湯たんぽやハラマキをしたり、
ヨガやピラティスをしたり。
身体を整える方法はいろいろありますが、
「正しい方法」や「王道」を知りたい。
長年、女性の身体を診療し、
デリケートゾーンケアの講師もなさっている、
助産師の三宅はつえ先生に
「セルフケア」についてお話を聞きました。
毎日を気分よく過ごすためのヒント、
見つかるでしょうか?
三宅はつえ(みやけ・はつえ)
出張開業助産師。東京大学医学部非常勤講師。NHK連続テレビ小説「さくら」などドラマや映画、漫画の出産・助産監修もなさっています。たかくら新産業さんと一緒に、「デリケートゾーンケアアンバサダー講座」の講師もつとめられています。
- ─
- 半日、ずっと炎天下に
いなければいけない日があって。
周りには日陰もなく、
ほんとうに暑くて。
日傘は持っていたんですけど、
荷物を運んだり動いたりするから
傘をさせない状況だったんです。
- 三宅
- お仕事とかプライベートで大事なこととか、
どうしても外に出なきゃいけない日はありますね。
- ─
- 寒いのではなくて、
ものすごく暑い日の「自律神経の整え方」は
どうしたらいいのでしょうか。
- 三宅
- 外に出ている時間は、
頑張りたいじゃないですか。
なので、オフの時間に、
いかに身体を緩めるかだと思います。
- ─
- オフの時間に緩める。
- 三宅
- はい。
まず身体が火照っているときは、
首、手首、足首を「冷ます」ことを
オススメします。
流水や保冷剤をタオルに巻いたものを
当てるのが手軽ですかね。 - そして、身体を少し休ませた後に、
少しぬるめのお湯に浸かって
「今日は1日頑張った!」と自分を褒める。
- ─
- 自分で自分を褒めるんですか。
- 三宅
- 自分で自分を気持ちよくするためです。
- なるべくなら炎天下は避けてもらいたいけれど、
そうもいかない事もありますよね。
頑張る時間と甘やかす時間のメリハリをつけて、
緩める時は徹底的に緩める。
ご褒美に美味しいものを買ってきたり、
自分を褒めたりして、
リカバリーしてください。
- ─
- 自分のことを褒めるって、
意識しないと意外と難しいですもんね。
- 三宅
- そういう時は、
実は人とのおしゃべりというのも
すごく大事なことなんです。
話すことで自信を回復したり、
気持ちがほぐれませんか。
- ─
- 明るくなったり、
スッキリしたりしますね。
- 三宅
- 「今日こんなことがあったんだ」と、
話始めると自分の気持ちが整理されると思います。 - 私の場合は、仕事でいろんなことがあると、
すぐに仲間の助産師さんにメールします。
人と話すのが面倒だったり、
こういうご時世で話せないときは、
たとえば、ぬいぐるみを相手にしてもいいんですよ。
- ─
- ぬいぐるみでも。
- 三宅
- はい。
私の場合は、仕事の話が多いので、
お互い仕事内容をわかっている方が
話しやすいから、聞いてもらっています。
近いところで気持ちの通じ合える仲間が、
一人いるだけで世界は全然違いますよね。 - いまは、なかなか仲間関係を
築きにくいかもしれないけれど、
少しずつ探してみてください。
「この話題」だったら「この人」って、
ジャンルごとに話せる人が
違ってもいいでしょうし。
- ─
- 話題によって、
頼りになる人が違ってもいい。
- 三宅
- はい。言葉にすると、
フワーッと昇華されていきますから。
自分の人生だから
頑張りたい気持ちはわかるけれど、
無理はしないでほしいです。
- ─
- 「やっちゃいけないこと」
というのはありますか?
- 三宅
- これも人によりますが、
大きくは睡眠不足や過度なストレス、
暴飲暴食や冷やすことなど、
生活習慣が乱れるようなことをすると
体調は崩しやすいと思います。
生理中などは特に。
- ─
- 基本的な生活習慣を
乱すようなこと。
- 三宅
- そうです。
その程度は人それぞれなので、
自分で試していただきたいですが、
結局は小さなことの積み重ねなんです。 - 今日のお手入れは、
5年後10年後の自分のためだと思って
続けてみてください。
あとは、先を見過ぎて今を大事にできないことや、
後ろを振り返ってばかりで
今日をふいにしてしまうこともある。 - 今日がこれからの人生で一番若いし、
一番経験を積み重ねている日なんだって、
「今日の自分」を大事にするという
心の持ちようだけでも随分と変わりますよ。 - あと、自律神経の話から少し離れてしまいますけど、
「歩き方」も気をつける事もセルフケアになるかと。
- ─
- 歩き方ですか。
- 三宅
- 綺麗に歩くだけで、
ずいぶんと姿が違って見えますよ。 - 今は、歩き方が悪い人が多いんですよ。
姿勢を正して、一直線の上を歩くように
スーッと真っ直ぐに歩くこと。
そうすると、身体の筋肉が
整えられていきます。
- ─
- 歩き方をあまり気にしたことが
なかったかもしれません。
- 三宅
- 時々、ウィンドウに映る自分の姿勢を
チェックしてみてください。
「背筋は伸びているかな?」と。 - 生活習慣もそうですが、
日々の小さな積み重ねは
その先の自分に大きく影響しますから。
少し気にされてみてください。
2021-03-19-FRI