「まゆげ」の子、「マラソン」の子、
「政治に詳しい」子、「料理上手」な子、
彼女のことを思い浮かべたときに浮かんでくる、
彼女をカタチづくることばたちは
実に多種多様で、
一体彼女は何で出来ているのかわからない。
がんばりやさんの彼女が
本当は何をもとにつくられているのか、
どんなジャンルにもしばられない
「井上咲楽」のレシピを紐解く。
担当は「ほぼ日」下尾(しもー)です。

>井上咲楽さんプロフィール

井上咲楽(いのうえさくら)

1999年うまれ。栃木県益子町出身。
2015年、高校生の頃に「第40回ホリプロタレントスカウトキャラバン」で特別賞を受賞し、芸能界デビュー。
以来タレントとして幅広く活動。
『新婚さんいらっしゃい!』(ABCテレビ)などレギュラー番組多数。
マラソン、選挙、ぬか漬けなどの多彩な趣味を持つ。
2024年5月に『井上咲楽のおまもりごはん』(主婦の友社)を出版。

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第6回 お仕事のレシピ

──
続いては、お仕事の話を聞きたいと思います。
国会議事堂に通うほどに政治の勉強もされていますし、
コメンテーターもされていると思うんですけど、
日々意識して取り組んでいることはありますか?
咲楽
そうですね。選挙で言ったら、
日々、選挙好きな友達から情報を集めたりとか、
アンテナを立てておくだけで、情報が入ってきます。
わたしはその友達と一緒に、選挙を見に行きます。
できる限り現地で取材をするようにしてます。

──
最初に選挙に興味をもったのはいつですか?
咲楽
最初は17歳のときです。
衆議院選があって、その選挙での結果で、
こんなにも人の感情が動くものなんだなと、
その人間ドラマを見たときに、
すごく面白いなと思いました。
政治的な思想として興味を持ったというよりは、
どちらかというと、人間そのものに
興味を持ったことが、はじまりです。
──
同世代の他の子にも
関心を持ってほしいと思うことはありますか?
咲楽
持ってほしいというよりは、もったいないなと思います。
選挙って、すごく楽しいし年々データが溜まっていくんです。
この選挙で落ちたこの人、またこっち出てるじゃんとか。
こっちに出て、受かってるんだとか。
そういう変化も、とても楽しいので、早く見ておいた方が
生涯楽しめる趣味になるのになあと思います。
──
趣味っていう感覚なんですね?
咲楽
そうですね。選挙は趣味ですね。
──
いいですね。
男女問わず、仕事をするうえで、
こんな風になりたいって
目標にしている人っていますか? 
咲楽
うーん、目標にしてる人は誰だろう? 
細かいところで言ったら、チャンカワイさんです。
──
どんなところが好きですか?
咲楽
チャンさんと一緒に、
マラソンの番組をやっているんですけれども、
チャンさんがロケしたVTRをスタジオで、
みんなで見るとき、
「あ! 次は、チャンさんのVTRだ! 」って
みんなすごく楽しみにしているんですよ。
──
わあ、それは、かっこいいですね。
咲楽
だから、共演者の方が、
この人のVTR楽しみだなってワクワクしてみられる、
そういう存在になれたらいいなと思っています。

──
それは、いい目標ですね。
今まで、ひと通り、
たくさんの仕事をされてきたと思うんですけど、
これからどういう道に進みたいと思っていますか?
咲楽
できる限りバラエティに出続けたいなって思っています。
そして今回の料理本のように
自分の作ったものをみんなに愛でてほしいです。
──
今年新卒の新入社員の方々に
少し先輩の咲楽さんが
伝えられるとしたら、どんなことですか?
咲楽
んー、そんなに歳も変わらないと思いますが、
新入社員の方に
自分が伝えられることとしたら、
なんかこれって意味あるのかなーみたいなことって、
仕事をするうえで、いっぱいあって。
結局そういうものって、
そのときには、わかんないなー、
意味あるのかな? って思いながら、
むなしくなることもあると思うんだけど、
8年経って思うことは、あの時やってたことは
意味があったんだなって。
無駄なことは何もなかったし、
それがわかるのは、少し先になると思います。
──
ありがとうございます。
咲楽さんにとって、
今、仕事ってどんな存在ですか?
咲楽
うーん、どんな存在なんでしょう? 
仕事があるから「自分ってこんなものだったんだ」
ということがわかるのかもしれません。
例えば、最初は、まゆげが太いと思って
オーディションを受けていたわけじゃなくて。
周りのスタッフさんたちが、
あの子すごくまゆげが太くて面白いっていう風に
言ってくれて、初めて気づけたんです。
それって自分がそのまま生きてたら、
発見できなかったというか。
もちろん太い自覚はあるんだけど、
それが面白いとは思わないので。
そういう自分にとって当たり前だったことを
周りから改めて発見してもらって、
「あ! そっか自分ってこういう人なんだ」って自覚して、
15歳から10年かけて、「井上咲楽」が
構成されていった感じはありますね。

(つづきます)

2024-08-21-WED

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  • その人の「人となり」を知りたくて、
    料理本を買うという自分自身の経験をいかして、
    丁寧につくられた「井上咲楽のおまもりごはん」。
    彼女のあたたかい、ホッとできる一面が
    随所にあらわれている。
    特にそれぞれに書いてある「咲楽メモ」がオススメ。
    料理が下手な人でも、背伸びしなくて、
    ちょっとやってみたらできるかもと思える料理たち。
    盛り付け方にいたるまで、井上咲楽さん自身が、
    一生懸命こだわった一冊です。

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