2020年、ほぼ日は、はじめて
インターン募集に取り組みました。
はじめての試みでしたが
結果として5名のインターン生が、
約束のインターン期間を終え、
卒業後の入社を予定しています。
はじめてのインターンを振り返り、
採用担当の趙・藤野と、
清水・白神・宮・南・西村という
5名のインターン生が、
期間中どんな仕事をしていたのか、
うれしかったこと、
とまどったこと、学んだこと‥‥
率直に話し合いました。
司会とまとめは、ほぼ日奥野です。

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第1回

全員どきどきしていた。

──
まず、人事担当の趙さんにお聞きしますが。
はい。何だろう‥‥どきどき。
──
ベテランなんで、どきどき禁止です。
今回、はじめてインターン募集をしてみて、
いかがでしたか、というところを。
はい、そうですね、ええっと。
ずっと、新卒の人はいたほうがいいなあと
思ってはいたんです。何年も前から。
わたし、人事担当になって、
もう十ウン年くらいは経つんですけれども。

──
十ウン年。
お隣の会社、知り合いの会社、前いた会社、
どこも新卒採用をしているのに、
どうして「ほぼ日」では踏み切れないのか。
──
ええ。
藤野
どうしてだったんですか?
やっぱり、それまでの「ほぼ日」は
規模が大きくなかったので、
仲間を増やそうというときには、
中途採用がほとんどだったんですね。
即戦力で活躍できる人がすぐほしい
というのが募集の理由でしたし、
新卒の若い人を、
育てるしくみも経験もなかったので。
──
そうですよね。
でも、敦子さん(=藤野)はじめ、
新卒採用のお仕事を経験されてきた人が
何人か入ってきてくれて、
はじめてインターンをやってみたんです。
そしたら、
難しいと思いすぎてたかもしれないって。
──
おお。
いろいろ改善すべき部分はあるけど、
少なくとも、こうして、
5人の「いい若い人」に会えたので。
──
動機は「若い人に会いたい」ですか。
ですね、主には。
──
藤野さんは、いまさらですみません、
前の会社では
そういうお仕事をされてたんですか。
藤野
私は1社目の会社で、
新卒採用と育成の担当をしてました。
ガッツリ。
──
ガッツリ。
頼もしいんです(笑)。
藤野
いえいえ(笑)、前の職場は
採用を支援する会社だったんですね。
それそのものを生業としてる企業の
採用・育成の体制のなかで、
自分自身も、
新卒から育てていただいたんですが。

──
じゃ、私に任せといて的な感じで。
藤野
いえいえいえ(笑)、とんでもないです。
ほぼ日に入社した直後でしたし、
ほぼ日のことも、
まだきちんと理解できてない私が担当で
大丈夫だろうか‥‥と、
私も、内心どきどきしながらでした。
そうだったんですね‥‥敦子さんも。
──
じゃ、全員どきどきしてたんですね。
インターン生もふくめて。
藤野
そうかもしれません(笑)。
ただ今回、ひとつ思っていたのは、
自分で考えて主体的に動ける人でないと、
とくに難しいかもしれないと。
──
というと?
藤野
やっぱり、はじめてのインターンなので、
どんなに準備していたとしても、
受け入れ側の体制が完全には整わないと
思っていたんですね。
手探りの場面が、必ず出てくるだろうと。
でも、結果的には、
自分で考えて動ける人ばっかりが、
ここに残ってくれていると思うんですが。
うん、うん。そうだよね。
──
藤野さんが選考過程で重視していたのは、
どういった部分だったんですか。
藤野
そうですね‥‥いくつかありますが、
大きくは、
自分の頭で考えて生きてきた人であるか。
新型コロナウィルスの影響で、
オンラインでの面接が続いたんですけど、
自分の頭で考えてるかどうかって、
言葉の端々からも感じられるんですよね。
そうなんですよね、不思議なことに。
敦子さん、他にどういうところを
見てらっしゃいましたか、ちなみに。
藤野
ほぼ日に限らないですけど、
まず「誠実さ」が不可欠と思いますので、
その部分です。
正直であるかどうか、ウソをつかないか。
そういう「人柄」の部分は、
ほぼ日という会社ではたらく人としては、
主体性や強さと同じくらい、
大事な資質だろうなあと思っていました。
──
趙さんは?
私もそうです。大きな部分は同じですね。
そこは、そろっていましたよね。
──
新卒の若い人をどう育てていくかには、
社風というか、
その会社の色が出てくるんでしょうか。
藤野
はい、そうだと思います。
──
20年前、僕が新卒で入った出版社は、
今はどうかわからないけど、
新人を
いきなり一人で取材に行かせたんです。
で、そこで、マゴマゴしながら、
取材相手に多大な迷惑をかけながらも、
どうにか「取材」して、
ほうほうの体で帰ってくる‥‥んです。

へええ。
──
その「新人が迷惑をかけた相手」には、
後日、
編集長や先輩がフォローしてたりとか
してるんですけど。
そうなんだ。
──
で、そのときに身につけたことだとか、
失敗して学んだことって、
いまだに大事にしていたりするんです。
そうなんですよね。
だから、うちでインターンをやるのに
難しいかなと思っていたのって、
体制の整わないまま受け入れることで、
良くも悪くも、
その後のその人に影響を与えちゃうと、
思っていたからなんです。
藤野
とくに、ほぼ日のインターン期間って
かなり長いので。
──
あ、そうなんですか。
藤野
コロナで当初より短くなったとはいえ、
3ヶ月半って、けっこうな長さです。
全インターン生
(深くうなずく)
──
へええ。3ヶ月半だと、長いんですか。
藤野
よくあるのは「2~3日」とかですよ。
全インターン生
(深くうなずく)
──
めちゃくちゃ長いじゃないですか!
私も知らなかった。
──
は、趙さんまで?
藤野
インターンって「就業体験」ですけど、
よくあるのは、
採用側が
2、3日のワークショップをしながら、
学生さんを見極める‥‥みたいな。
それでも、学生さんの側も企業の側も、
やらないよりはやったほうが、
おたがいを知れるとは思うんですけど。
──
はー、みなさん、じゃ、大変でしたね。
全インターン生
はは‥‥(呆れたようにパラパラと)。
──
じゃあ、そういう意味でも、
ここにいる
5名のインターン生のみなさんに、
どういう仕事を経験したか、
何を学んだかを、
ひとりひとり聞いてみましょうか。
藤野
そうですね、ぜひ、聞いてみたいです。

(つづきます)

2021-02-09-TUE

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