろいろ行きましょう!」と、
そのままソウル観光に出かけることに。

 
左がGlobal-eのカンキさん。多田さんとはすでに仲良し。
ビジネスの相手でも、一緒に文化祭を作っている
高校のクラスメートみたいな空気になるのは、
おそらく多田さんのキャラクターの為せる技。

 
ソウル観光の定番「広蔵市場」にやってきました!
人が多い。飾りつけもにぎやか。
面白そうなものがいろいろ。
見るからに活気があって、気分が上がります。

 
屋台がずらりと並んでいて、
あちこちからいろんな香りがします。
歩きながら「これはなんだ?」「あれは?」
「ん?」と、キョロキョロ落ち着きのない多田さん。

 
ガイドさんの案内のもとローカルの店に入り、
チヂミを頼んだら、なんだかやたらと
存在感があるのが来た!
切り分けてくれる多田さんです。

 
こちらはタコの足がうにょうにょと動く、
マダコの踊り食い+ユッケプレート。
「ああっ、口に吸盤がくっつく‥‥」
などと喜びつつ、みんなでわいわい食べます。

 
たくあんとごま油がいい香りのマヤクキンパ。
一口サイズですいすい食べられます。
韓国初食事、けっこうたくさん食べました。
(‥‥あの、すみません、
この観光風のレポート、まだまだ続きます)

 
そのまま地下鉄に乗って、
初心者ソウルの定番「景福宮」へ。
伝統衣装を着て参拝している人がたくさん。
「みなさんも着ますか?」と聞かれて
一瞬気持ちが揺らぐも、
「いや、いいです‥‥」と断ります。

 
ガイドさんから
「ここはとても良い写真スポットです」と言われ、
なにもわからないままに写真撮影。
最初は多田さんだけで撮っていたら‥‥

 
「みなさんも! さぁ!」という
ガイドさんの強いすすめで、全員で記念撮影。
ポストカード風のひねりを効かせた画角で
撮ってくれたものの、全員だいぶ表情が固い。

 
あまりに地味すぎる写真に
「これでいいのだろうか」という気持ちになり、
多田さんにポーズをとってもらい、記念撮影。
しかしここでいい写真を撮ったところで、
いったい何のレポートになるというのか。
意味のわからないリクエストにも、
とりあえず付き合ってくれる、優しい多田さん。

 
どこかかわいい印象のある、十二支の神様の像。
頭にお賽銭がのせられているのを、
真似してやってみます。「ハッ!」

 
ふしぎな見た目の像にも、興味津々。
「これはいったい‥‥?」
観察の仕方が、犬のようです。

 
そのまま歩いていると、
ちょっと高いところに来ました。
春のソウル、天気がよくてとても気持ちがいい。

 
そして「北村韓屋村」という有名な地区へ。
なにかあると多田さんの写真を撮るのが
恒例になってきました。
もはや何も言わなくても、
不思議なポーズを決めてくれる多田さん。

 
さらにいろいろ歩き回ったあと、
ガイドさんおすすめのかき氷カフェへ
やってきました。
甘党の多田さんに、明日のプレゼンに備えて、
ばっちりエネルギー補給をしてもらおう
という狙いです。

 
「これを食べてみたいです」と指さした
スイカのかき氷を、
「いいえ、ここに来たならこれを頼まないと」
と、一瞬で押し切られた多田さんです。
ですがさすが名物、2つのビッグかき氷を
みんなでおいしくいただきました。

 
ガイドさん本気のガチ観光は続きます。
ソウルタワーにもやってきました。
出張って、こんなにあちこち観光するものなの?

 
カップルが永遠の愛を願って
錠前に鍵をかけるという人気スポットで、
愛の迫力に圧倒される多田さん。
「ふぅー‥‥けっこう歩きましたね」

 
カップルで座るとぎゅっとくっつけるという
椅子にひとりで座る、もう歩き疲れた多田さん。
座面が斜めすぎて、全然くつろげない。

 
「せっかく来たんだから」ということで、
ソウルタワーにものぼりました。街を一望。
この街にもきっと、「ほぼ日ストア」を
使ってくれている人がそれなりにいるはず。
出張で来た身としては
「みなさーん、お買いものがしやすくなるよう、
いま準備してますから、待っててくださいねー!」
と、そんな気分です。
‥‥と、いうものの、朝からかなり歩いていて、
全員ぼーっとしています。
みんなの口数が減ってきた。
多田さん、今日はもうのんびりいきましょうか。

 
と、思いながらも、ついつい展望階にあった
運動系のビデオゲームにチャレンジ。

 
‥‥思った以上に体力を使う。

 
「ふあぁぁ‥‥」まだ何の仕事もしていないのに、
我々、だいぶクタクタです。
初心者のソウル観光を、かなり真剣にやっています。
今回、仕事に来たのではなかったのか。
とりあえず道中の写真をほぼ日の
「ただいま製作中」に載せておいたところ、
あとで社内のいろんな人から、
「多田さんの写真がとてもよかった」
「仕事中に見て和みました」などと
声をかけられたりしました。
みんな、どれだけ多田さんのことが好きなのか。

 
その日の夜は、Global-eのみなさんと焼肉へ。
「多田さん、いっぱい食べて、
明日のプレゼンがんばって!」という時間です。
ようやく出張らしいムードが出てきました。
昼間たっぷり動いたから、
おいしいお肉がますますおいしい。

 
インターナショナルなメンバーでの、
英語もまじるごはん会ですが、
多田さんはすでにGlobal-eのみなさんと仲良し。
英語が得意なカンキさんにサポートしてもらいながら
わいわい話す様子を見ていると、
ぼくはちょっと感慨深いです。
同僚というのは、みんなそれぞれに、
いろんな仕事をがんばっているものだなぁと。
Global-eのみなさんに、どうして今回
多田さんに韓国のイベントでの登壇を
オファーしたかを聞いてみたところ、
こんな答えが返ってきました。
「多田さんのプレゼンは、自分のことばで
等身大で語ってくれていて、
聞いている人たちがすごくほっとできたんです」
等身大のことばが、ほっとする。
そういう理由で声をかけられているのは、
まさに多田さんらしい感じがします。
「‥‥だから今回のイベントでも、
トリを務めてもらおうと」
わぁ、そうなんだ、トリ!
3人のプレゼンターの最後というだけではありますが、
まったくアウェーの韓国のイベントで、トリ。
多田さん本人は大変だろうなと思いつつ、
期待されているのはすごいことだな、と感じます。

▲この夜食べたのはトリではなく、牛。それにしても、ほんとにおいしかった。韓牛っておいしいですね。 ▲この夜食べたのはトリではなく、牛。それにしても、ほんとにおいしかった。韓牛っておいしいですね。

 
翌日は大事な本番なので、
楽しいごはん会のあとはまっすぐホテルへ。
タクシーの中で多田さんと
「長い一日でしたね」と言い合いつつ帰りました。
そんなこんなで、想像以上に観光三昧だった
出張1日めは終了しました。

(つづきます)

2023-12-22-FRI

前へ目次ページへ次へ