「まゆげ」の子、「マラソン」の子、
「政治に詳しい」子、「料理上手」な子、
彼女のことを思い浮かべたときに浮かんでくる、
彼女をカタチづくることばたちは
実に多種多様で、
一体彼女は何で出来ているのかわからない。
がんばりやさんの彼女が
本当は何をもとにつくられているのか、
どんなジャンルにもしばられない
「井上咲楽」のレシピを紐解く。
担当は「ほぼ日」下尾(しもー)です。

>井上咲楽さんプロフィール

井上咲楽(いのうえさくら)

1999年うまれ。栃木県益子町出身。
2015年、高校生の頃に「第40回ホリプロタレントスカウトキャラバン」で特別賞を受賞し、芸能界デビュー。
以来タレントとして幅広く活動。
『新婚さんいらっしゃい!』(ABCテレビ)などレギュラー番組多数。
マラソン、選挙、ぬか漬けなどの多彩な趣味を持つ。
2024年5月に『井上咲楽のおまもりごはん』(主婦の友社)を出版。

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第1回 かわいさのレシピ

──
5月発売の「井上咲楽のおまもりごはん」
話題になってますね。おめでとうございます。
咲楽
ありがとうございます。

──
今日はたくさんのレシピが載っているこの本と掛けまして、
井上咲楽さん自身が
どんなレシピで出来ているのかなという思いで、
井上咲楽さん自身を深掘りしていきたいなと思っています。
例えば、咲楽さんを構成しているものとして
「まゆげ」「ファッション」「スタイル」
「可愛い」「無添加」「マラソン」「政治」etc. 
いろんなところがあると思うんですけど、
そういう部分を今回はちょっとずつ紐解いていきたいです。
咲楽
はいっ! よろしくお願いします。
──
まずは「かわいさのレシピ」です。
咲楽さんといえば、まゆげですよね。
わたしは、ずっと咲楽さんのまゆげが大好きで
チャームポイントだなって思ってるんですけど、
最近はお手入れも自分でやっているんですか?
咲楽
そうですね。
まゆげを整えるという企画から、
3年が経ちました。
──
もうそんなに経つんですね。
咲楽
そう! 3年経つんですよ。
なんかあれだけ、まゆげまゆげって思ってたんですけど、
ようやく、最近まゆげ離れできたのかなと思っています。
今は、まゆげサロンに行ったりとか、
自分に合うまゆげの形を教えてもらったりして、
そこから生えてきたら日々抜いてます。
──
最初、まゆげに対しては
自分の中で、コンプレックスはあったんですか?
咲楽
そういうことはなくて。
芸能界に入ってから、
すぐに「まゆげが太い子」として、
仕事をいただくことが多かったので、
むしろ、まゆげの恩恵をとっても受けて、
ありがたいなと思っていました。
──
まゆげが変わって、
3年の間に心境は変わりましたか?
咲楽
そうですね。
最初は整ったことを話題にしていただいて、
とてもうれしかったです。でもきっと
話題になる期間も、すごく長いわけじゃないので、
次どうしようっていう風に焦りながら
仕事をしていたんですけれど、
ようやくこの1年ぐらいで、まゆげ以外に
自分の中で出していけるものが、この本みたいに、
ちょっとずつ増えてきたんじゃないかなと思っています。

──
自分が広がってきた感覚があるんですね。
かわいさの秘訣の中で、
肌がキレイなところも
伝えたい部分のひとつです。
咲楽
ありがとうございます。
──
本当に素敵だなと思っています。
小さい頃から食べ物が無添加だったことが、
肌の美しさにつながっているような気がします。
お母さんは何でも手作りしてくださったんでしょうか?
咲楽
そうですね。お母さんは基本何でも手作りでした。
幼稚園のお弁当も、他の子たちはカラフルな
冷凍のおかずが入っているお弁当なのに、
わたしのお弁当は切り干し大根や、芋がら、煮物に、
玄米や七分づき米で、全体的に茶色くて、
あのときは他の子が、とてもうらやましかったです。
──
小さいとき、既製品のパンを食べたことがなかった
というのは本当ですか?
咲楽
そうですね。
スーパーのパン売り場で、これを食べたいって言ったら、
母がつくってくれるようになりました。
そこから母はパンづくりにすごく没頭して、
今は天然酵母のパンをお店に出しています。
発酵具合によって、日々味が違って、
ドイツっぽいパンなので、かたくて、
よく噛んでいくと、味わい深いなと思うパンが多いです。
──
からだにいいものを食べてほしかったんですかね?
咲楽
そうだと思います。
友達とお弁当の中身を交換することってありますよね?
ある日グラタンがすごくおいしそうで、もらったんですよ。
そしたら、もう飛びあがるくらい、おいしくて。
なんか、脳につきささるような衝撃で。
これまで一生懸命、噛んで噛んで、
やっとおいしさがわかるようなものを食べてきたので、
ブチ抜かれたようなおいしさだったんです。
あの味が、もう忘れられなくて、母に買ってほしいけど、
普通にお願いしたらダメだろうなと思って、
そのグラタンの下のカップ皿に
今日の運勢や、ラッキーカラーが書いてあるのを発見して、
これだ! と思って、あれがやってみたいから、
あのグラタンを買ってほしいとお願いしました。
そしたら、わかったわかったと言って、
その占いが書いてあるカップだけを買ってきて、
母がつくったおかずを入れてくれたんですね。
当時はこれじゃなーい! と思っていました(笑)。

──
でも、そのおかげで、知らないうちに、
コツコツと無添加生活ができていたってことですね?
咲楽
そうなんです。感謝しています。
あ! もうひとつだけ、言わせてください!
 
小さいときは回転寿司に行っても、
お寿司以外のものを食べちゃいけないルールだったんです。
それが最近、回転寿司に行った時に、なんと、
ついに、うどんが食べられたんです!!! 
背徳の気持ちもありつつも、すごく嬉しかったです。
大きくなって叶えられた夢みたいな感じです! 
──
おめでとうございます(笑)。

(つづきます)

2024-08-16-FRI

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  • その人の「人となり」を知りたくて、
    料理本を買うという自分自身の経験をいかして、
    丁寧につくられた「井上咲楽のおまもりごはん」。
    彼女のあたたかい、ホッとできる一面が
    随所にあらわれている。
    特にそれぞれに書いてある「咲楽メモ」がオススメ。
    料理が下手な人でも、背伸びしなくて、
    ちょっとやってみたらできるかもと思える料理たち。
    盛り付け方にいたるまで、井上咲楽さん自身が、
    一生懸命こだわった一冊です。

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