５歳

こんにちは。
失礼しまーす。

ーー

よろしくお願いします。
今、５歳さんがいらっしゃる前に、
観覧に来てくださったみなさんと
話していたんですけど、
この平日の16時という時間に来られた方は、
５歳さんのものすごいサポーターか、
すごく麻婆豆腐が食べたかったか、
どっちかですね、と（笑）。

（※この日は、ほぼ日の學校の授業後に、オリジナルの麻婆豆腐をご提供するという企画でした）

一同

（笑）

５歳

いや、ほんと、そうですよね。
今日、金曜日だし。
みなさん、お仕事は‥‥って、
ぼくも人のことは言えないですけど（笑）。
でも、ありがとうございます。
来ていただいてうれしいです。

ーー

おとといは新宿のお店を「間借り」して、
麻婆豆腐のイベントをされていたと聞きました。

５歳

そうなんです。
最近は毎日、麻婆豆腐を作っているので、
日付の感覚がなくなりつつありますが、
新宿御苑の
「TSUBASA COFFEE（ツバサコーヒー）」さんと
コラボさせてもらいました。
店長さんがぼくの麻婆豆腐を食べたいと言ってくれて、
月に１回、呼んでくれているんです。

ーー

いろんなお店を間借りして麻婆豆腐を作る、
ということをされているんですよね。
最初はどこのお店から始めたんですか。

５歳

最初は、中野の「スミス」というバーでした。
もともと店主さんと友達で、
気楽な中野料理対決みたいな会に
よく呼ばれていたんです。
みんなで料理を作って勝負する、ということを
遊びでやっていて。
ぼくもそれに参加して、麻婆豆腐を作ったら、
けっこう好評で、
「定期的にやりなよ」と言ってもらって、
それからずっと続けてます。
あ、今日もそこの常連さんが来てくださってますね。

ーー

もともと中野にご縁があったんですか。

５歳

そうですね。
ぼくはずっと中野に住んでいて、
そこで毎日飲んでいたので、
そういう意味では「ホーム」みたいな感じです。

ーー

あの、改めてうかがいますけど、
お客さんの中には、
「５歳って何？　名前？」
と思う方も、やっぱりいらっしゃると思うんですよ。

５歳

ああ、そうですよね。

ーー

なので、そこから聞いてもいいでしょうか。
私が最初に５歳さんを知って、
当時のツイッターでフォローし始めたとき、
お名前は「５歳さん」じゃなかった気がするんです。

５歳

そうですね。ぼく、もともとは、
家族のネタ、子育てとか夫婦の関係のことを
おもしろおかしくツイートしていたんです。
それが「バズった」ので、
そのツイートを原作とした漫画が
KADOKAWAから出版されて、
それをきっかけにライターの仕事が増えたんです。
「５歳」という名前も、
今はfive years oldの５歳ですが、
その前は「後妻」だったんです。
さらにその前は「恐ろしい妻」だったかな。

恐妻家みたいなキャラクターとして、
奥さんに隠れてツイートしていたんですが、
何回やっても見つかっちゃうので、
名前を変えて何度も作り直していたんです。
最後、「後妻」からの言葉遊びで
「５歳」になったときに、３日くらいでバレたんです。
そのときに観念して、
奥さん公認のアカウントということで
「５歳」の名前で発信を続けることになって‥‥
そういう攻防戦があったんです。

ーー

ツイッターを最初に始められたとき、
５歳さんは何者だったんですか。
いわゆる「バズる」前は。

５歳

ツイッターを始めたころの話をすると、
当時、ぼくの奥さんは、
ぼくが外に飲みに出かけるのを、
あまり、良しとしていなかったんです。
ぼくはすごく飲みに行ったり、ウケを狙ったりする
性格だったんですけど、それができなくなって、
「それならツイッターでウケてやる！」と、
その気持ちをモチベーションにして、
がんばっていたんです。
で、それより前にさかのぼると、
ぼく、もともとは鍼灸師なんですよ。

ーー

ええ？

５歳

鍼灸の国家資格も持っているんです。
今、友達からけっこう借金をしているんですけど、
利子代わりに鍼の治療をするという
約束で借りてます（笑）。
もともとマッサージマニアで、整体から入って、
リフレクソロジーやカイロプラクティック、
それからロミロミという
ハワイのマッサージも学んだし、
タイの民間学校に行ってタイ古式マッサージも習ったし、
マッサージの民間資格をたくさん取ったんですよ。
その中で、なにか国家資格がほしいな、と思って、
鍼灸師の学校の夜間部に３年間通って、取りました。

ーー

へえーー。

５歳

だから今、やりたいことが１つあって。
それは、「麻婆整体」と言って、
マッサージをした後に
麻婆豆腐を出すという企画なんです。
もともと、友達に
「腰が痛いから揉んでくれ」と言われて、
揉んだ後で「麻婆、食べる？」って、
作って出していたんですよ。
それが好評で、
「麻婆整体、絶対やった方がいい」って言われたので、
近々やろうかなと思っているんです。
だって、他にやってる人いないですよね。

ーー

（笑）いないです。

５歳

そう。誰もやっていないことを
やった方がいいなと思って。
発汗作用のあるスパイスってありますよね。
それをちょっと多めに入れて、
麻婆豆腐でデトックスする、
みたいなテーマでやろうかなと思っています。

ーー

マッサージも、最初は「ウケる」と
いうことから始めたんですか？

５歳

それもあるんですが、
ぼくの祖母が鍼灸師で、母も鍼灸師なんです。

ーー

えーー。

５歳

小さいころ、祖父の肩や腰を揉んで
お小遣いをもらっていたんですけど、
ぼく、気功みたいなものなのか、
手を窓に当てると手からモワーッと、
蒸気みたいなものが出ているのを感じるんです。
それで、おじいちゃんに、小さいころ、
「これはゴッドハンドかもしれない」って言われて（笑）。
その後、男子寮で先輩のマッサージをしたときも
「うまい」って言われたんです。

ーー

それは、学生のころですか。

５歳

はい。高校生のときです。
３年間の寮生活をしていたんですけど、
そこからまた人にマッサージをするようになりました。
高校を卒業した後、整体の学校に行って、
その後は自転車で日本一周したんですけど、
熊本では、農家さんの家で
お世話になっていたときがあったんですね。
そこで、「ぼく、マッサージできるんですよ」
と言ったら、
「村に腰とか痛い人いっぱいいるから、
やってあげなよ」と言われて、
みんなにマッサージをして、お金を稼いでいたんです。
「芸は身を助ける」と言いますけど。

ーー

‥‥なんか「人たらし」って、
５歳さんのことなんじゃないかなと思いました。

一同

（笑）

５歳

最近よく言われますね。
あんまり自覚がないんですが、
旅をしていると、そういうふうになるかなと思います。
ぼく、山形の高校に行っていたんですけど、
実家が千葉にあって、帰省するときに、
いつもヒッチハイクで帰って来ていたんですよ。

ーー

え？

５歳

山形から帰って来るときだけじゃなく、
九州とか、あっちこっちヒッチハイクで行ってました。
トラックの運転手の方が、
よく乗せてくれるんですけど、
みんな長時間運転に飽きているんですよ。
そのときに話し相手になるというのが、
乗せてもらった人への恩返しだと思っていて、
よく話してました。
ヒッチハイクって、車に乗せてくれて、
「おにいちゃん、おもしろいな」となって、
飯までおごってくれるんです。
いろんな人と話ができておもしろいし、
飯も食えるし、移動もできるっていう。
最高の移動手段ですよね。
20歳くらいになるまで、ずっとやってました。

ーー

そんな学生だったんですか。

５歳

今も、やれって言われたら、できる気がします。
頭に白いタオル巻くと目立ってやりやすい、とか、
そういうのを自分で研究してたんですけど、
がんばれば、この年でも、きっとできますね。