2023年7月現在で、YouTuber活動歴11年。
動画数2700本以上。チャンネル登録者数1050万人。
いちばん見られている動画の再生回数は1.2億回。
そんなはじめしゃちょーも、ことし30歳。
ゲーム『MOTHER2』の大ファンということもあり、
今回、糸井重里に会いに来てくれました。
そもそもはじめしゃちょーって、どんな人?
どんな子供時代を過ごし、どんな思いがきっかけで
YouTubeで活動するようになった?
昔からずっと面白さを感じていることは?
その創作の背景を教えてもらいました。
- 糸井
- 今日、なに話すかわかんなかったけど、
とても面白いですね。
やっぱり全部、いろいろ考えてやってることだから。
- はじめ
- いえ、そんな大したことはしてきてないんですけど。
- 糸井
- いま楽しいことは何ですか?
- はじめ
- 楽しいことですか。
ヘラクレスオオカブトを飼いまして。
- 糸井
- あ、書いてたね。卵産んだんだって?
- はじめ
- 卵産みました。ふつうに。
- 子どもの頃、カブトムシ育てるのって、
難しいじゃないですか。
環境、日当たり、場所、気温とか。
- 糸井
- カビが生えたりね。
- はじめ
- ‥‥そんなの絶対無理なんですけど(笑)。
- だけど大人になったいま、
「これはヘラクレスに全力捧げれるな」
と思いまして。 - それで、前に避難用に
核シェルターを買ったんですけど、
そこがちょうど空いてたから、
なかで温度調整と湿度調整も完璧にして
空気を循環させて育ててるんです。 - バカでかい、ヘラクレスからすると
最高の環境を作ってて。
●はじめしゃちょーのヘラクレスオオカブト動画。
「核シェルターでヘラクレスオオカブト飼うことにしました!」
- 糸井
- 最高だ(笑)。
- はじめ
- なので、核シェルターを特大の
虫かごとして使ってて。 - その結果、最初はオスメスを別にしてたんですけど、
一緒に住ませたら、異例の速度で、
1週間ぐらいで卵産んでたんで。
- 糸井
- おー、すごいね。
- はじめ
- 環境が良かったのか、相性が良かったのか、
いろんな要素があると思うんですけど。
「キタ!」と思って。
- 糸井
- それは、いつぐらいから準備してた話なんですか。
- はじめ
- ほんとに最近ですね。
夏が近づいてきて「虫いいな」と思いまして。 - どこに置こう、どこで育てようと思ったときに、
「前に買った核シェルターが空いてる!」と思って。
- 糸井
- 静岡?
- はじめ
- 静岡です。
- 糸井
- そうか。いま2匹いるんですか。
- はじめ
- もともと2匹飼ってたんです。
だけどメスは一回交尾すると卵を産み続けちゃうのと、
弱ってちゃって、一緒にいると危ないので、
そのメスだけいま別の部屋に移して、
いま新しいメスを追加したとこです。
だから3匹。
- 糸井
- どこかから仕入れるわけですか。
- はじめ
- 近くにペットショップがあって、
そこのブリーダーさんみたいな方に
お話聞きながら。
- 糸井
- ヘラクレスオオカブトって、
絵でしか見たことないもんね。
現物見ただけでうれしいでしょ。
- はじめ
- はい。めっちゃかっこいいんですよ。
ツノが、もう!
- 糸井
- やっぱり(笑)。
- はじめ
- 一本ヅノどかーんとあって、
下からもういっこ、刀みたいなやつが出てて。
カブトムシよりかなり大きいです。
(手を広げて)ツノ含めるとだいたいこれくらい。
- 糸井
- それはしばらく楽しいですね。
- はじめ
- ちょっといま楽しいですね。
- 糸井
- やがて、卵から幼虫になるのを見ると。
- はじめ
- そうですね。
幼虫になるのにだいたい1、2か月かかるんですけど、
そこからが長くて、
成虫になるのにちっちゃいのだったら1年ぐらい、
大きいのだったら2年かかるらしくて。
- 糸井
- 名前とかも「ヘラクレスしゃちょー」とかに
したくなっちゃうんじゃない?
- はじめ
- ヘラクレスしゃちょー(笑)。
名前つけちゃうか。
- 糸井
- 虫とか生き物って、育ててると
横にも話が広がりますよね。
たとえば科学博物館的な発想でも、
きっといろいろ行けますし。
本当に研究してる人とかの話とかも
いくらでも聞けちゃうし。
- はじめ
- いま面白いのが、交配?
やっぱり世の中には
「いかにでっかいヘラクレスを作るか」みたいな
研究をされてる方もいらっしゃって、
いい血統のヘラクレスとかがいるらしくて。 - 最近、ヘラクレス育てる第一人者みたいな
ブリーダーさんに連絡を取って、
「どうしたらいいですか」みたいなのを、
ちょっと相談しながらやってます。
- 糸井
- 歌手の前川清さんが、錦鯉の大家なんですよ。
雑誌とかにも出てますからね。
- はじめ
- 錦鯉(笑)。
- 糸井
- アジア全域での流行ですから。
そして、そのことについて聞くと、
「話しても分からないと思いますけど」
と言いながら、
無限にそういうこと言いますね(笑)。 - 沼の中に入って、いろいろやってましたよ。
そういうのも楽しみなんだって。
麦わら帽子かぶってると、誰も気づかない。
- はじめ
- うわぁ、へぇー。
- 糸井
- じゃあ、これからはヘラクレスの世界が。
- はじめ
- はい。子どもの頃には達成できなかった境地なので。
- 糸井
- ということは「大人買い」とか「大人遊び」とか
「大人いたずら」の集大成みたいなことが、
しばらくはずっと続くんだね。
- はじめ
- ああ、そうですね。
- ただ「大人だからこそできること」にも、
もちろん魅力があると思うんですけど、
ぼくはなんていうか、
「子どもの頃からできることを大人になってからやること」に
いちばん魅力を感じてて。
やっぱりそういうことをやっていくのかな、
と思っています。
- 糸井
- 「ヘラクレスが!」とかって言うと、
光の分量が多い感じがするね。
この商品をこれだけ販売しました、みたいな話よりも
空が青いというか。
- はじめ
- そうですね、光量がちょっと違いますね。
「核シェルターでヘラクレス100匹飼ってんだ」
のほうが、ぼくにとっては輝かしいかもしれないです。
(つづきます)
2023-08-09-WED