なにかすっごいドラマがあったという
わけでもないのです。
とはいえ、担当のほぼ日乗組員たちが
力を合わせてがんばった。
そして海外のお客さんや社内のみんなにとって
「ほぼ日ストア」の使い勝手が、
前よりちょっとよくなった。
「これ、仲間のみんながよかったんですよ」
という話を、すこしさせてください。
いわゆる「越境EC」、つまり海外販売にまつわる
ほぼ日というチームの一側面の記録。
開発リーダーの多田さんを中心に追いかけます。
レポート担当は、ほぼ日編集部の田中です。
- 「ほぼ日ストア」の海外配送を
よりよくするためのプロジェクトの関連で、
さんとゆく韓国出張、2日めです。 - 出張はこの日がメイン。
多田さんは午後、プロジェクトのパートナーである
Global-eのイベントに登壇し、
韓国の人たちの前でプレゼンするという
大役が待っています。
- とはいえ、まずはお昼ごはんから。
Global-eのカンキさんが見つけてくれていた
冷麺屋さんに出かけて、早めのランチ。
わぁ、冷麺も、いいですねぇ。
- ひんやりと胃にしみわたる、上品な味の冷麺。
「ご自由にどうぞ」みたいに最初に出てきた
キムチがやたらおいしくて、
ついついみんなでおかわりしました。
「韓国で食べるキムチって、なんでこんなに
おいしいんでしょうねぇ」
「フレッシュな味がしますよね」
- と、どこかちょっと眠そうな多田さんです。
どうやら昨夜、ホテルに帰ったあと、
遅くまでプレゼンの準備をしていたんだとか。
このあたりの準備の丁寧さは、
やっぱりさすが多田さんという感じ。
- お昼を食べたら、会場のホテルへ向かいます。
到着してみると、かなり豪華な印象の、お洒落なホテル。
天井も高くて、内装もあちこち絵になる感じ。
しかもロビーの一角では、なにやら
テレビの撮影(?)のようなことまで
おこなわれていました。 - 今回のイベントはこのホテル内の小ホールで開催されます。
多田さん、こんなところでプレゼンするんだ。
- 思ったより時間があったので、
ロビーでお茶を飲みながらみんなで待機。
多田さんとGlobal-eのカンキさん、
いよいよイベントの打ち合わせを
はじめるのかと思ったら、ずっと多田さんの
「甘いものがやめられなくて、
まったくダイエットができない」という話に。 - 「つい、食べちゃうんですよねぇ‥‥」
「運動もいいんでしょうけどねぇ‥‥」
「続けられ、ないんですよねぇ‥‥」
- 「ならば!」というわけでもないですが、
思った以上に時間があって、
多田さんとふたりで出かけた近所の公園に、
トレーニング機器を発見しました。
走れ、多田さん!
- 「ぬおおおおーっ!」
- 「きえええええーっ!」
- ‥‥と、何枚かそれらしい写真を撮ると、
「はぁ、疲れましたね」とトレーニングはあっさり終了。
帰りに寄ったコーヒーショップで、
ビッグサイズの甘ーいカフェラテを買って、
会場のホテルに戻りました。
- さーて、ようやくリハーサルの時間です。
会場となるホテルの部屋で、
スライドの前に立って、感覚を掴みます。 - スライドタイトルは「Reactive to Proactive」
(受け身から先回りへ)。
日本の会社・ほぼ日は、Global-eの力を借りて、
海外配送をいっそう積極的にやっていきますよー!
みたいな感じです。
- スライドには、ほぼ日社長・糸井重里の写真も登場。
韓国のホテルで掲げられる、笑顔のイトイさんの写真。
なんだかこれだけでも
「ほぼ日、グローバルになったなぁ」
という感じがします。
イトイさん、ぼくらいま韓国にいますよー。
- 上からスクリーンがずずずっと下りてきたり、
後ろにおしゃれなバーカウンター的な空間があったり、
なかなか設備の整った会場です。
今日の座席数は、だいたい80席くらい。
- なんと、客席の後ろには通訳ブースが。
この箱の中に人が入って
同時通訳をおこなうのだとか。
つまり、多田さんのプレゼンもその場で
韓国語と英語に翻訳されていくということ。
お客さんたちは、椅子に置かれた
小型の通信器を使って話を聞きます。
- 打ち合わせ中の、Global-eのみなさんと多田さん。
右の男性、司会のアアロンさんは一緒に
開発をおこなっているエンジニアでもあります。
全員穏やかですが、本番前のきりっとしたムード。
ほぼ日のシステムチームみんなの、
イベント前の雰囲気にも似ています。
- 最終確認も済んで、あとはスタートを待つだけ。
多田さん、さきほど買ってきた
巨大なカフェオレを飲んで、気持ちを落ち着けます。
- ‥‥と、ここであらためて、今回の韓国出張について、
きちんとした説明をさせてください。 - 今回のさんの出張は、
「ほぼ日ストア」の海外配送についての
利便性向上プロジェクトの一環です。 - 海外からアクセスするお客さんたちに、
よりお買い物がしやすくなるように、
システム面の改良をおこないます。 - そのパートナーがGlobal-e。
「ほぼ日ストア」にGlobal-eが提供している
サービスを導入し、使い勝手のアップをはかります。
- 近年では「越境EC」と表現されることも多い
海外インターネット通販ですが、
国をまたぐことにより、
考えなければならない部分がいろいろあります。 - 「ほぼ日ストア」でも海外配送は
以前からおこなっていましたが、
海外からのお客さんにとっては、
「支払いが日本円のみ」
「関税まで含めた金額がわからない」
「クレジットカード決済しかできない」
など、不便なところがいくつかありました。 - また税金まわりの話は、各国ごとにルールが違い、
しかも改正などもある、ややこしい話。
きちんとルールを守っていくには
(コンプライアンスを遵守するには)、
細やかな対応が求められます。 - ほぼ日でも、だんだん海外への出荷量が
増えてきているなか、そのあたりについて
「常に問題なく対応できるようにしておきたい」
「社内の手間を減らしたい」
という課題がありました。 - そのなかで出合った会社がGlobal-e。
そのサービスを導入することで、
一気にいろんな問題を解決できます。
税金、表示価格、決済方法などの部分で
お客さん側の不便さが解消され、
ほぼ日の担当者たちの手間もずいぶん減ります。 - そこで、2023年8月導入を目指して、
「ほぼ日ストア」にGlobal-eのサービスを
組み込むためのプロジェクトが開始され、
その開発リーダーを多田さんが務めている
‥‥ということなのでした。 - (外側からはあまり見えない部分の話ですが、
「ほぼ日ストア」のお買いもののしくみ全体に関わる、
わりと大がかりなプロジェクトです) - また「ほぼ日ストア」は、ECサイトとしては
「ずっと自分たちでお買い物のしくみを作っている」
という、すこし珍しいケースでもあります
(いまは既存のショップシステムを使って、
お買いものサイトを作っている会社が大半)。 - そのため、Global-eのみなさんにとっても
「ほぼ日ストア」での導入は珍しいケース。
実際、こんなふうにGlobal-eのサービスを
直に導入する日本の企業は、
ほぼ日が初めてなのだとか。 - そんな背景があって、
「Global-eのサービスを導入することにした
理由について話してもらえないか」
というオファーがあって、
日本でおこなわれたGlobal-eのイベントで、
多田さんが話をしました。 - それがとても評判がよく
「ぜひ韓国のイベントでも」と依頼があって、
今回の出張がある、ということなのでした。 - そういった、ずいぶんややこしい話ですが、
なんとなくでも伝わりますでしょうか‥‥。 - とりあえず、ふだん編集部で
まったく違う仕事をしている立場からすると、
「そうか、システムチームのみんなは
こんな仕事もやっているのか!」
と感じて、なかなか興味深いです。
- さて、そうこうしているうちに
イベントの開始時間になって、
会場の席が埋まりはじめました。 - スーツの人もいれば、カジュアルな人もいますが、
今日は20代30代の若い人が多い印象。
「EC業界ではたらく韓国のビジネスパーソンたちは、
こんな感じなのか」と感激しつつ、ぼくは
邪魔にならないよう端っこの席で待機します。
まわりから聞こえてくるのは韓国語ばかり。 - すごいな、ここで話をするのか‥‥!
- 多田さんも席についたのか、姿が見えなくなりましたが、
きっと本番前で緊張しているはず。
同僚として、そして観客席にいる
おそらく唯一の日本人として
「多田さんがんばれー」と応援の念を送ります。
(つづきます)
2023-12-23-SAT